2018年11月18日

伊坂幸太郎「フーガはユーガ」(実業之日本社)

おひさしぶりの伊坂さんです。
先日の三省堂巡りで平積み売れてますコーナーに
あったので即買いでえ。
WhoがはYouが、なんですかね。
表紙はそんな感じです。
名前が常盤優我。双子の弟が風我。
音楽のフーガが優雅、とも取れます。
うまいですよね、相変わらず。

いつもと同じ仙台舞台
ファミレスで語る優我の聞き役はテレビプロデューサー
という設定の高杉。
優我の話は弟風我との幼少期からの数奇な人生。
DVの父とネグレクトの母の間で
よくもまあ真っ当に育った。
岩窟おばさんと呼ばれてる中古品回収業の
もとで中学の時から働き
二人で支え合って生きてきた。
挟まれるエピソードには
周波数にこだわるワタボコリ君へのイジメ、
それを見て見ぬ振りができない双子、
仙台市内で起きた轢き逃げ事故、
その子に双子があげたシロクマの釘入りぬいぐるみ、
似たような境遇の小玉ちゃん救出劇、
その小玉ちゃんと風我の同棲、結婚、
優我自身は大学へ行き、賢くなり、
コンビニでバイトして出会った
ハルコさんとハルタ君親子への愛情。
それらがまさにフーガのように絡みあって
高杉が何者か知らされ、最後の結末まで
一気になだれ込む。

これだけならまあ今風の小説。
ここに伊坂さんは双子の誕生日だけに起こる
瞬間移動を持ってくるから漫画。ファンタジー。

今日の朝日新聞に三浦しをんさんと
伊坂さんの二人特集で本の紹介コーナーがあり、
そこでこの小説の紹介があった。
それによると、
例の流行った「君の名は」で入れ替わりが
使用されてしまったのでプロット変更を
余儀なくされた的な事が書いてあった。
なるほど。
そして伊坂さん得意の
バディもの、男の結束、ヒーロー志願がここに満載の
気持ちも伝わった。

伊坂小説としての質を問われれば
ちょっと評価は下がると思う。
でも、一気読みできたところはさすがの力量。
あと、誰にでも手を取って読んでもらうには
素晴らしい出来だと思います。
惜しむらくは、結末の寂しさ。
あと、伏線回収が素人の私にも
ある程度わかってしまうところ。
複雑さを減らして読みやすくしたからだと思います。

売れてください。
応援しています。
posted by 大ねこ at 13:30| Comment(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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