2016年06月29日

春風亭一之輔「落語のたくり帖」(自由国民社)

作者名は一之輔だけど
実際あには毎日新聞社の学芸部の濱田元子さんが
書いています。
一之輔さんは一緒に落語にまつわる町を
歩き、感想を述べたりちょっとしたお話を
しているだけで、ちょっと当てが外れました。
さらに、字が細かめで青い字なので
目がよろしくない私には非常に読みづらかった。

内容は、落語にまつわる町の様子を
落語が描く世界になぞらえて
いろいろ面白い情報も入っているのですが
詳細なことは書かれず、
なんとはなしのイメージの世界に終始しています。
浅草と上野を分けて書いていたりするので
狭い東京の町でありながら
大雑把で、かつ、違う場所かと思わせてしまうような
町の区切り方もイマイチでした。

せめてもの収穫は
大門から三ノ輪の吉原は
一度もあるいたことがないので
行ってみたいな、と思ったことと、
一之輔さんがシャイで韜晦屋さんだと分かったこと。
そして思い切りまじめな人だということが
感じられたこと。

落語関連本としては
不親切なほうでした。
posted by 大ねこ at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月27日

ナンシー関 町山広美「隣家全焼」(文春文庫)

昨日の左龍師匠の2席目は「臆病源兵衛」だそうです。
白酒師匠が掘り起こしてきた噺を
彼なりにアレンジして演ったようです。
そりゃ貴重な噺を聴けたものだと
改めてうふふ、です。

さて
この本の町山さんとはハテナ?
調べると(便利な世の中だ)放送作家さんのようです。
「タモリ倶楽部」とか「ボンビーガール」とか、らしい。
へえ。
今51歳ですからこの当時は30代ですね。
関さんは死んじゃったけど。
楽しい本、ではなく
まあ、ゴシップねたをこれでもかと
斜に構えて「んんんん、まあ確かに」という
形で斬っていく対談です。
時期が過ぎれば旬ではない話題ばかりなので
「ああ、あったねえ」でしょうか。

ただ、やたらと川島なお美さんや
先日捕まった高知東生さんのことがあって
皮肉な意味でタイムリーな出会いでした。
どちらも、ちなみに、評価は低いです。
posted by 大ねこ at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月26日

左龍三三二人会

鈴本で左龍三三の二人会。
もう80回目だそうです。
前座になった日が同じよしみだそう。

開口一番 小かじ「出来心」の最初のところ

三三「高砂や」
普通最近は好まれない噺らしい(  ̄▽ ̄)
豆腐屋の節でしか「高砂や〜」ができない、
仲人だから頑張ったんだけど、覚え切れてない。
助け舟〜のオチ。
悪くないです。たくさん笑えました。
繰り返しのおもしろさです。

左龍「ねずみ」
上手い‼驚きました。
まだまだ知らない落語家さん、いっぱい。
左甚五郎ものその三
寂れた宿の主と息子の運命と健気さに惚れた
甚五郎が「ねずみや」に相応しく動くねずみの掘り物をこしらえる。
向かいの天敵「虎屋」の掘り物が下手でネコみたい、
からのサゲがなんともかわいい。
途中、主の昔話に泣きそうになりました。

左龍「」
題がわからない。
夜怖い仲間をからかおうって呼び出し
怖がらせようとしたら、一升ビンで頭やられ、死んだことになる。
そいつ自身も死んだと思い込み、
今自分は極楽にいるのか、地獄にいるのか、悩む馬鹿馬鹿しい噺。
落語らしい噺で、左龍さんの顔芸に
たくさん笑えました。

三三「居残り左平次」
サゲが「主の心意気は仏、だから二度三度左平次は来るだろう」
という意の凝ったもの
立板に水のしゃべりで
ずるくて図々しいけど憎めない
左平次が大好きになった。
今まで名演と言われるものはたくさんあったでしょう。
私はこの左平次が基準になります。
次に聴く噺が三三左平次を超えたらいいかな。
品川宿の女郎屋が目にうかびました。

発展中、三三、体当たり中です。

鈴本という通好みな場所のせいか、
ホールとは違って、温かい感じと自由な感じでした。

posted by 大ねこ at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月22日

愛川晶「神田紅梅亭寄席物帖 道具屋殺人事件」(創元推理文庫)

創元推理文庫!!
懐かしい。
一時期選って読んでたな。
落語家が探偵、みたいな帯で読む気になりました。
作者の名前もわたしの名前にちょい似なんで
それもあって。
でも正体はおっさん、わたしより年上だった。
三浦しをんさんみたいな女性かと思った。

一読。
悪くなかったです。
落語に精通していらっしゃる作者の
知識満開、ネタ及び話し方の知恵満開。
主人公の福の助さんも奥さんも
元師匠で今は脳梗塞(だったか)で蟄居している
馬春師匠の存在も、その奥さんも
紅梅亭の席亭も
結構魅力的で、ちょっと素敵でした。
3話ある話のすべてが
落語ネタを生かした推理物になっていて
よく考えたなあ、と感心しました。

ただ、推理の展開や急な「わかった!」に
読者は、ややおいてけぼり、っていう感じが
否めなかった。
ネタばらしの段も、いささか通好み過ぎて
落語を知悉していない身には
「ふぅ〜ん」てな感じになります。

でも、ネタの面白さを知れたり
こんな話の高座は是非聞きたいと思ったり
できたので、よしとしたいです。

なので、このシリーズものがあることが分かり
早速古本にて購入。
作者の儲けにはならないかもしれませんが
推理物の結末の面白さより
ネタを知る、知識を増やす、意味で
読んでみたいと思います。

寄席の裏話や
ちょっとした符牒、通しか知りえないことも
満載なので楽しみです。
推理小説としての完成度はイマイチかもですが
展開の仕方や、落語をここまで徹底して生かしている
あたりはなかなか素晴らしいと思いました。
結構、食い入って読みましたので。
posted by 大ねこ at 22:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月18日

喬太郎、文珍二人会 かめありリリオホール

リリオとかアリオとかリリアとか
むむむ、な名称がありすぎで
地図検索に戸惑う、情けない大ねこです。
年を感じる😅

かめありリリオホール。
亀有駅至近。
地下の寿司屋さん750円握り寿司ランチ、
穴場!美味しかったです。

開口一番は文左衛門弟子のかな文「垂乳根」

喬太郎「抜け雀」
噺の始めが「竹の水仙」極似なので、
あれれ?また?と一瞬思いました。
はじめて聞く噺。
重くならないユーモラスな喬太郎師匠
「竹の水仙」同様、無賃宿泊の男が実は名人という話。
描いた雀が抜け出してまた戻るという
不思議な現象に宿屋は大盛況になり
さらにその絵を描いた男の親が
雀を休ませる籠を描き、サゲの「籠描き(駕籠かき)」につながる美しさに
ちょっとした感動すらありました。
マクラに旅の話題から入った辺りも
演出を感じ、喬太郎師匠のうまさだと思います。

中入り

漫才、母心。
いやぁ、笑った。
和装の女形の歌舞伎ボケ、腹抱えました。
テレビじゃ切られちゃうから、
ずっと舞台でやって〜
っていうおもしろさです。

トリの文珍。「定年の夜」
ぶっちゃけます。
おもしろくなかった。
ゴールデンウィーク恒例のネタ祭り( 国立演芸場)
今年はチケット買ったものの
仕事で行かれず、
小ねこに譲り、今日はリベンジのつもりも
あったのですが、残念。。

ネットの海に入り込み、洒落まくる辺り、おもしろいんだけど
切り口が皮肉なだけで、
最終的に何をも斬ってない感じが
今日の私にはピンと来なかったんでしょう。

文珍さんは、もういいかな、と思いました。

亀有駅まで来て、1席ずつかあ。
ちょっと残念。
でも母心が推せることと、
喬太郎師匠の追っかけはありだと決心。
あの50歳ちょいでの総白髪、良すぎです。 
posted by 大ねこ at 16:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月16日

岡留安則「噂の眞相」(WAVE出版)

かつて「噂の眞相」というスキャンダル雑誌がありました。
2000年を機に休刊、
編集人の岡留さんは沖縄に行きました。
私も何度か購入し読みましたっけ。
アラーキーのいやらしい写真が巻頭にあり
田中康夫の「ペログリ日記」つーよくわからん文があり
一行コラム(「ぴあ」にもありましたね、ページ横のアレ)
が面白くて、想像力をかきたてられました。
右派も左派もよく斬られていました。
コンセプトはスキャンダラスなことを探し、
真実は何か探る、というところでしょうか。
本田勝一をホンカツと称し、
右派左派共に仲良しもいて
言いたいことは言うけど
訴訟も平気だけど
納得したらいつでも頭を下げる
そういう人のようです。
カジノが好きで
マカオだのによく行き
ザ・ニュースペーパーや松元ヒロさんが好きで
ガヤガヤと言い立てるのが
好きなタイプでもあるようです。
(良くも悪くも)

しかし、こうした骨のある雑誌は
今はないですね。
恐れて腰が引けて、どころか
はじめから戦闘放棄で擦り寄り媚を売るだけ。
そんなお金を出すのも勿体無い雑誌だらけです。
まあ、文春のスキャンダルはしいて言えば
頑張っているようですが
下ネタよりも政治に斬り込んでもらえないかしら?
舛添さんがやっと辞任するようですが
この人も下劣ですが
内閣にいる方々はもっと実はおひどいんでは?

舛添さんにライトを当てておけば
他が見えなくなることを狙っているんでしょう。
参院選も近いことですし。

この本そのものは
懐かしの「噂の眞相」を知るのにはいいです。
でもそれ以上でも以下でもありません。
こうした「骨」を今作らねばならないかな、
と思いました。
posted by 大ねこ at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月13日

樋口陽一・小林節「「憲法改正」の真実」(集英社新書)

護憲派の泰斗、樋口陽一さん、
改憲派の重鎮、小林節さん、
という触れ込みの帯。
中身は実に素晴らしかったです。
改憲派である小林さんの「今の自民党否定」に快哉!
筋の通った人々に見放された政治家を
今こそ追放すべき。
そんな思いを新たにしました。
以下、本文中より心に響き
知っておかねばと思う内容を抜粋します。

2009年の自民党大敗のときに
(小林)「実力派の議員が落選し、・・・・・・世襲議員と
不勉強のくせに憲法改正に固執する改憲マニアだけが
残ってしまった」事は、うううん〜と唸った。

第13条「すべて国民は、個人として尊重される」を
「全て国民は、人として尊重される」に改悪しようとする
自民党改正草案(以下、草案)は大問題だと私も認識。
個人、が消え、人、になるということは
自由を失うことに等しい、とお二人は論破する。

草案12条「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを
自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」
って、あんた、「権利に義務」は伴わないでしょう。
そこも、様々な文献を引用し論破完成。

(小林)「憲法における「協力」という文言は簡単に
「義務」に変わる、非常に危うい面をはらんでいるのです」

(樋口)「権力者にとって
国家緊急権という麻薬の魅力は強いのです。
その誘惑をはねつけるだけの強さがない政治の世界で
国家緊急権ほど危ういものはないし、それだけの強さが
あればそれを憲法に書き込む必要はない」

草案24条「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、
尊重される」・・・・・・
(樋口)「「家族を尊重せよ」というのは道徳でしょう?
憲法に道徳をもちこむことの危険性は、
いろいろな角度で指摘できると思います」
家族のない人もいるぞ!
結婚の自由、別姓の自由も危うくなるぞ!
子供の借金を親が(逆も)抱え込むことになるぞ!
母子家庭や父子家庭はもっと軽んじられますよ。

(小林)「「日本を取り戻す」という癒しのスローガンの
気持ち悪さにも、みんな気づいてましたよね。
だってTPPでアメリカに日本を売り渡すのですから。
新自由主義なんていうものは、本当にごく一部の
人たちだけが儲かるシステムです」

(小林)(草案のうそ臭さをさして)
「新自由主義と復古主義をつなぐものは、
個人の自由を否定する権威主義です。
この三つが同居する改正草案前文は、
キメラのように不気味です」

(小林)「国民が国民投票によって、
国防軍をつくることを是とするならば、それは
あなた自身、主権者として、ある種の分担をする
ことを覚悟してしてくださいね」

(小林)「アメリカがはじめた戦争でまともに
終わった戦争はない。ヴェトナムもアフガニスタンも
イラクも、結局は動乱が拡大した。アメリカが
勝った戦争はないのです」・・・・・・至言。

(小林)「憲法擁護義務のある権力者が
憲法を擁護せず、違憲立法まで行うこの状況は、
クーデターと言っていい」

「知る義務」という言葉を提唱する樋口さん。
(樋口)「「知る義務」という言葉で私が言いたかったのは、
我々の公共の社会を維持し、運営していくために
必要なことを「知る義務」が国民にはあるということです」
そのためにマスコミは報道してください。
やさしい言葉で庶民一般が分かる言葉で、
事実を。屈さない本当のことを。

まもなくやってくる参院選。
東京都知事の問題も喫緊の問題ですが
本気でわたしたちは投票箱に
相対しましょう。

そしてこの本がどうぞロングベストセラーで
あってほしい。
引用していて大好きな樋口さんより
今まで知らなかった小林さんのほうが
うんと多いことにも瞠目です。
真剣に日本を守りたい人間は誰なんだ。
少なくとも、現政権の
「改憲マニア」でないことは明白です。
右も左もない。
本当に日本を守りましょう。
それは憲法を守ることです。
時の為政者の好き勝手にはさせてはならない。
大臣など偉くないぞ。
我々の税金で食わせている
公僕なんですから。
posted by 大ねこ at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月10日

黒柳徹子「トットひとり」(新潮社)

カバーの写真のトットちゃんが美しい。
今NHKの「トットてれび」を楽しんで見ています。
(わざわざ録画しても見たい番組)
さすがNHKというつくりと、そのエピソードが
一つ一つ懐かしく、ああいいなあ、と思えるので。
じゃあ原作の方も読んでみたいと思っていたところ
古本屋においてありました。
定価のほぼ半額。買いですよ。

トットちゃんはおそらくADHD。
今ならそういう発達障害としての名前がつきます。
それでも人に愛され自分を成長させた人。
この本に出てくる著名人の数々は
錚々たる面々です。
向田邦子さん、渥美清さん、賀原夏子さん、
沢村貞子さん、森繁久弥さん、杉浦直樹さん、
そのほかに井上ひさしさん、つかこうへいさん、
永六輔さん、杉村春子さん、
さまざまなプロデューサーや脚本家、
演出家にAD、ニューヨークの演劇人。
それらの人に自分は愛されていたと
確信している(そして実際本当にそうだったでしょう)
この人を愛する力が
彼女を今もスターにしているんだと思います。

一時期、ユニセフ大使やパンダ評論家?など
手広すぎてどうなのかなあ、と思っていた
時期もありましたが、
すべて掛け値なしに彼女の本心本気から
行っていたことだったと後には分かりました。
「ザ・ベストテン」は毎週見ていましたし
時間が許す人生だったら多分
「徹子の部屋」は欠かさず見ていたとも思います。
あの独特のすっとぼけた話しぶりや
丁寧に話す育ちのよさなど
小気味よいではありませんか。
(時に何を言い出すか分からない不安感!!)

表題の意味は読み進むうちに分かりました。
「トット」は「ひとり」になってしまったのです。
みんな死んでしまった。
そんな喪失感が
書き残しておきたいもろもろとなって
時代区分も記憶順も関係なく
徒然なるままに書かれたのでしょう。
おかげでわたしたち読者は
とても素晴らしい芸能史や芸能人の人生観など
読むことができて幸せです。

とはいえトットちゃん自身も82歳。
何時どうなっても不思議ではない年齢です。
しかしまだまだどうか衰えず
書いて喋っていっていただきたいと思います。
「トットてれび」にでてくる徹子さんは
なんともキュートな無表情おばあさんを演じていますが
これがまたいい。
(もちろん主演の満島ひかりさんは最高です!!)
喜劇役者としての本領が
遺憾なく発揮されていると思って
毎週楽しんでいます。
この本を読んだので
次はどのエピソードが出てくるか、また
楽しみが増えました。
posted by 大ねこ at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月06日

能町みね子(能スポ」(講談社文庫)

題名は「能町みね子のときめきデートスポット」の略称。
ふざけているような気もしますが
大真面目な本です。

能町さんは「久保みねヒャダ」の番組で
知りました。
元男性で性同一障害だったらしく
性転換なさったようです。
(詳しくは知らない。知る必要もない)
東大卒のインテリさんです。
肩書きは漫画家だったりエッセイストだったり、
物書きであり喋りも利く才女です。
タモリさんたちとも組んでいるようで
「ヨルタモリ」にもいらっしゃいましたね。

「死にそうな」場所で「無名」で「へり」を探し
なかなかな面白い場所をルポしています。
可愛いイラスト=能町作が、小粋でよろしいです。
ラインナップとして
西高島平、台東区の吉原に静岡の吉原、
茨城の入地、鶴見線沿線、TDL以外の舞浜、
日野に野田、アルタ裏、上中里に田端、
武州長瀬、豊島区の東長崎、横浜の中村町、
辰巳と枝川、羽田。
おまけにJR岩泉線(現在廃線)一日全駅制覇。
この岩泉線のくだりがじんわりします。
旅とはこうであれという見本。
テレ東の旅番組にも通じるまったりさと必死さが
なんとも読んでいて楽しかったし
こう言う旅は、もう年食った今は難しい、
羨ましいとも思いました。

文章は正直それほどお上手ではないけれど
人柄がにじみ出る温かさがよかったです。
事件らしい事件もなく
美味しい店が出るわけでもなく
当たり前の人々がそこに暮らしている
その描写だけです。
それがまたいい。

能町さんの現場を拝見したいと思います。
posted by 大ねこ at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月05日

柳家喬太郎&三三二人会 サンパール荒川

王子駅は庭ですけど都電荒川線は
本当に久しぶり。
混みますね‼
王子駅から荒川区役所前まで
40分くらいかかりました。
間に合うかとヒヤヒヤ。
ま、自動販売機でコーヒー買って(断然UCC派)
飲む程度には間に合いました。

サンパール荒川。
喬太郎&三三の二人会。
ほぼ満席ですね。
よきかなよきかな。

前座、三遊亭わん丈。
「寄合酒」
ワイワイガヤガヤ乾物屋から
がめて来た連中の馬鹿噺。
5月に二つ目昇進おめでとう。

喬太郎「はつねの太鼓」
偽物の太鼓を骨董道楽の主人に売り付けようと
画策するずるい商人。
叩けば聞いた者にキツネが憑く、
商人も側近も(一声一両で)コンと鳴く。
買い求めた主人は一枚上手な噺。
喬太郎キツネが可愛い❤

三三、「橋場の雪」
息子の色っぽい夢を馬鹿正直に話して
嫁はサメザメ、舅は慌てん坊、
とばっちりは定吉、
軽妙に話す三三、以前聞いた時よりこなれていて
サゲまで一気でした。 

中入り 

三三「お血脈」
時事問題ネタと喬太郎のさっきのネタパロディ、
バンバン被せて来て、元の噺は要点状態、
それがめちゃくちゃ面白かった。
早口になっても三三の滑舌はよどまないし、
慌てない。
さらに話題投入の中身が鋭く切れ味抜群、
入れるタイミングが絶妙、
一つ一つのエピソードの長さが飽きない長さで、
相互作用のあるくすぐり。
上手い‼
またパワーアップしています‼

喬太郎 「竹の水仙」
甚五郎のしっとり場面と  
宿屋の死にかけ亭主のガチャガチャ場面の
落差に思わず失笑。
誇張過剰かな、と途中に首をかしげかけたところ、
水仙売れて100両手にして感謝を感じ、強気になった
亭主がはじめて「生きる!」となり、
宿屋の自宅に帰り、女房にはっきりしゃべる場面に
何故か涙ぐんでしまいました。
あれれ?
なんで感動してんだ?
これが喬太郎マジック?
やかましさと静謐、
滲み出る人間臭さ、
喬太郎があたまを下げて幕が降りた時
じわりそれを感じました。

いやぁ、今日は素晴らしい会でした。
互いに高め合う感じもありました。
両師匠、一緒に時代生きていきましょう‼
人生まだまだ楽しんで行こうと思います。

また二人、会いにいくぜ🐱
posted by 大ねこ at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月01日

小玉武「「洋酒天国」とその時代」(ちくま文庫)

「洋酒天国」、むかーし親父が持ってきた記憶がある。
多分飲み屋においてあったそれをもってきたんだろう。
トリスも、うちにあった。
母親がほぼアル中だったので私は買出しにも出た。
ダルマ瓶も知っている。
私も若い頃飲んだ。
でもニッカのほうが好きだった。
ビールもエビス派だし
結局サントリーの商品はそんなに好きじゃない。
しかし、CMは別だし
美術館やホールなど
文化事業におけるサントリーは出色。
アンクルトリスは可愛い。

開高健や山口瞳を輩出したサントリー=寿屋は
わかっていた。
作家としての両名はそんなに好きじゃない。
ただ「洋酒天国」には興味があった。
この本を読んで「アンソロジー洋酒天国」
古本屋に注文してしまった。
いまでいう0円本のはしりである。
飲み屋においておき
ほしい人に頒布する類。
多いときは20万冊刷ったと言うんだから凄い。
いまだとほしいのは、銀座百店(点?だっけ)くらいか。

文化の宝庫としてスノッブの宝庫として
呑み助の宝庫として著名人の宝庫として
そして、いまや歴史と伝統の宝庫として
語り継いでほしい本だ。
印刷文化が生きていた時代、
バーが庶民のものになった時代、
モダニズムの旗手として息づいていた時代。
ちょっと憧れる。
そのとき私はまだ子供だったから。
あれですね、大正文化に憧れるのとほぼ同等。

1902年から1912年に生まれた人々、
筆者いわく、清水俊二、植草甚一、淀川長治、双葉十三郎、
大宅壮一、小津安二郎、黒澤明、太宰治、坂口安吾、等々。
彼らが円熟期に「洋酒天国」は生まれたし書かれた。

本書で扱われる面面。
開高、山口、柳原良平、植草、薩摩治郎八、埴谷雄高、
そして山本周五郎にサントリーの人々、天野祐吉、
そりゃ、私好みですわ。

では「洋酒天国」届くのを楽しみにしています。
(本は今積ん読がいっぱいなくせに)

posted by 大ねこ at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする