2016年12月30日

江戸川乱歩「明智小五郎事件簿5 魔術師」(集英社文庫)

これはよく練られた作品。
のちの怪人20面相の元になるような
要素てんこ盛りの活劇推理小説でした。
横溝作品もかくや、という犯人の呪い。
父親を生き地獄に晒された男の
一生をかけたドロドロの復讐譚。
しかも娘さえ取り替えての用意周到さに
これだけ人は復讐に燃えられるものかと
薄ら寒ささえ覚えます。
加えて殺人の様の多様さ。
ショウでの実演バラバラ殺人、
時計塔でのポオばりの時計針での未遂、
ピストル、舌を噛む、
人間心理につけこむ脅迫状、
日に日に恐怖を増すやり方、等々。
加えて、明智小五郎の恋物語。
二股ですぜ、色男。
犯人の住まいが船っつーのもなかなかな手法。
さらに、解決したかに見せて
まだまだ呪いは続くというくどさ。
いわゆるどんでん返しもあり
活劇推理小説の白眉でしょう。

乱歩が、歴史に残る作家だと実感。
前作のような駄作もありますが、
量産作家にはありがちなことでしょう。
年末、年始、ぼんやり楽しむにはうってつけです。
posted by 大ねこ at 19:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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