2018年12月03日

中山七里「悪徳の輪舞曲」(講談社)

御子柴礼司、実母の弁護を担当。
母親らしき人物が
冒頭で間違いなく夫を殺害している。
私達読者は、この母親は殺人者だと
刷り込まれてからの御子柴の弁護を
追うことになる。
御子柴は親子としては動かない。
依頼されたから動くのみ。
何度も冷静さを失いながら
自分は園部ではない、御子柴であると
己に禁欲的に徹底する。

であるから
無罪を勝ち取ることに成功した直後に
母親が述懐する事実に
我を失う御子柴にちょっと同情した。
エピローグに倫子が登場して
本音をいう彼に
彼の業の深さを感じる。

悪徳の輪舞曲、とは
因果応報、とか、輪廻転生、とかに
繋がる気もするが
そういう安っぽい人情論を
バサッと切り捨てるのが七里さん。
そもそも御子柴はなぜに幼女殺しを
しなければならなかったのか
本書を読んでなお分からぬ。

後3作くらい書いていただき、
7作目くらいで完結していただき
そこで過去の自分の弁護をしていく中で
自分の罪に敵対してその原因を
私達に提示してほしい。
願いです。
posted by 大ねこ at 21:25| Comment(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]