2017年02月26日

矢野誠一「落語と歩く 鑑賞三十一話」(河出文庫)

昔気質の江戸っ子、落語に造詣の深い
矢野さんは文体も江戸っ子で
昭和の40年代に既に東京が江戸から
遠く離れていることを嘆いています。

私は斉藤和義さん大好きですが
その歌の中でも「メトロに乗って」は
お気に入りです。
あの歌を口ずさんで東京大ねこ散歩するのが
仕事引退後の夢の一つです。
1日乗車券買ってメトロ巡り、いいな。
こういう本を読むとより行ってみたくなります。

噺は目黒のサンマから始まり明烏で終わります。
らくだは、下落合辺りとか、
文七元結は、浅草吾妻橋、
長屋の花見は、何と王子飛鳥山だった。
もちろん大門吉原は定番中の定番。
知っている地名、行ったことある場所もたくさん。
今は余り演られていないであろう噺も掲載。
「お若伊之助」(根岸)「わら人形」(北千住)
「孝行糖」(後楽園)「鍬潟」(旧両国国技館)
知らないです。
演られていたらすみません。にわか愛聴者なので。

間も無く三月。
今日から小ねこの彼氏が京都から来ます。
私は成績との闘いが本格化します。
その後に来る春の訪れを
楽しみにもう一頑張りします。
posted by 大ねこ at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月25日

映画 「ララ・ランド」

ララ・ランド、という題名だったし
ミュージカル映画という鳴り物入り
だったし、そりゃあフレッド・アステアや
ジーン・ケリーの再来をどうしても
期待するちゅうもんです。
残念ながら、その期待は外れました 。
ジャズの音楽が満ちた映画、とでも
しておいてくれれば、とても良い映画でした。

出会った男女が、それぞれの夢を見つつ
互いを愛し尊重するも
現実問題やちょっとした行き違いで
最後は離れる運命という
わかりやすいストーリーで
観る側を疲れさせません。
男セブはジャズピアニスト。
女ミアは女優。
それぞれ成功します。
ただ一緒にはならない。

まあ、ストーリーもそれでいいでしょう。
不満が残る訳は
これはミュージカル映画ではない、からです。
特に最初のシーンは圧巻で
ウエストサイドなどのオープニングに
勝るとも劣らない現代的な良い切り口の
見事なものでした。
しかし、それ以降は、
駐車場でのタップダンスと
プラネタリウムでの恋のダンスくらいで
ラストの回想シーンにはせめて
ダンスや歌をぶっ込んで欲しかった。
ジャズの音楽は随所に出てきます。
主演の男性も哀愁のあるピアノが上手です。
いっそ「カサブランカ」の再来で
行ってしまったら良かったのでは、と思います。
映画の中にも、「あの窓がカサブランカの」
というようなセリフありましたしね。
これをMGMミュージカル映画に模した
プロモーションのミスではとも思います。
ポスターも、いかにもMGMですし
それを期待すると裏切られるという形です。

ただし映画そのものは悪くないです。
ただもっとハッピーエンドで良かったのでは
とは思っています。
でもアカデミー最有力とのことですが、
それはちょっとうがち過ぎな気も。
posted by 大ねこ at 18:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月22日

能町みね子「オカマだけどOLやってます。完全版」(文春文庫)

能町さん大好きでーす。
久保みねヒャダ、結構見ています。
ライブにも行ったしね。

この本は、まだ手術前に
格好は女になって、会社の人も男だと
知らず知らせずにOLやってた頃の
blog上の書き込みをキチンと仕上げた本。
チン子が邪魔で、すごく男が好きな訳でもない。
ただ男性でいることが嫌だった時代。
オカマという蔑称をあえて使う感覚は
マツコさんと同じ。

人として両者ともに非常にまっとう。
能町さんに至っては東大ですから
インテリでもあります。
ここでは笑い話として軽く書かれているけど
実際は、多く悩まれたとお察しします。
性同一性障害という病名も好きじゃない。
わかります。
ただ病名がついた方が便利なことも多いんでしょう。
みんな違ってみんないいんですね。
そういう受け入れを今後もしっかりしていきたい。
こういう人たちがカミングアウトして
自分を卑下してメッセージを送ることに
強く共感していきたいと思います。


先日東京都北部で起きた連続放火事件の
犠牲者が、うちのクラスのお子さんの家でした。
命は無事で、本当に良かった。
しかし憤りは止まりません。
早く逮捕して欲しいです。
金某氏の殺人事件もずっと世を賑わせていますが、
わかりきった肉親同士の骨肉の争い、
前時代的な世襲のテーマに
違和感と愚かさを感じる日々です。
posted by 大ねこ at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月17日

春風亭一之輔独演会 文京シビック小ホール

文京シビック小ホールです。
後楽園駅近くで助かりました。
一之輔独演会。
年度末の仕事殺到の中、駆けつけました。
満員御礼でございます。

開口一番、熊の皮。
尻に敷かれてる主人公の言い間違えシリーズ。
熊の皮を敷いているのと
おかみさんに敷かれてるのを掛けたオチ。
元気の良い弟子でした。

一之輔はシュール落語の館林
分福茶釜の館林で、やっとう➖剣術の噺。
首斬っちゃうんですね。
それで笑うという。
続けて悋気の独楽
嫉妬深いおかみさんが旦那の浮気相手を
定に付けさせて、その定がゲットしてきた
浮気相手の持ち物の独楽で辻占するという噺。
端々に入る時事ネタや小話が本当に面白い。

中入り。

三遊亭小円歌さんの三味線漫談。
小粋な姐さん。
最後の「奴さん」踊り、めちゃくちゃ素敵。
お洒落だ。

一之輔最後は「花見の仇討ち」
そもそもこの噺がそんなに好きじゃないっていう
のもあってか、そんなに楽しめなかったです。
師匠の噺ぶりは、面白いです。
でも、まとまりに欠けるっていうか、
六ちゃんが酒に酔い潰れて花見に来なくて
金ちゃんたちでヘタクソな芝居や
立ち回りする件も楽しむよりちょっと
かわいそうで、おまけに本当の侍登場って
弱り目に祟り目過ぎですね。
花見を噺は他にもあるので
一之輔師匠に別の噺を語っていただき、
心底笑って今日を終えたかったです。

一之輔師匠は進化しています。
どんどんオリジナリティを確立しています。
一之輔節が明確。
笑いに特化しています。
間合いといい、ギャグセンスといい、
いじりネタのぶっ込み具合といい、
くすぐり方が適度にしつこくて笑うしかない。
好きです。

明日も仕事。
6年生を送る会があります。
その後美容院。
今年度も終わりますね。
posted by 大ねこ at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月16日

マツコ・デラックス「デラックスじゃない」(双葉文庫)

マツコさん大好きでーす。
本書読み、一層好きになりました。
以下、彼女の語録。本書より。

だって、所詮オカマだよ。女装だよ。デブだよ。
こういうところは、忘れちゃいけないと
思ってるの。

オカマは、いい言い方をすれば中立、
悪い言い方をすれば、仲間外れ。

アウトはグッドの裏返し。
この世に捨てるゴミはなし。

アタシ、何を手に入れても満足できなかったし、
幸福感も分からなかった。

紅白は、「こんな変なもの、観られてよかったね」
とか「こんなの、普通の低予算の番組では
観られないよね」ってモノを観せてくれれば
それでいいのよ。

AKBはダメ、ハロプロは良い。

コンプレックスから、歪んだジェラシーが
生まれるわけ。

記者クラブ制度で、政治家にぶら下がっている人たち
って、特権階級意識。
そうやって同化して、権力側に
魂を抜かれてしまうのよね。

ネットっていろんな産業の芽を摘んで
しまうだけじゃなくて、
個人個人の「志」という芽も
摘んでしまう気がするのよね。

テレビの昔の9時台が今は11時台なのよ。

ユーモアがあり賢いし、
モラリストだと思います。
自分を知り、分相応を知っている。
好きです。
彼女のテレビは大抵観ています。
安心感であり、笑い飛ばせるからです。
いつもいい人だなあと
感心し、尊敬して観ています。

posted by 大ねこ at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月10日

立川志らく「志らく百店」(講談社)

談志が連載していた「銀座百店」を引き継ぎ
談志遺伝子継いだ志らくが書いたのを
まとめた本です。

志らくは落語面白かったです。
この本を読んで
懐メロ好き(ゆえに市馬師匠と仲良し)で
映画好きでこだわりが強い人だと
わかります。
談志が好きだったものを自分も好きで
談志が自分に似ていると絶賛して理由も
よくわかります。

アステアからチャップリン、
高田みづえから森口博子、椎名林檎、
蛭子能収から大林宣彦、宮藤官九郎、
向井秀徳、嵐山光三郎、と津々浦々。
趣味の広さは桁違い。

しかし、私は性に合わない。
ちょっと違うなと思いつつ
これが談志と疎遠になる理由かと。
なんだろ。
狂気っていうけどただの屁理屈じゃねえ?って
思ったり。
業の肯定とかいいなと思うけど
場合によってはただのワガママじゃねえ?って
思ったり。

落語は好き。人は好きじゃない。
そんな感じです。
でも気にはなるので、折々触れていきたいと
思ってもいます。
くせが強いんでしょうね。
posted by 大ねこ at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月04日

相倉久人、松村洋「相倉久人にきく昭和歌謡史」(アルテスパブリッシング)

久しぶりに小ねこと銀ブラ。
今日は三河屋、若菜、蕎麦のよし田、
彼女の誕生日プレゼントで
カバンのTANIZAWAで約1万円の財布、
喫茶モナリザでケーキタイムして帰ってきました。

本書読み終えました。

非常に示唆に富んでいるので
以下引用や勝手なまとめ方、
及びトリビア的な情報ピックアップで埋めたいと思います。

1:エノケンを聴き直す
2:服部良一を聴き直す
笠置シヅ子「買物ブギ」はアドリブで「あゝしんど」
作詞の村雨まさをとは服部良一のペンネーム
つまり作詞作曲両方っていうこと。すごい。
「青い山脈」は、青春謳歌の標本だが、
「古い上着よさようなら」とは良い。
今はその古い上着をわざわざ引っ張り出して着ようと
するおろかな政治家がいることを指摘。
我が意を得たり。
3:戦時歌謡を聴き直す1
4:戦時歌謡を聴き直す2
上田敏「裏町人生」は1937年作、
洋楽と日本的要素があって適度に湿っぽい、
だから受けた、そうした余裕が軍部や政府に気に入られず
発禁処分になる。
1937年は同時に服部良一「山寺の和尚さん」
淡谷のり子「別れのブルース」「海ゆかば」と
戦争賛美と洋楽系歌謡の両方が混在。
5:美空ひばりを聴き直す
戦前の流行歌にジャズ要素満載で
戦後笠置シヅ子と服部良一で繋いだ。
ひばりは耳で聴いて作品を仕上げる。
6:坂本九を聴き直す
「上を向いて歩こう」は1字1音だから
あの独特な歌い方になる。
九ちゃんはテレビスターなのに、エノケン以来の
日本の伝統的な芸能をつなぐことができた
数少ない芸能人だった。
「新八犬伝」ナレーターとともに主題歌も。
照明にも凝った素晴らしい人形劇だった。
(全く同感。これを見るためどれだけ苦労して帰宅したか
それだけ夢中になった番組でした。)
7:ハナ肇とクレージーキャッツを聴き直す
谷啓のコメディセンスは飛び抜けていた。
ジャズは器楽演奏主体だから楽器のオチが持つ
言語性に対する関心がジャズメンをは高い。
だからハナモゲラ語をはじめ変な言葉で
応酬しあうことが多い。クレージーキャッツ然り。
8:アイドル歌謡を聴き直す
ジャズやロックは音楽界、レコ大は芸能界。
百恵の頭の良さやインタビューの切り返しは
キレッキレで鋭かった。
聖子はバカっぽい演技ができる芸人風の知恵を持つ。
明菜は歌に対する違和感でふくれっ面しながら成長する。
河合奈保子は無意識過剰でいて自分の世界を歌い切る実力。
(河合奈保子大絶賛。聴き直すカチあるかも)
9:ニューミュージックを聴き直す
ユーミン都会的、みゆき演歌っぽい、
と割とあっさり切られている。が、
忌野清志郎大絶賛。
10:平成の〈昭和歌謡〉を考える
シャ乱Qは宇崎がダウンタウンでしたロック演歌を
踏襲したロック歌謡を目指した。
小室哲哉は完全に洋楽っぽい顔。
「恋するフォーチュンクッキー」のメロと
「函館の女」は同じミミソミラソミレド。
ソウルフラワーユニオンが行なった
被災者支援の活動は照明歌謡を引っ張り出して
歌った活動で、何百万枚売ったという活動の
対極、小分けの活動であった。

日本的なるものの呪縛から、私たちは結局
逃れられていないってことです。
たかが音楽されど音楽。
好きなものをこれからも胸張って聴こうと
思えました。
posted by 大ねこ at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする