2017年09月25日

永六輔「坂本九ものがたり 六・八・九の九」(ちくま文庫)

永六輔さんも亡くなっちゃったなあ。
永さんの尖り加減が好きでした。
この本を読むと、マルチタレントだったことが
よく分かります。
八大さんはジャズピアニストから作曲家へ、
そして売れっ子中にアメリカ行っちゃう
先進的な人。
永さんは、
学生時代からテレビ創生期に放送作家として
頭角を現し、「上を向いて歩こう」からの
作詞家稼業、しかし阿久悠やさだまさしらの台頭で
作詞は引退、というところまでの時代。
そして主人公の九は
川崎の色街出身で姉が歌舞伎狂、
賢く聡い反面、やんちゃだった様子。
それを愛情深く、しかし批判的にも
ムダな言葉なく描いています。

エルビスのモノマネ名人で
ドリフターズのバンドボーイ中にスカウト状態で
歌手へ。ナベプロの渡辺美佐の妹、曲直瀬に
見染められ曲直瀬プロへ。
この辺りの当時の芸能事情も
ぜひ読んでみたい。なかなか黒い世界。
しかしそれが現在のプロダクションの原型。
自分の歌の下手さを克服すべく努力。
美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」を
ご本人に許可を得に行き、オーケーをもらい
自分の歌にした事実は、
九自身が本当にお母さん大好きっ子の証し。
そのお母さんが死んだ時のリサイタルの
描写は舞台監督を請け負っていた永さんだから
知り得る真実、迫るものがありました。

正直九さんに思い入れはありません。
けれどこの自分が生きた時代の人々に
ものすごく興味を持っている訳です。
永さんの本ももう少し読んでいきたい。
posted by 大ねこ at 22:19| Comment(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月23日

映画 エウレカセブン ハイレボリューション1

小ねこに誘われて行きました。
ちょっと前にキッズステーションでやってて
家中で見てたエウレカセブン。
エヴァンゲリオンよりは美しく分かりやすい
でも、屈折満載のアニメ。

時系列を敢えて混合して
レントンの心理に寄り添ったつくりでした。
脇役のチャールズとレイ夫妻が
クローズアップされていて
家族愛的なものと中学生の反抗期が
良く描かれています。
レントンが何故そういう生き様になったか
何故チャールズたちがレントンを愛していても
手放す事になったかなど、明確になりました。
冒頭のサマーオブラブがいかにして起きたか、
レントンの父が何故エウレカを置いて
身を投じなければならなかったか、などは
まだイマイチピンとこなかった。
戦闘シーンやその時の状況説明はいっぱい
美しく描かれていましたけどね。

どちらかというとレントンの14歳の現実が
主題だったようです。

小ねこいわく、ネットでは不評の映画のようです。
要求する部分が異なればそうかもしれない。
でも、一人少年が家族を失い
その父が偉大であればあるほど所在なくなり
愛を求めて彷徨う話であると思えば
結構良くできていました。
養父やエウレカから人としての道を学ぶ
成長物語としては上質でした。
posted by 大ねこ at 16:27| Comment(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月19日

小林信彦 萩本欽一「ふたりの笑タイム 名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏」(集英社文庫)

欽ちゃんが、とても素直に小林信彦さんに私淑。
コント55号時代のアドリブの話などは
小林さんもノリノリで聞いている。
私は子供時代に55号好きじゃなかった。
欽ちゃん自身も多才でプロデュース能力の高い点は
評価していますが、好き嫌いで言えば
好きじゃなかった。
そのほかの、渥美さんや森繁さん、のり平さんなどは
以前読んだ小林さんの著書で知ってる。
クレージーキャッツやエノケンの事も
今まで読んだ範疇。
なので目新しさはなかった。
欽ちゃんの聞き上手さで読み切りました。
にしても、小林さんの記憶の良さは健在。
まだまだ長生きして芸能に携わってほしいです。
おそらく芸能人はいっぱいいるけど
喜劇人はいなくなったと感じておられる。
素人の私でもそう思う。
上手い歌い手はいても歌姫や本物のミュージシャンは
いなくなったのと同じ。
posted by 大ねこ at 21:34| Comment(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月16日

紀伊国屋サザンシアター こまつ座 「円生と志ん生」

敢えて旧字体、
圓生と志ん生。
プロローグで圓生と志ん生の落語風物語紹介。
満州に渡って酒と飯食い放題で給金貰える、
国策に乗って行ったはいいが
大連で敗戦、ソ連軍侵攻。
帰国出来ない状態。
密航船はバカ高い。
宿も追い出されソ連軍相手の遊郭に下宿。
そこでソ連軍側の戦犯扱いとなり
命からがら逃げ出し、野宿からの
浮浪者状態へ。
そんな生活でも噺ネタの練り上げは忘れない二人。
いつか必ず生きて帰国して
言葉の通じる客相手に噺をしたい。
その夢実現の為、圓生が提案する裏技が、
期間限定結婚。
大連に住む日本人女性は
ほぼシベリアに強制送りされた男たちを
失い、非常に心細くなっている。
だから帰国できるまでの期間限定結婚。
圓生も志ん生も既婚者。
この目論見は上手く行くか、までが第一部。

圓生が真面目でゆったり、実社会でも
十分対応できる人柄。
しかし噺に融通がない。
志ん生は賭事飲み事大好き。生活破綻系。
しかし噺は融通無碍、愉快。
先輩の志ん生が圓生に頼りつつ
噺の師匠&先輩として二人三脚の
戦後の悲惨な外国旅。

第二部は、期間限定結婚に成功した圓生と
密航さえ詐欺に遭って磊落している志ん生。
キリストに見紛うスタイルで修道院で寄宿の件は
同様に修道院で過ごした井上さん自身の事実が
反映されていると見ました。
やっと1947年に引き揚げ船が到着。
圓生は結婚相手との交渉があって同乗せず。
単身帰国の途につくところで幕。

言葉の力を信じた井上さんの
面目躍如のドラマでした。
ラサール石井さんが思っていた以上に良く、
志ん生はきっと本当に
どんな困難な時も冗談言って
ナメクジウジムシのごとくしたたかに
生き延びていらしたんだろうと
目頭熱くなりながら熱演拝見しました。

二枚舌や似非救世主や戦争賛美者や寝返り者が
横行する時代に
笑顔でまっとうに生きることが
何と大変な事か。
しかし、やはり近くに信頼できる人間の
いる事がとても大事な事も
このドラマには含まれていました。

女性4人の演じ分けも素晴らしく
いい舞台でした。真っ直ぐに感動しました。
ああ、また落語行きたくなった。
posted by 大ねこ at 20:52| Comment(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月12日

能町みね子「お家賃ですけど」(文春文庫)

体調は回復。
夏休み明け、子供によっては「行きたくない」症状。
仕方ないです。
様子見です。
大人だって行きたくないですよ。
いわんや子供をや。

能町さんの文章は乾いていて哀愁がある。
突き放しているようで愛情がある。
恬淡としているようで結構しつこさもある。
これは彼女が、彼、から彼女、に変わる頃
住んでいた神楽坂、牛込あたりの
下宿屋の話。
都会の中の都会、神楽坂は
古いものと新しいものが同居してる街。
築40年の家の大家の83歳の加寿子さんとの
やりとりなどはとても上品で踏み込まないけど
優しさがある。
OLしながらデザイナーのアルバイト、
様々な人に重宝されながら、自分探し中の姿。
心臓が良くなく、結果的に性転換手術直後
心臓の手術もし、相部屋のお年寄りに
愛着を覚える優しさ、愛おしさ。
風呂釜のガスがつかない件などは、
あるあるネタでもあります。
何より、牛込の街に突き立つペンシルマンションを
爆破したい、蹴り飛ばして倒したい、と
願うあたりは全く同感できます。
若いけど、古さの分かる人間にそだったルーツの
物語も挿入されていて
実家のそれぞれの祖母達の話題は
多くの人に分かって貰えるところだと思う。

いいオンナだね、みね子さん。
好きです。
posted by 大ねこ at 22:49| Comment(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月07日

江戸川乱歩「明智小五郎事件簿Ⅺ 妖怪博士・暗黒星」(集英社文庫)

もう一冊刊行されているシリーズですが、
これにて終了。
飽きません。しかしパターンに飽きます。
乱歩調に飽きてきました。
でも、本当に飽きずに読ませます。
特に仕事の往復にはボーっと夢中で読める。
猟奇的、変態的なんだけどいやらしくない。
現在の怪奇モノや推理モノの先駆けだから
安心感が違う。
明智小五郎はきちんとかっこよく解決してくれる安心感。

妖怪博士は二十面相の明智への愛憎。
暗黒星は、出自からの復讐譚。
どちらも面白い。

黒蜥蜴が中谷美紀で日生で上演される。
しかし12000円。
考えちゃう値段。
あ、でも、嬉しいことに桑田佳祐コンサート当選!
こっちは手放しで申し込みましたけど。
posted by 大ねこ at 21:11| Comment(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月03日

さいたまスーパーアリーナTOIRO寄席 柳家三三独演会

9月1日は腹痛に悩まされました。
おそらく前日食べた近所の弁当屋の
昼食のお弁当、かと。
なので、まるで登校拒否の子供のように
痛いよう〜、の1日を過ごしました。
で、まだガスター10のお世話になっております。
食欲もありません。

それでも三三。
さいたまスーパーアリーナの一角にある
TOIROと言う小ホール。
もう34回目の寄席会だそうで
遅まきながら
今回より出来るだけ参加しようと思います。
近いので。

小竹の初天神に続き
お血脈。もう3回くらい聞いていますが
ロングバージョンであちこちで喋る
マクラを詰め込んでの笑えるものに
仕上がってました。
三三さん的には掴んで笑わせたいときに
今はお血脈なのかな、と思います。
御釈迦様が阿弥陀様に代わりに日本へ
行ってほしいと依頼しに行くシーンの
「アーミー❤️」が好き。
可愛すぎる。
ここまでで1時間消化。
中入り入って二つ目はしっかりした噺かと
予想。
そういえば、喬太郎兄さんのことも
いつになくイジってました。

やはり、という感じで「青菜」。
夏の終わりですからね。
テンポ良く、イマ風のアレンジがあるのが三三式。
ご亭主は本当にご亭主。
植木屋はおかみさんに頭が上がらないけど
夫婦はとても仲良し。
芝居に乗ってくれる大工は実は植木屋大好き。
生ぬるい風しか吹かないし、
柳かげは年に一度飲めれば良い方、
鯉の洗いなんて、氷敷くくらい贅沢で
まず長屋住まいである以上食べられる訳ない。
そんな生活だけど、芝居に乗ってくれる仲間がいて
芝居に乗ってくれる奥さんがいる。
そう言う明るさを感じる噺になってる。

もうちょっと違う噺も聴きたいけど
それはイイノホールなどの月例会ですね。
チケット取れない〜。日にちが厳しい〜。

元気なイキのいい三三さんを真近で
拝見できたからいいや。
どんどん上手くなります。
ただ、マクラは師匠みたいに、とは言いませんが、
更に工夫してほしいな。
社会性やセンス、趣味の広さや落語の薀蓄も
結構あるので、照れずに活かして磨いてほしいな。
師匠みたいに長くなくていいよ。(笑)

まだ腹痛は残ります。
時々胃がキューッと。
下痢は完全におさまったので後は
時間とのたたかいだと思う。
明日から全くの日常。
働く。
posted by 大ねこ at 17:14| Comment(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月31日

江戸川乱歩「明智小五郎事件簿] 少年探偵団・黒蜥蜴」(集英社文庫)

夏休みが本当に終わる。
もう今週は仕事On仕事でしたが
明日からは子供達が集合。
まあ、研修という名のこれも知っとけ、
お前達教員はあれもこれもやんなきゃいけない、
押し付けを「学ぶ」よりは
子供達と過ごす方が本分であります。
ちなみに研修は、例えば
アレルギー、新指導要領、貧困、特別支援、
歯医者さん講話、等々。
行政が言うよりセンセから言ってよ、的な。
うーむ。

そんな中で読破。
三島の戯曲、美輪明宏さんの緑川夫人。
一度見に行きました。
もちろん学生時代に戯曲も読みました。
ここでの江戸川乱歩原作は
読み物として上質。
大人向きでエロ要素グロ要素満載。
異常愛、好きだよね、乱歩。
人間椅子はここにも健在。
人間の剥製も健在。
色っぽいのに僕、と自称する緑川夫人。
男性性もあるわけで、美輪様にぴったり。
まるで彼のためのお話。
明智氏に恋をしちゃうあたりも斬新。
自殺するヒールは乱歩には珍しいのでは。

もう一作の「少年探偵団」が完全に霞みます。
こっちも二十面相が火薬爆破で死んだか?と
思わせますが、はっきりとはさせていません。
少年向きな現れ、以下次号のやり方です。

もう一冊残っていますので
楽しみましょう。
ちなみにシリーズは更にもう一冊で
計12冊のようです。

涼しい一日でした。
明日の再開も涼しいようです。
posted by 大ねこ at 20:45| Comment(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月25日

江戸川乱歩「大金塊・怪人二十面相」(集英社文庫)

児童向け探偵小説だから
懐かしい。読んだわ。
ポプラ社のホームズとかルパンとかの
シリーズ読破したわ。
しかし乱歩は不気味過ぎて
途中でやめたわ。

この歳になって読んでみて
他愛のなさにちょっと笑える。

怪人二十面相は人ごろしをせず
ひたすら盗み、小五郎と対決するのが生き甲斐。
小五郎もペダントリィ全開。
子供にわかりやすくしているので
大人にはまさに子供だましの内容。
しかしこのパターンが現在の戦隊モノやら
正義の味方モノ、月光仮面に至る全ての大本。
子供を楽しませたいと考えた乱歩はすごい。
戦争の匂いプンプンの時代1936年に連載されたとのこと。
80年前だ。
posted by 大ねこ at 21:46| Comment(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月23日

夏が、終わる。

何気に、ずうっと高校野球。
終わっちゃった、花咲徳栄優勝。
広島の広陵、応援していたんだけどな。
14対4って結構な差になっちゃった。
残念。
その分花咲徳栄がよく打っていいピッチャーだったってこと。
そして全ての試合で9点以上取れる打線。
広陵のサウスポー平元、山本。
昨日の準決勝の熱さに比べれば
いささかな試合になっちゃったけど
若者の真剣な姿、今年も
いっぱい見ることできて嬉しい。
ホームラン最多の年だった。
明豊の延長戦、すごかった。
菅生もすごかった。
盛岡大付属も良かった。
天理も今年強かった。
大阪桐蔭も驚きの逆転で負けた。
来年は100回大会だ。
今から楽しみです。

にしても広陵の中村捕手。
かっこよすぎ。
絶対プロ行くな。
清原氏のホームラン数アップして6本。
記録を出した訳だ。
落ち着いていた。
かつての古田捕手を彷彿させる。
その上打つ。
甲子園の歴史に名を残し去っていく。
しかもイケメン。
これからの人気必須。
どうか潰れないでほしい。

明日から本当に仕事始め。
子供達に伝えたいこといっぱいある。
後2回私にある夏休み。
この夏休みで得る経験が子供達に還元される。
早起きが嫌いだけど、頑張ろう。
夏休み、ありがとう。
高校生、ありがとう。
posted by 大ねこ at 17:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする