2017年05月24日

中山七里「連続殺人鬼カエル男」(宝島社文庫)

久々夢中で読みました。
非常に憂鬱な小説です。
刑法37条の是非から
人は簡単にパニックになり
暴徒化すること、
恐怖は連鎖し、人の肉体は
精神のありようで結構頑張れること、
どんでん返しが続き
読み手は疲れ、けど真犯人は
そういうことかと読み終えても
さらに憂鬱になるような幕切れ。

アイウエオ順に起こるカエル男による殺人事件。
古手川と上司の渡瀬が解決に向けがんばる前段。
途中挿入されるナツオなる悲しすぎる少年
(実は少年ではない)のエピソード。
後半警察に押しかける飯能市民の恐ろしさ。
怒涛のように古手川が犯人確保。
しかしその後ろで彼を操る一人の女。

渡瀬は見抜く。
その女の精神のコントロールを図る男の存在。
しかし確証も証拠もなく泳がして終わる、
と思いきや
因果応報、という言葉で
その黒幕すらやがて殺害される予告の終焉。

憂鬱ですよ。
けど、唸らざるを得ない。
三流ドラマのような「ありえへん」場面もあり
急激に襲う人間の恐ろしさや
サイコパスとは身近にいる戦慄。

今回もピアノが重要な位置にあり
作者の奥さんがピアノ関係者ってことに
関わりあり、なんでしょうね。

優しさと薄情さ、愛と憎しみ、
人が持つ二律背反を突きつけるから
面白いし、怖い。
これはちょっとしばらくハマりそうです。
けど、この憂鬱感、やるせなさすぎます。
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2017年05月22日

きゅりあん大ホール 三三、一之輔、喬太郎三人会


きゅりあん大ホール

きはち 、芋俵。
芋俵に潜む裏技で
泥棒しようとするが、失敗やらなんやら
最後は間抜けなオナラの噺。
前座噺としては面白い。

三三、橋場の雪。
季節外れ承知で持ってきたかな。
マクラに沖縄での会の話を振ったあたり
わざとかとも。
前にも聴いたので展開は読めます。
たくさんの登場人物の演技わけが楽しかった。

中入り

一之輔、化け物使い。
楽しい。いろいろな化け物の声は出さず
吉田の人使いが荒い主人公中心に
進み、化け物の正体のタヌキが、
妙に可愛かった。


喬太郎、錦の袈裟。
与太郎のバカっぷりが絶妙。
おかみさんの賢さが際立ちます。
まあ噺自体はくだらなさの極みなので
今日の三人は「流した」感が強いです。
上手いですから飽きないし満足ですが
もうちょい美味しさ欲しかった。
守りの消化試合、そんな感じもしました。

夢空間企画 、最近こんな感じ。
独自 企画の方が面白いかもです。
運動会直前、急いで行った身には
6時半開演もきつかったよ〜。
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2017年05月20日

柳家権太楼 塚越孝「権太楼の大落語論」(彩流社)

権太楼師匠のきっぱりしたところや
おかみさんが才女だということ、
三三師匠曰く一番今怖いのは
権太楼師匠だという側面等々、
を伺い知る程度には良い本です。
が、1800円の価値はありませんでした。
彩流社って、前にも読んだけど
イマイチな出版社ですね。
せっかくの大師匠でもっと言葉を尽くした
内容ならいいけど、落語家特有な
曖昧な言葉が多くて師匠の本音は
よく見えないし、
経歴一覧でもつけてくれれば
時系列もわかりやすいのに
巻末の注釈は多くは落語家の名前についてで
そこが知りたくて読んでいるんじゃないと
思いつつ読了。
聞き手塚越さんの問題なのか、編集の問題なのかは
素人の私には分かりませんが、
かゆいところに手は届いてない本です。

俺らはプロだから、「じゃ、本番いつですか?」って
いったら、ないんです。俺はいつもそう思ってる。
いつでも稽古なの。……(寄席の場が稽古場と続き)
プロは生きた人のまえで稽古できるんです。

この一節は、いただきます。
我々教師も同じです。
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2017年05月15日

江國滋「落語無学」(ちくま文庫)

江國さんのエッセイは有名ですが
今回初めて、落語、ということで
読みました。よかったです。
さすが、という印象です。
洒脱で要点が明確で優しい。
落語の登場人物に光を当てていて
初めて読むものにも温かい。
落語をもっといっぱい聴きたくなるような文章です。

この時代の著名人にありがちな
「俺、この人のことよく知ってるもんね」的な
優越感がないところが
小林信彦さんに似ている。
他にも三部作で「手帖」「美学」があるようで
絶版でなければ、読んでみたいと
思いました。
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2017年05月11日

渋谷 柳家三三の落語会

Salon De 三三、という洒落た企画。
場所は嫌いな渋谷。
イープラスの経営店、食事付き落語会。
ローストビーフなど洒落た食事済ませ
「どうらく息子」尾瀬あきらの漫画の
監修したご縁での落語と対談。
作品は月2のビッグコミックオリジナルで
全作拝見済み。

