2018年11月10日

中山七里「ドクター・デスの遺産」(角川書店)

読了して思わず電車の中の人々を
見回してしまった。
一人一人のいのちについて、
一人一人の笑顔と苦痛について、
一人一人の家族について、
考えてしまった。

読んでいる最中も
わあっと叫び出したくなる瞬間が
何度もあった。
主題が安楽死だからだ。
中山さん自身のお考えはさておき、
小説の中では
安楽死肯定側代表がドクターデスであり
その消極的支持者が依頼した家族であり
いくばくかのお金で動く医者役の男。
安楽死否定側代表が犬養であり
警察の人や法律遵守の人たち。
双方が互いに理屈があり
どっちの立場も共感できる構成になってる。
いやあ、策士、七里。
倫理的には絶対にデスに捕まってほしい。
しかし、何回も描かれている、
生きる望みを絶たれてまで苦しみたくはない
光景を目の当たりにすると
安楽死全面否定はできない。
生きる権利と死ぬ権利。
今生きている最中に選択したいものだ。
ドナー登録のように安楽死宣言って
今の日本ではできないんだよね、確か。
それに安楽死宣言したからって
それを法も整備されていたって
執行する医者もやだよね。
ここに出てくるデスくらい達観できれば
やるんだろうけど、なかなか、ね。

今回は、謎解き以上に
(もちろんそっち方向もとても面白い)
突きつけられる課題が大きかったです。
犬養と高千穂さんの溝もなかなか埋まらないし、
(明日香もなあ、いい女なんだけど頑固だな)
逡巡する犬養が我が身でした。
今回、犬養の娘の沙耶香さんが
ますますいい少女(乙女?)になっていく様子が
心の救いでした。

警察の人もただの人。
教師もただの人。

今日はインフルエンザの予防接種に御茶ノ水。
1時間かけて行って接種まで10分以内。
うひゃー!
予定よりずいぶん時間余った。
さあ古書店街に繰り出そう。
ネット注文もいいけどやっぱり現物に会いたい。
そうそう、この近辺に中山さん職場
あったんじゃないかな?
同じ空気、吸いに行こう。
posted by 大ねこ at 10:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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