2016年11月19日

万城目学「とっぴんぱらりの風太郎」(文春文庫)

いやいや、まさかこうなるとは。
ラスト100ページあたりからの
大阪城炎上から大団円まで
まさか泣かされる系になるとは。
万城目さんはどちらかというと
笑えるタイプの作風と信じていたし、
このタイトルからの印象ではハッピーエンド予測
してました。軽率でした。

風太郎はプータローでありながらも
真面目一辺倒で闘い抜きました。
ひさご様は予想通り秀頼公でした。
その最期に立ち合うよう高台院様が風太郎を選んだ。
その運命を呼んだのは、ひょうたんの神?の
因心居士。見事、果心居士と出会い
彼らは行くべきところへ行きます。
しかし、彼らは人の生き死にには関われない。
残菊との闘いには勝ったものの
その時にはすでに黒弓も蝉も常世も……。
風太郎が預かった秀頼公の子供は
もっとも彼を裏切ってきたと思っていた
百市に託した。そこの手伝いは居士達の力。
しかし、生き死にには関われないからこそ
風太郎は生き絶えることになるのでした。
壮絶すぎて言葉も失う描写の連続です。
戦国の世とは、実にこの様に凄惨であったと。

大真面目な戦国末期の忍びたちの
居場所のない景色でした。
でも生きてきた。
風太郎はしっかり全ての約束を果たしてきました。
ただ一つ、この争いが終わったら
芥下と共にひょうたん屋をやるという
約束だけは果たせなかった。
切な過ぎました。

読ませられました。
読み終わり、しばし茫然でした。
こりゃないぜ、万城目!と思いました。
幸せを与えて欲しかった。
辛かった。
でも、多分作者は戦乱の世の非常をも
私たちに伝えたかったんだと思いました。
久々にずっしりと重みを感じた本でした。

posted by 大ねこ at 18:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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