2018年09月01日

中山七里「ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人」(角川文庫)

夏休みも終わり、気持ち切り替え。
る、べきですが、後半年適当にやり過ごそう。
と、思うのは、いい加減なんです。
が、真面目過ぎてアウトになりがちな自分。
なので、それでバランス取れると思います。

犬養隼人はイケメン刑事です。
女心がわからない。
でも執念は、渡瀬刑事と変わらない。
本作にも葛城登場。
犬養の上司は麻生でバディは高千穂明日香。
きっとそのうち明日香主演の作品も出ると期待。

本作は珍しく殺人なし。
心理戦の様相。
元ネタは当然ハーメルンの笛吹き男。
ただし、それは形だけ。
内容は子宮頚がんの予防ワクチンに伴う
副反応を見ようとしない学会や薬品会社、
国家に医師軍団への怒りからくる犯罪。
「七転八倒」にも確かあったんですけど
中山さん本人のお嬢さんもワクチン打って
云々の記述、ご自身の思いも反映かと。

珍しく全編穏やかなんですよね。
いや、犯罪だから穏やかって言うのはダメでしょうが、
誘拐されたのも副反応で障害があるお嬢さんが
多いので、いつもの意地悪視点が少なめ。
犬養自身のお嬢さんも人工透析受ける身なので
この話は渡瀬さんじゃダメなんです。

例によってどんでん返しが待っています。
けど、今回は予測当たりました。
読み慣れたせいか、本作が社会派だからか、
ちょっと嬉しかった。

本作のキモになるであろう一文引用。
「現実として人命より重いものなどいくらでも存在する。
いや、宗教や政治形態によっては塵芥ほどの価値もない
のではないか。この国もそうだ。省益や既得権益を
護るためなら、自分と自分の家族以外の人命など
路傍の石同然に思っている人間が腐るほどいる。
そうでなければ、何度も何度も薬害を巡る悲劇が
繰り返される現実を説明できない。」

薬害エイズ問題にも言及する部分もあります。

結局中山作品を読むってことは、
日々忘れがちな第三者や
悲劇の中にもいた人をもう一度
思い出し、自分の不幸など取るに足らないことに
気づく行動なんだな、と思います。

まだまだ山積み中山作品。
まだ購入していない作品もある。
ワクワクが止まらない。
自分が体験していない体験を
執念の刑事や医者、弁護士と追っていきます。
posted by 大ねこ at 19:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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