2016年11月30日

広瀬稼和生「僕らの落語」〔淡交社〕

初めて聞いた会社からの新書。
1300円しましたけど、いい本でした。
現代を代表する落語家の対談集。
広瀬さんがコーディネートして時々口を挟み
いい感じでまとめてあります。

最初に活動家米團治と柳家花緑
遺伝子的すでに名人落語家一家。
非常真面目な対談。
米朝師匠曰く、落語とは
おじいちゃんが孫に聴かせるおとぎ話、であれと。
至言ですね。
感謝を持たない若者にどのように対応すべきか
悩む花緑は弟子との距離感に悩んでいるわけで、
血の中に落語があるものとそうでないものとの
せめぎあいとも読めました。
さすが米團治さんはさらに一回り年上なだけに
諭すような場面も。
ちなみに米團治さんはほぼ私と同世代。

二つ目は、今をときめく天才肌の
春風亭一之輔と桃月庵白酒。
全部を覚えきらずともじぶん流に料理して
爆笑させる落語に変換してしまう。
おそらくは実はかなり聴き込んだり学んだりしている
と、踏んでいます。
けれどそれを感じさせるのは野暮だとも知っている
江戸前な二人です。
彼らはこれからの落語界の風雲児であり牽引者だと
何度か聞いた私はそう思います。

三つ目は、ユニークな存在の
春風亭百栄と三遊亭兼好。
百栄さんは新作派で兼好さんは古典。
一人者、ではありませんが
それぞれアメリカ遊学後、サラリーマン生活後に
落語界の仲間入りをした異色の経歴持主。
世間を知った上での落語は、味があるもの。
私は兼好さんのあの子元気が出る声が好き。
いわゆる正統落語ではないのかもしれないですが、
私はこれからも追いかけたい落語家さんです。

最後は女性落語家さんの柳家こみちと三遊亭粋歌。
こみちさんは小三治さんの会で伺った。
粋歌さんは新作が多いようですね。
まだ聴いたことありません。是非次回何かの折に。
お二人とも40代っぽいです。
女だからという苦労もあるようです。

まだまだ知らない方も多いです。
こうした良心的な本がこれからも出てほしいです。
落語家さんの会で感情をもっと知りたい。
ネット検索しても情報の少ない方が多いです。
若者に興味を持ってもらうためにも
もう少し情報公開は必要です。
広瀬さん、同世代人間として応援しています。


posted by 大ねこ at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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