2016年11月08日

伊坂幸太郎「死神の浮力」(文春文庫)

正直「死神の精度」は読んだものの
内容はすっかり忘れています。
構成で読ませた以前の作品より
私は今の作風の方が好きです。
会話の面白さは色褪せてないし
展開もよりオーソドックスになって
誰にも読みやすい作品でした。
伊坂さんは、自分ではいつも
自分は臆病な人間だと吐露される。
その癖小説の方は殺人だの死の課題だのに
果敢にアタックされる。
面白い小説家だし、小説家らしいと言えます。

山野辺という小説家とその妻が主人公で
死神の千葉は彼らの死に立ち合うためにやってくる。
山野辺は娘の菜摘を本城なるサイコパスに
殺されています。
その本城に復讐を果たすことが
生きるアイデンティティになっています。
しかし、本城に着く香川という死神は
本城は死なないと決めている。
読み手としては、苛だたしい展開。
さまざまなハードボイルドな展開が続き
その都度千葉が結果的に山野辺夫妻を
救うという不思議に状態になる。
実は死神にも意志があるのでは、と
思わせられます。
最後に本城はどうなるか、これが
実に旨がすく結末。
さすが伊坂さん、と思います。
このためにイジワルな伏線 張っていたんだ、と。

題名の浮力、って
人生上の浮き、も含まれていると感じました。
死神さえも。
ラストシーンもいいです.。
相変わらずとても映画的でした。
posted by 大ねこ at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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