落語はまず元犬。
彼の形は出来上がっているので
前に聴いたのとほぼ変わらない。
でも白が可愛いし口入れ屋の上総屋も
あったかいし、ご隠居もいい人で
大好きです。

師匠がリードで尾瀬あきらさんと対談。
尾瀬さんの担当編集者が
師匠の高校時代の同級生だったご縁と、
尾瀬さんが落語漫画を描きたい思いが
マッチして作品が生まれた経緯が分かりました。
漫画にするといい落語と
漫画にしづらい噺があることも。
前者が芝浜、紺屋高尾、
後者が金明竹、寿限無。
分かります。
落語の作法や師弟制度などを
三三師匠がチェックしていたようです。

中入りして、噺は夢金。
船頭頭領がちょっとヤクザっぽいのがいい。
ボロ着た悪どい侍がうわっつらぽくてよかった。
欲張り船頭が欲張りだけど
侠気のある下町人情を解する貧乏人で
いるいるこういう人、と思わせるところがいい。
お嬢様が口をきかないのもいい。
三三師匠だから喋らせてもきっといい味出す
でしょうが、ここは男の噺でやりきったのがいい。
サゲは、100両手にした船頭が「100両〜」と
呟いて、それを見上げてキセルをポンと
叩いてムッとした表情で船頭の名前
「熊〜」と頭領。
かっこ良かった。
ふりだしに戻る感じもいいし
全てが夢、とチャラにしてしまう感じもいい。
私たちの人生すら一炊の夢か、と
気取ってみたくなるような幕切れでした。

席がとにかく近くて
三三師匠の表情から仕草から全て
手に取るように鑑賞できました。
ちょっと近すぎて恥ずかしいくらいでした。
改めてファンです。
本当に上手い。
どんどん上達していると思います。

渋谷、苦手ですが
今日は行ってよかった。
帰りの電車、座れちゃったし。
明日も仕事頑張ります。
運動会練習入っています。
子供も徐々に本性出してきて
いろいろ起こりそうです。
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2017年05月10日

詠坂雄二「電氣人間の虞」(光文社文庫)

わざわざネットで探して買いました。
ホラー的、推理的、ついつい読み急ぐ
よくないパターンだったせいか
最終章の急展開についていけてない。
この手の小説に必ずある落としどころが
どこかどこか、とワクワクして最後の方
読み進みました。
小学生のセリフまわしが今風すぎて
軽い感じで、なんだ、このまま落ちずに
終わるのか、と思ったら
え?という急展開。
詠坂雄二自身が出てきて推理推測を
展開して、じゃあ電氣人間はそういうことで、と
気持ち的に決着したのに、いるんだ、そういう形で。
狡さを感じてしまいました。

旧日本軍の隠し武器的なことは
何の結論も出さずに
急に存在することになるのはずるい。

ちょっと期待を裏切られました。
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2017年05月07日

倉知淳「星降り山荘の殺人」(講談社文庫)

このゴールデンウィーク、
本もいっぱい買っちゃって読み切る自信がない。
階段に積ん読、であります。
一冊ずつ地道にやっつけます。

小ねこ彼氏(これからは外ねこ、と呼ぼう)の
オススメ作家の一人。
本当は「過ぎ行く風は緑色」というのが
良いらしいんですが、売ってない。
この本はやたらブックオフにある。

杉下という、上司を殴ったため左遷された若者が
付き人となった星園というスターウオッチャーなる
テレビ仕事の人間と
秩父の山奥に行くことになって事件が起こる。
売れっ子作家、その秘書、ミーハー姐ちゃん、
UFO研究家、不動産会社社長、その部下。
素人にも玄人にも読み易い仕様で
事件は社長と部下の死体で犯人探しとなります。

ウーン、そういう結末かあ。
ちょっと残念。
謎解き好きな向きにはもしかしたら良いかも。
ストーリーや内容の濃さを求める私には
ノリの軽さやいささか御都合主義な点で
辛口となります。
謎解きまでは面白かったですよ。
最後、そんな終わり方、やだな。
破綻はないけど、やだな。
そんな感じ。

さ、次のに行こう。

明日からまた仕事。
電車混むんだろうなあ。
posted by 大ねこ at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月05日

鈴本演芸場 柳家権太楼祭 中日。

鈴本演芸場 権太楼祭。中日です。

柳家我太郎 金明竹
滑舌イマイチで
肝心の早口言い立てが聞き取りにくかった。

粋曲 柳家小菊 色っぽい。

金原亭馬玉 ざるや
明るく楽しめました。

市馬 普通の袴
さすがのいい声。内容は抑えてました。

ホンキートンク 楽しい漫才。

さん喬 天狗裁き
いいなあ〜。ググッと短くまとめていますが
表情で笑わせます。紫綬褒章おめでとうございます。

春風亭一朝 片棒
さすが一之輔師匠、動きがある。
どの部分を切り取っても面白い。
次男のくだりで終了。

中入り

翁家社中 曲芸

柳家甚語楼 町の若い衆。
くだらない噺で次の大トリに繋げる。

紙切り正楽。相変わらずお見事。
ため息と拍手しかない。

大トリ 権太楼 らくだ
70歳ですよ。元気一杯演じてくださいました。
不条理と人間のいやらしさが満載ネタを
かんかんのうはサクッと終わらせ
(そりゃ年考えたら踊りはシンドイ)
屑屋の酒飲んでの変貌に重点を置いて
屑屋の人生、らくだの酷さに迫り
焼き場=火屋へ行くくだりから一気に畳み掛け
願人坊主からサゲの火屋=冷や、へ
無駄なく分かり易く落ちました。
落語素人の小ねこと彼氏もわかったようなので
ここはさすがのらくだだったと言えます。
前半の不条理と、後半のドタバタが
違和感なく気持ちよく聴けたのは
権太楼師匠の巧さというべきでしょう。

ちなみに中入りの時に喫煙所付近にいたら
権太楼師匠が私服で楽屋入りする所
見ました。ラッキー。
緑色の上着に薄手のマフラー、
オシャレでしたよ。

鈴本の前には
浅草からの合羽橋商店街ねこ散歩。
この3日間よく歩きました。
東京は飽きない街です。
posted by 大ねこ at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

銀座巡り。

ゴールデンウィーク、3日4日と銀座。
3日は本物の銀座。
六丁目にできたginzasix効果で
メインストリートは満員状態。
我々捻くれ者はそこを避けて移動。

小ねこと彼氏を連れて銀座案内。
よし田さんで蕎麦と我が家定番の卵焼き。
出汁の効いたふわふわ卵焼き。
味を堪能して若菜目指すもこの日は休み。
私の誕生日に買う予定のbonbonwatchで
時計の下見。
資生堂で化粧品ではなくお菓子購入。
日本一地価の高い鳩居堂紹介して
教文館で本購入。
欲しい本は今はジュンク堂か教文館。
伊東屋でシールやペンや一筆箋購入。
これは全部仕事がらみ。
野の花専門の司さん紹介。
王子サーモンで時鮭のドライチップ彼氏にも。
お茶はcafe de ルトン(スペルわからない)。
今日はさすがに混んでました。
交通会館からの高知アンテナショップを周り
帰途。

4日は中ねこに車を出してもらって
江東区砂町銀座商店街に。
東京三大銀座の一つらしいです。
戸越銀座には行ったことあるので
今日はこっち。
安くて庶民的なお店いっぱい。
仕事で履く靴やお惣菜、野菜を買って
串焼き市場?だったかそんな名前のご飯屋さんに
入り、あさり塩ラーメンをいただきました。
ウマ〜い。
お店の雰囲気もよくていい気持ちになりました。
夜は居酒屋風のようです。
車で近くの亀戸天神、と思ったら
なんだか混んでいる様子なのでパス。
そのまま町屋へ。
町屋銀座は正直大したことなかった。
再開発でしょう、大きな住居兼商業施設のビルが二つ。
どこにでもある風景で昼間来ても
楽しい所ではなかったです。
uccコーヒーショップでのお茶は美味しかった。

最後は、ほぼほぼ自宅付近の十条銀座。
職場から近いんですがなかなか行かれない。
ここも三大銀座の残り一つ。
十条銀座に隣接する十条仲原銀座の佃煮屋さんで
がっつり買い、皮のバッグが3000円で買え、
ノートやファイルがバカ値で買えて
大満足で帰宅。

という銀座巡りの二日間でした。
今日は浅草からの鈴本、落語の日です。
posted by 大ねこ at 10:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月01日

中山七里「さよならドビュッシー」(宝島文庫)

いやあ、面白かった。
全く知らない作者ですが、小ねこの彼氏に
勧められた作者さんの一人です。
このミスで賞を取るだけあります。
一般の本屋ではあまり見かけないので
ネットで大量買いしちゃいました。

まずドビュッシーという、私の世界に無縁なもの、
クラシックには疎いので、果たして読めるか、
と臆していました。
なんの!
ピアノのシーンは満載ですが、
のだめカンタービレのように
躍動的で素人にもその熱さが伝わります。
高校生の女の子独白体なので若者向きか、
と尻込みしてました。
なんの!
どちらかというと根性モノなので
甘さがなくてむしろ小気味良いです。

ストーリー的にも
初めに金持ちの爺ちゃんがイケメン。
急展開の火事。
燃え尽きてしまってからの遺産相続問題。
主人公の全身火傷。
生還からのピアノ特訓秘話連続技。
そしてイジメに殺人未遂に母親の殺害。
さらにピアノコンクール。
指導者の岬さんは探偵的な存在も兼ね
まあ息をもつかせぬ状態。
犯人はすぐ分かります。
しかしそれ以上のどんでん返し付き。
おいおい、主人公がそういうことってありか。
でも。
そこでこの題名「さよならドビュッシー」の意味が
鮮やかに明確になるシステム。
へえ!

嫌味もなくて犯人の思いも伝わり、
岬のかっこよさが嬉しい。
しかも作者さんは岐阜出身。
年齢もほぼ同じ。
出てくる場所は勝手知ったる名古屋のあちこち。
名古屋弁も満載。
これはお近づきになりたい要素だらけで
読むしかない。
だから読書はやめられない。
posted by 大ねこ at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする