2016年02月26日

深沢七郎「笛吹川」(講談社文芸文庫)

本日学校は「6年生を祝う会」、まあ
昔の「謝恩会」ってやつですね。
いろいろがんばっていました。
担任ならずとも感動します。
それ以上に裏で働く6年担任。
一番謝恩しなくちゃいけない
はずが、一番忙しい。
変な会ではあります。

深沢七郎、なんて
今の人は知らないんだろうな。
今なら絶対TVにも一杯呼ばれそう。
そういう風変わりなおっさんです。
ミュージシャンでもあり作家、
時に今川焼きも焼いていたな。

本書は武田信玄と勝頼の時代、
山梨は笛吹川(作家の出身地)の
集落の人々の六代記。
生まれては戦いにとられ、死に、
また生んでは死んでいく。
ただその繰り返しの物語。
救いもなければ思索もない、
ただただ淡々と、
この時代の庶民は
こんな生き方しかできなかった
であろう「事実」のような小説。
途中正直少し飽きかけて
しかし何か変化及びドラマが
起きるのでは、と思い読む。
しかし、また永遠のループ。
気づけば終盤、お屋形様が死ぬ。
ただただ翻弄されながら
しかし女たちは気づく。
この愚かしいループに。

英雄、じゃないよな。
やっぱり。
今年の大河「真田丸」、
結局見るのやめました。
きっと見ればはまるってわかってて。
英雄、見なくてイイや。
最近の私はそうなんです。
英雄じゃない、
ドラマなら殺され逝く名もない
大部屋俳優に目がいく。
だったらイイや、っていう。

この読んでう〜むとなる
この小説の奥行きは
小説を越えた何かだと
いささか気が重くなる
読後感でした。
小説ではないが
ルポでもない、
事実でもなかろうが
あまりのリアル。
その時代に居合わせる
幸か不幸か、
生きるとはオマケだと
のたまった七郎さんならでは、
なのかもしれません。
posted by 大ねこ at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月25日

柳亭市馬独演会 日本橋公会堂

年度末で何だか毎日追われ、 
子供たちとさようならした後が 
闘いみたいな感じです。

そんな中、定時退勤決行 
日本橋公会堂まで勤務地から
1時間かかった。 
夕食タイム確保(^-^)v
キッチンジロー発見。 
和風ハンバーグ注文
旨い🍴😆✨歓喜 
ニンジンの甘さ感動!
ソース絶品‼
あ、食レポではなかった。

本日は日本橋公会堂の 
柳亭市馬独演会参加。 
あの声の渋さに癒されに来ました。 

開口一番市丸「寿限無」
御七夜と初七日、大切なセリフ噛んで 
失笑。でも一生懸命さが良かった。
元市丸の現市江 
「権兵衛狸」 
話の上手い床屋の権兵衛さんの元に  
イタズラタヌキがやって来た。 
優しい権兵衛さんは命を救う代わりに 
頭を丸坊主にして逃がす。 
髭もあたってくれとタヌキ再訪がサゲ。 
昔話にキツネバージョンで似た厨房話あったです。
お寺の台所話。 

市馬。2つ噺連続。 
「雛鍔」「干物箱」
上手い。
うっとり聞き惚れます。
爆笑ではない、温かい笑い。
気分がとても上品になります。
人柄でしょうね。

中入り

「猫の災難」
下戸の市馬師匠の酒飲んで
酔っぱらう姿、惚れます。
ああ、職人芸‼
全部猫のせいにして
謝りに行かせようとするサゲ
にっこり笑顔でお辞儀する師匠、
ラブリー過ぎます!

小三治師匠の人間大好きオーラの温かさとは違って 
市馬師匠は人格人柄愚かさ全て認める温かさ。
かなぁ? 
こうして見ると 
三三はやや全体にオーバーアクション。 
市馬師匠は常に淡々、突如叫ぶ場面で驚かす感じです。 
渋さでは小三治師匠の勝ち。
でも市馬師匠は声の表現で出色!
posted by 大ねこ at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月21日

鏑木蓮「賢治の推理手帳U イーハトーブ探偵 山ねこ裁判」(光文社文庫)

昨日、小学校恒例「6年生を送る会」を
実施しました。
各学年の出し物を今年は多様にしたおかげで
非常に盛り上がり
心に残るものになったと
自負しております。
特活主任としてこうした感動が
生まれることが至福であります。

宮沢賢治は、
本当に昔は好きじゃなかった。
けど
この仕事に就き
いよいよ好きになっています。
今年も1年生に「雨ニモマケズ」
暗唱させています。
意味も分からず語感だけで
覚えるのがいい。
やがていつか数人の子が
あんな詩覚えたな、
と懐かしんでくれたり
ちょっと賢治の作品でも
読んでみるかとなったり
してくれたら教師冥利に尽きる
というものです。

本書の魅力は謎解き、ではなく
賢治のたたずまいや
息吹を感じることにあります。
また親友の嘉藤治=カトジの存在の
リアル感にあります。
きっと本当の嘉藤治も
こんなふうに賢治に翻弄され、
でも大好きで
いつもついて回っていたんだろう、
と想像されます。
また、それがウソだとしても
本書のような世界だったと
信じるほうが賢治をもっと
好きになれる気がしてくるのです。

謎のほうもそこそこ「ほほう〜」と
思える仕組みになっていて
納得できますが、
なにしろミステリーを期待する向きには
不向きな本です。
ちょっとした情報だけで
ケンジは解いてしまうからです。
それよりも興味深いのは
事件の発端、原因ですね。
当時の岩手、賢治のいたあの時代だからこそ
起こりうるような事件、だから臨場感があり
ストーリー的には
どうってことのない展開ですが
つい、また読もうと思わされるのです。
つまるところ
賢治好きなら読んで損はない本です。

今回からちょっと
字を大きくしました。
自分の老眼?に優しく。
posted by 大ねこ at 19:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月18日

ナンシー関、リリー・フランキー「リリー&ナンシーの小さなスナック」(文春文庫)

書評の前に。
自民党の傲慢さや愚かさの露呈が続きますが
本気で皆さん、考えないと、です。
こんな庶民不在の政治に訣別をしよう。

さらに。
介護職の男が老人をベランダから落とした事件。
何と言い訳しようが人としてお前は間違っている、
というより他はないのですが、
それでもあえてここで介護職のしんどさは
声を大にして伝えたい。
わたしの近い知り合いが介護職なんですが
本当に世の中の底辺の仕事をしています。

例えば教職は人を教え導いてお金をいただく。
それなりの評価と報酬が保障されています。
例えばキャバクラなどの接客業は人を喜ばせて快楽を提供し
それに応じた報酬をいただく。
どちらも「人」と関わって「人」を喜ばせてお金を貰う。
介護職も同じように
自分で動けなくなった老人の介助をして
報酬を受け取る、これも「人」に関わる尊い仕事です。
なのになぜか報酬が見合わない。
安すぎるのです。
医師や看護師はそれなりなのに
介護職はその労働に対しての報酬が低すぎる。
実態です。
金が足りなければ人は職に対しての誇りは持ちにくい。
じゃあ別の仕事したらいいじゃん、という人は
世の中を知らなさ過ぎる。
介護職でテンション下げ下げで働く女性は
他の仕事につけない人が多いのです。
40過ぎの女性で専業主婦だったり資格がなかったり
パートではやっていけないから正社員で、と
ハローワークで仕事を求めても
ないのです。
若い綺麗どころの姉ちゃんが結婚までの腰掛で
割のいい仕事持ってちゃうわけです。
企業側は報酬をより低くしたいから
世の中の酸い甘いを知るおばちゃんだと
お金がかかるから若い姉ちゃんを2〜3年交代で雇うほうが
安上がりだからです。
おばちゃんたちは10年単位で働きたいからね。
そんなこんなで事務職など、簿記ができたぐらいじゃ
おばちゃんは雇ってもらえない。
PCの技術がばっちりあるのに資格がないからという理由で
やっぱり雇ってもらえないのです。
するとすぐに手にできる仕事は介護職なんです。
なり手が少ないから。

あの殺人者には怒りしかないものの
介護をしている人はきっとその気持ちは
とても共感できる、それが事実でしょう。
みんなこらえてこらえて老人の意図しないわがまま
(老人本人もわがままをしている自覚がないから介護が必要なんです)
を、甘んじて受け、今日も笑顔を搾り出して
働いているはずです。

みんなきっと必ずお世話になりあう大切な仕事のはずなのに。

これが豊かなニッポンとやらの
本当の姿だと感じています。

せめてさあ、働く意欲を高められる程度の
給料は渡そうよ。
くだらない賄賂渡しあう金があるんならサ。

で、やっと本書の話題。
ナンシー関さんは消しゴム版画の達人。
39歳の若さで亡くなったんだよね。
リリーさんとの対談は「クレア」に連載していた。
連載中のある時に亡くなった。
本書で読む限り
非常に常識のある女性で、研ぎ澄まされた感覚があり、
料理上手でカラオケ好き、車の免許も頑張って取った、
何に対しても好奇心があり、軽い口調であっても
言うべきことは言っている人ですね。
リリーさんは、このときからよりいいオッサンになり、
イラストレーターというよりは俳優だったり
音楽ちょいヲタだったりの側面が
最近は強くなってきましたね。
思ったとおり変なオッサンで
やっぱり好きです。

まあ、話題はどーでもいい話ばかりですが
二人の対応が面白く、結構まじめに読みました。

今度はナンシーさんの著作
読んでみたいと思いました。
posted by 大ねこ at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月12日

梶山季之「せどり男爵数奇譚」(ちくま文庫)

学級閉鎖を経て
こどもたちは元気になりました。
今日は区の教育研究会の発表会で
話合い活動1年生、別の学校の先生が
素敵な授業を提供してくれました。
一つの教師側の行事が終わり
いよいよ年度末、
通知表やら来年度の計画やら
日々多忙な毎日を送っております。

さて、梶山季之、獅子文六と同様に
当時の売れっ子作家でありました。
ポルノ紛いの小説から雑誌のトップ屋としての
麻雀も玄人はだし、純文学も書いていた作家です。
「黒の試走車」などは社会派でかっこいい。
しかしいまや文庫でも見かけなくなった。
時代と共に寝た作家、という立ち位置でしょうかね。

古本屋を営むせどり=古本の全集の一部をばら買いする人。
古本を愛し、金になるかどうかを値踏みし
様々な書物狂との出会い、
古本の奥深さを知る情報小説の態でもあります。
題名は麻雀から取ってます。
筆者(ご本人でしょう)がよく出会う男爵から聞く
ビブリオマニアたちの面白おかしい、ばかげた話の数々。
最後の章は人の皮を使った装丁家の話で
さすがに引きましたが
澁澤竜彦ばりの変態的な内容で
昭和の40年代でしょうか、怪しい裏社会の
匂いがぷんぷんしました。

ちなみに解説の永江朗さんが書いていたことは
私も同感です。
新古本屋(ブックオフ的な)は新刊に近いほど高く
昔のものほど安い。
だから古本屋の方々は100円均一からお宝を発見して
買い取り、自分で神田なんかで売ると
10倍20倍になるようです。
私もあえての「100円本」を見て回りお宝を探すのが好きで
そのためにいくようなものです。
実際、ブックオフで100円で
同じ本が神田では500円くらい、というのを
1度ならず見ていますから。

本は、いい。

そろそろ我が家の在庫が減ってきたので
仕事が一区切りしたらまた神田、行くぞ。
posted by 大ねこ at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月06日

東直己「名もなき旅」(ハルキ文庫)

昨日まで学級閉鎖。
初日はブログに表したとおり
すること一杯で充実。
2日目は既に教室に行っても子供がいないことの寂しさ募り
3日目には飽きて、他の教室で学活やらせてもらいました。
3年生の教室で話合い活動。
とても充実しました。
やはり授業したがる自分がいて
事務仕事は向いていないとつくづく実感。
3日目には各家庭へ連絡を入れて
復活の確認。月曜日からまた頑張りましょう。
自分の風邪も後もう一歩。

本書は19歳の出帆(イヅホ)こと優美(ユビ)が
トラブルシューター折井の元で働き
引き受けた仕事の話。
ミカド食品の社長、香奈を札幌から
1週間離れさせて社長辞任のクーデターを成功させる
その段取りを担う。
人たらしの「力」をもつイヅは
見事に香奈に取り入り
札幌から北北東への鈍行の旅へと誘う。
旭川、音威子府、そして架空の地へ。

中身はロードムービー状態で
ストーリー本編とは直接関係のない
訓話やエピソード満載。
中華丼の話。ストリップ劇場の話。
香港スタンレーでの「闘犬」のような話。
イヅ自身の折井に出会い折井と働く話。
その土地土地の飲み屋や駅の話。
鈍行列車の風景の話。
最後のほうにやっとサスペンス的な要素が
出てきて、イヅと香奈に危機が来る。
さくっとそこは終わって
イヅ自身が香奈に惚れていくくだりで
胸がキュンとなって
大団円。

名作でもなんでもないが
読むこと自体が楽しい。
東さんの小説の醍醐味がぎっしり。

人がいて、悲しくて、愚かで
でも可愛くて、愛おしい。

読んでよかった。
北海道伊達に5回行ってない。
大体地図が分かる。
だから余計に面白いのかもしれません。

北海道の電車旅行ってのも
してみたい。
北海道新幹線も開通するし、
もうちょっとしたら自分のための
「北海道 名もなき旅」やってみっかな。
posted by 大ねこ at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月03日

学級閉鎖。なのに仕事はあるもんだ。

いやいや。
突然やってきたインフルエンザA型の猛威。
金曜日、1、2年生で楽しむ企画があったのが
どうやらいけなかったらしい。
月曜日、連絡帳の山。
発熱、で9名の休み。
翌日はすべてインフルと判明。
本日より3日間我がクラスは学級閉鎖であります。
ありゃ〜〜。
学級閉鎖など実に久しぶりで
今日から3日間何して過ごそう、なんて
のんきなこと考えていたのは朝のうちだけ。

まずは来年度の自分の分掌に関わるあれこれの書類を
製作し始めたら
あっという間に時が経ちました。
おかげで残業してやることがほぼ終わったので
よっしゃ〜〜!!
その後子供を帰した皆さんと合流して
職員会議。
職員会議の後は何かとまた後追い仕事があるのが定石で
それを片付けて今日は定時退勤だ!!と思ったら
朝方私がつぶやいたことを真にうけてくれた
若者が「学活お願いしていいですか?」との依頼。
「多分暇だから学活指導してもいいよ」なんて言っちまった。
当然打ち合わせしないとなので
定時過ぎから延々打ち合わせ、
その後指導に必要なもの作成。
ついでに「まだ残ってる?」と教務に存在がバレ、
来年度の年間予定の確認や打ち合わせ。
気づけばいつもの時間に・・・。

まあ、そんなもんだ。

自分も久々の重〜〜〜い風邪っぴき中。
風邪薬のあれこれをお試し中なのですが
(ちなみにわたしにはSATOの赤箱、白箱、黄箱のが効く)
(しかし現在たんが絡むので杏林の去痰ソフトカプセル)
つまりは絶不調なのですよ。

教員ってねえ、本当に見えない仕事が山積みです。
明日はその授業の指導案の確認と子供たちへの事前指導。
我が学年で使うプリントや宿題の印刷。
他のクラスへの応援。
明後日はあゆみ(通知表)に着手しようか、という辺り。

子供がいなくても
やることってあるんだなあ、と
改めて感じ入りました。
しかも、来週学級が戻れば戻ったで
持ち帰らせたもののあれこれを処理しなくちゃで
それはそれで今から憂鬱です。
posted by 大ねこ at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 小中学校教育を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする