2017年09月25日

永六輔「坂本九ものがたり 六・八・九の九」(ちくま文庫)

永六輔さんも亡くなっちゃったなあ。
永さんの尖り加減が好きでした。
この本を読むと、マルチタレントだったことが
よく分かります。
八大さんはジャズピアニストから作曲家へ、
そして売れっ子中にアメリカ行っちゃう
先進的な人。
永さんは、
学生時代からテレビ創生期に放送作家として
頭角を現し、「上を向いて歩こう」からの
作詞家稼業、しかし阿久悠やさだまさしらの台頭で
作詞は引退、というところまでの時代。
そして主人公の九は
川崎の色街出身で姉が歌舞伎狂、
賢く聡い反面、やんちゃだった様子。
それを愛情深く、しかし批判的にも
ムダな言葉なく描いています。

エルビスのモノマネ名人で
ドリフターズのバンドボーイ中にスカウト状態で
歌手へ。ナベプロの渡辺美佐の妹、曲直瀬に
見染められ曲直瀬プロへ。
この辺りの当時の芸能事情も
ぜひ読んでみたい。なかなか黒い世界。
しかしそれが現在のプロダクションの原型。
自分の歌の下手さを克服すべく努力。
美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」を
ご本人に許可を得に行き、オーケーをもらい
自分の歌にした事実は、
九自身が本当にお母さん大好きっ子の証し。
そのお母さんが死んだ時のリサイタルの
描写は舞台監督を請け負っていた永さんだから
知り得る真実、迫るものがありました。

正直九さんに思い入れはありません。
けれどこの自分が生きた時代の人々に
ものすごく興味を持っている訳です。
永さんの本ももう少し読んでいきたい。
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2017年09月19日

小林信彦 萩本欽一「ふたりの笑タイム 名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏」(集英社文庫)

欽ちゃんが、とても素直に小林信彦さんに私淑。
コント55号時代のアドリブの話などは
小林さんもノリノリで聞いている。
私は子供時代に55号好きじゃなかった。
欽ちゃん自身も多才でプロデュース能力の高い点は
評価していますが、好き嫌いで言えば
好きじゃなかった。
そのほかの、渥美さんや森繁さん、のり平さんなどは
以前読んだ小林さんの著書で知ってる。
クレージーキャッツやエノケンの事も
今まで読んだ範疇。
なので目新しさはなかった。
欽ちゃんの聞き上手さで読み切りました。
にしても、小林さんの記憶の良さは健在。
まだまだ長生きして芸能に携わってほしいです。
おそらく芸能人はいっぱいいるけど
喜劇人はいなくなったと感じておられる。
素人の私でもそう思う。
上手い歌い手はいても歌姫や本物のミュージシャンは
いなくなったのと同じ。
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2017年09月12日

能町みね子「お家賃ですけど」(文春文庫)

体調は回復。
夏休み明け、子供によっては「行きたくない」症状。
仕方ないです。
様子見です。
大人だって行きたくないですよ。
いわんや子供をや。

能町さんの文章は乾いていて哀愁がある。
突き放しているようで愛情がある。
恬淡としているようで結構しつこさもある。
これは彼女が、彼、から彼女、に変わる頃
住んでいた神楽坂、牛込あたりの
下宿屋の話。
都会の中の都会、神楽坂は
古いものと新しいものが同居してる街。
築40年の家の大家の83歳の加寿子さんとの
やりとりなどはとても上品で踏み込まないけど
優しさがある。
OLしながらデザイナーのアルバイト、
様々な人に重宝されながら、自分探し中の姿。
心臓が良くなく、結果的に性転換手術直後
心臓の手術もし、相部屋のお年寄りに
愛着を覚える優しさ、愛おしさ。
風呂釜のガスがつかない件などは、
あるあるネタでもあります。
何より、牛込の街に突き立つペンシルマンションを
爆破したい、蹴り飛ばして倒したい、と
願うあたりは全く同感できます。
若いけど、古さの分かる人間にそだったルーツの
物語も挿入されていて
実家のそれぞれの祖母達の話題は
多くの人に分かって貰えるところだと思う。

いいオンナだね、みね子さん。
好きです。
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2017年09月07日

江戸川乱歩「明智小五郎事件簿Ⅺ 妖怪博士・暗黒星」(集英社文庫)

もう一冊刊行されているシリーズですが、
これにて終了。
飽きません。しかしパターンに飽きます。
乱歩調に飽きてきました。
でも、本当に飽きずに読ませます。
特に仕事の往復にはボーっと夢中で読める。
猟奇的、変態的なんだけどいやらしくない。
現在の怪奇モノや推理モノの先駆けだから
安心感が違う。
明智小五郎はきちんとかっこよく解決してくれる安心感。

妖怪博士は二十面相の明智への愛憎。
暗黒星は、出自からの復讐譚。
どちらも面白い。

黒蜥蜴が中谷美紀で日生で上演される。
しかし12000円。
考えちゃう値段。
あ、でも、嬉しいことに桑田佳祐コンサート当選!
こっちは手放しで申し込みましたけど。
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2017年08月31日

江戸川乱歩「明智小五郎事件簿] 少年探偵団・黒蜥蜴」(集英社文庫)

夏休みが本当に終わる。
もう今週は仕事On仕事でしたが
明日からは子供達が集合。
まあ、研修という名のこれも知っとけ、
お前達教員はあれもこれもやんなきゃいけない、
押し付けを「学ぶ」よりは
子供達と過ごす方が本分であります。
ちなみに研修は、例えば
アレルギー、新指導要領、貧困、特別支援、
歯医者さん講話、等々。
行政が言うよりセンセから言ってよ、的な。
うーむ。

そんな中で読破。
三島の戯曲、美輪明宏さんの緑川夫人。
一度見に行きました。
もちろん学生時代に戯曲も読みました。
ここでの江戸川乱歩原作は
読み物として上質。
大人向きでエロ要素グロ要素満載。
異常愛、好きだよね、乱歩。
人間椅子はここにも健在。
人間の剥製も健在。
色っぽいのに僕、と自称する緑川夫人。
男性性もあるわけで、美輪様にぴったり。
まるで彼のためのお話。
明智氏に恋をしちゃうあたりも斬新。
自殺するヒールは乱歩には珍しいのでは。

もう一作の「少年探偵団」が完全に霞みます。
こっちも二十面相が火薬爆破で死んだか?と
思わせますが、はっきりとはさせていません。
少年向きな現れ、以下次号のやり方です。

もう一冊残っていますので
楽しみましょう。
ちなみにシリーズは更にもう一冊で
計12冊のようです。

涼しい一日でした。
明日の再開も涼しいようです。
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2017年08月25日

江戸川乱歩「大金塊・怪人二十面相」(集英社文庫)

児童向け探偵小説だから
懐かしい。読んだわ。
ポプラ社のホームズとかルパンとかの
シリーズ読破したわ。
しかし乱歩は不気味過ぎて
途中でやめたわ。

この歳になって読んでみて
他愛のなさにちょっと笑える。

怪人二十面相は人ごろしをせず
ひたすら盗み、小五郎と対決するのが生き甲斐。
小五郎もペダントリィ全開。
子供にわかりやすくしているので
大人にはまさに子供だましの内容。
しかしこのパターンが現在の戦隊モノやら
正義の味方モノ、月光仮面に至る全ての大本。
子供を楽しませたいと考えた乱歩はすごい。
戦争の匂いプンプンの時代1936年に連載されたとのこと。
80年前だ。
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2017年08月15日

江戸川乱歩「明智小五郎の事件簿[ 人間豹」(集英社文庫)

人間と豹の間に生まれたと思われる人間豹の恩田と
その異様な父の物語。
この、奇想天外な思いつきそのものが乱歩だ。
ストーリー的には連載物らしく
さあ、続きは如何に⁈の連続。
バカらしいと思いつつ読み切れるこの迫力。
明智小五郎が勝つ、とわかっていても
心の中で手に汗握る感覚。
マイナーな立場の人間もどきが
全うな人間に復讐する話ではなく
情欲に素直で血を好む猛獣的な
わかりやすい展開も嫌いじゃない。
文代さんが今回も危機的状況に陥り、
明智小五郎が最終的にしたことは
サーカスの虎(その実豹)を撃ったことだけ。
父親は自殺、恩田は消息不明。
逃しちゃった。
推理物ではなく活劇物。
30年代の浅草がいっぱい出てきます。
松竹歌劇団、動物園があった頃の花やしき、
ホームレスが集う場所、千束の床屋など。
そういえば乱歩さん、浅草好きでしたね。

一気読み。
面白かった。
まだまだ夏休みの乱歩シリーズは続きます。
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2017年08月12日

江戸川乱歩「明智小五郎事件簿Z吸血鬼」(集英社文庫)

今日は都電で1日乗車券(400円!)で
乗り放題満喫。
王子からまっすぐ早稲田駅。
早稲田大学近くウロウロ。
面影橋駅で写真。
鬼子母神前駅から鬼子母神堂。
羽二重団子の出店でお団子。
庚申塚駅から刺抜き地蔵通り。
マルジで安いはおりもの。
三ノ輪駅まで行ったらジョイフル三ノ輪。
お味噌、野菜買ってコロラドでお茶。
王子に戻り帰りました。

そりゃ読めます。
竹本健治難解ミステリーの後だけに
実にスッキリ。
恋に破れて自殺した兄貴の仇を取るための
復讐が結果その女に惚れる体で大団円。
決闘のオープニング、水死体、
国技館での人形展、飛行船逃亡、
密室殺人、棺に入れられて火葬される寸前の状況、
水中花ならぬ水中人体、
まあこれでもかこれでもかと怪しい事件満載。
ゴリ推しの無理無理もなんのその、
新聞連載というから余計に大サービスな感じ。
「魔術師」で知りあった文代さんが奥さん、
少年探偵団の小林少年もここで初めて登場。
読者を楽しませる仕掛けだらけ。
しかもラストは、実は小五郎の敗北なんだけど
犠牲者であるはずの倭文子がどーしょうもない
女のため、読者もまあ納得しちゃう。
一番かわいそうなのは彼女の息子茂くん。
6歳設定だけど、親父は泥棒、おっかあは色情狂、
それで両方殺されるって、この子の人生どうなるんだ?
まあ本編と関係ないところで心配しても
仕方ないですが、私ならこの子を
また次の話で悪党に使うかな、と、
いらぬ想像さえしました。

ともかく面白かった。
荒唐無稽オーケー。
不完全燃焼だった読書体験の溝が埋まりました。

高校野球、今年は面白い。
こちらも夢中な楽しい夏休みの真っ最中です。
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2017年08月08日

竹本健治「匣の中の失楽」(講談社文庫)

いや、しんどかった。
持って歩くのも読むのも。
マトリョーシカか。
章ごとに前の章は嘘だよ、と言われるような
嵌められたような不愉快感しかなかった。
読書感想をリサーチすると
みなさん褒めちぎっておられる。
黒死館殺人事件、ドグラマグラ、虚無への供物に並ぶ
四大奇書らしい。
リアリティのない観念小説、
若い頃読んだ埴谷雄高の死霊へのオマージュだと
いうこともわかる。
入れ子小説であり、薀蓄小説でもあります。
頭を使いたい人やペダンティックを好む人や、
あるいは若い頃の自分ならば夢中だったかもしれない。
しかし、今やもう無理。
ダラダラ続く学者的な、あるいはアホにはわからんやろ的な、
思考のとぐろ巻きに閉口しながら
悔しさもあって読み切りました。
ああ、疲れた。
そりゃ「失楽」ですから救いは求めてなかったけど、
疲れました。

賢い方々が詳しい書評書いていらっしゃるので
是非ご参照ください。
私には、面白くもなんともない小説でした。
まだ虚無への供物の方がわかったぞ。
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2017年08月07日

映画 実写版 銀魂

銀魂、懐かしい。
しばらく読みました。
紅桜ならばわかると思い、
小ねことシネコンへ。

悪くなかったです。
漫画の世界観をきちんと踏襲していて
実写版の良さも満載。
夏休みのエンタメとしては上等でした。

内容がどうこういう作品ではないので
役者さんについて軽く。
銀さんの小栗旬さんはこの路線がいいかと。
まーきの♩の頃の若いゆえのイケメン卒業からの
小栗旬さんにあまり魅力はなかった。
結婚して男としての役者になるには
今ひとつ力量に弱さが感じられていました。
今回のハジけキャラは、その弱さクリア。
おっさん感もいい感じに生かされていた。
シリアス路線よりこっちの方がいい。
菅田将暉さんの新八、まずまず。
菅田将暉さんはこれからの人なので
まだ未知数。
神楽の橋本環奈さんは、いい。
美少女キャラ脱却、銀魂ならぬ役者魂あり。
鼻くそほじってゲロ吐いてブチャイク顔見せて
それで可愛い。
役者として上手いか、と問われると
ちょっと棚上げですが。

新井浩文の人斬り以蔵ならぬ似蔵は
一番の演技力全開。
盲目役なので目を瞑ったままの演技なので
難しかったことでしょう。
中村勘九郎の近藤勇ならぬ勲もさすがの演技。
そして、菜々緒さん、最高です。
又子役がどハマり。
他にも、佐藤二郎、声で山田孝之など
ああ、土方役に柳楽、桂に岡田将生。
中堅どころをうまく配しました。

パロディも満載でナウシカが出て来たのは
笑いました。
安田顕の刀鍛冶が
昔の剣豪映画のパロディではないかと。
あの大げさな感じが原作通りというだけでなく
往年のそうした映画へのオマージュのような
気がしたのは、私も歳をとった証拠かもしれません。
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2017年07月31日

福田利子「吉原はこんな所でございました」(ちくま文庫)

いやいや、ザクッと読むつもりが熟読。
ダメですね。歳とると昔に思いが至ります。
赤線青線廃止後に産まれたわたし。
市川房枝さんがかっこいいと思っていた。
女性は同権であるべきだと思った。
愛知育ちのわたしは、あの有名な
愚かしいほどの派手派手しい結婚式を
正直憎んでおりました。
結婚を理由に仕事を辞めていく女友達を
鼻で笑っておりました。

その癖、新宿の街が好きです。
浅草のいかがわしさが愛おしいです。
渋谷が嫌いな理由は明確で、
情緒が皆無だからです。

以前昼に吉原界隈をぶらぶらした時
夜は怖くて来られない、と思いました。
顔に傷のある方がいそうです。
あるいは、薬物や甘くない危険ばかりな匂いを
感じたからです。

その癖、落語に出てくる吉原は憧れです。
花魁ショーは一度見たかった。
そこには文化があるからです。
なぜ落語の若旦那は勘当されてまで
吉原に通い続けたり居続けしたりしたか、
なぜ身上を潰すほどの高い値段がついたか、
それだけ女性に神性を見いだしていたからでしょう。
確かに人身売買であり、
女性蔑視であることは事実。

しかし、そこには豊かな文化があったことも事実。

筆者の福田さんは、貸座敷(花魁が寝る所)に
客が行くまでの待合の意味があった引手茶屋の
松葉屋の女将。
引手茶屋に幇間や芸を売る芸者がいた。
それらを統括する女将が見た吉原なので
それは生々しい。

貸座敷にも大見世、中見世、小見世があり
いわゆる角海老などは大見世だったそうです。
一般庶民は小見世。
戦争が始まり、兵隊が来るようになって
無理心中もあり、情が移ることもある。
共に田舎出身で、方言が同じだった日には
居続けもあったとか。
なんだかドラマだよなぁ。
今みたいなスマホ時代じゃありえないドラマ。
従軍慰安婦になっていく花魁も。
戦争イコール従軍慰安婦なんだよ。
これはもう反対とかいうレベルじゃない。
韓国の人々が無理やり従軍慰安婦にされた問題も
解決していない。
戦後もそう。
女が、一人で生きていくために
体を売る。
賛成なんかできないけど、反対仕切れない。
男と女がいて、性があれば
これはもう何も言えない。

深い問題。
そこで統括する女将は
文化としての吉原、歴史としての吉原、
そして生活の場である吉原。
だったんだろうと。生身の幇間、生身の芸者、生身の花魁、
そこには豊かな文化にあふれた生活があった。
そして、今もセックス文化は朽ちることなく
もっと自由という名の下、ケバケバしいものに。
これもやがて文化になるだろうか?
否、
花魁達とキャバ嬢やソープ嬢は残念だけど違う。
もちろん素敵なホステスもいる。
けれどそれは個としての素晴らしさであって
システムとして文化ではないと思うのです。
そのシステムそのものが文化だった吉原。
今は昔。浅草しかり。新宿しかり。
でも、現代に生きるわたしは、
その残滓だけでもいい、味わいにいくのでしょう。

売春防止法ができてから松葉屋は
料亭になって、そして今はもうないとのことです。

また、下町行ってみよう。
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2017年07月26日

色川武大「なつかしい芸人たち」(新潮文庫)

バースデー後は健診であります。
乳ガン健診、過去にやっておりますんでね。
2年に一度って感じで行っております。
後は普通の定期健診。
とりあえず大丈夫そうです。
家に帰ってみるとねんきん定期便の通知。
64歳からいただけるらしく、ありがたい。
働き続けてよかった。
適当に長生きしようと決心致しました。

この本に出てくる芸人たちは
健診なんて最も縁遠い人々。イメージですが。
全く知らない戦前のお笑い芸人や俳優、
笠置シヅ子さんや渥美清さん、左卜全さん、
水の江滝子さんなど、かろうじてガキンチョ時代に
テレビで出会っている人々も。
ああ、トニー谷さん。強烈だった。
解説にもあるんですが、
一度も見たことない芸人でも
色川さんのやさしい文章で読むと
なんだか知ってる人達みたいなんです。
だから、知らない人は飛ばして読もうと思っていたけど
結局全編熟読ですね。
ロッパの系譜がタモリに通じ、
杉狂児なるメガネ俳優の映画を見たくなったり、
スネークマンショーの猪狩さんのお兄さんは奇人とか、
柳朝(小朝の師匠)師匠や
ジープにはねられた奇顔の歌笑師匠、聞きたい。
永六輔さんの師匠の三木鶏郎さんはあまりに有名。
松竹歌劇団だけでなく宝塚にも造詣が深くて、
本当にこだわりの色川さんだと感心。
しかもこの全体を通してマイナーな色がたまらんです。
有島一郎さんや金語楼さんもチビの頃
見てます。ジェスチャー、毎週見てた。

シャボン玉ホリデーも全員集合もゲバゲバも
見られた私たち世代って結構最強だ。
今のテレビラジオ界の重鎮たちだと思うんですが
もう少し世論や政治色に媚びない番組
もっと作ってください。
マツコが深夜ほど面白い、それも大事だけど
(深夜枠は常に面白い)やはりゴールデンのつまらなさは
このところ異常値ですよ。

色川さん、面白い。
こうしたサブカルチャーの先駆者を
忘れないようにしていきたいものです。
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2017年07月25日

立川志らく独演会 東京芸術劇場プレイハウス

志らく落語。
自分へのバースデープレゼントです。
本日誕生日。
芸術劇場プレイハウスとは、奮発ですね。
さすが人気がある志らく師匠ですね。

ですが。
前座の牛ほめもわさわさしていたし
はじめの噺、青菜も
小三治師匠や市馬師匠、三三師匠の
ほんわかしたゆったりの青菜は
身にしみているので
場内は爆笑でしたけど、私は
苦手でした。
そもそも、噺のマクラで
昨今のダメ政治を斬るのはいいんだけど
談志だったら、親友の先代圓楽だったらの
くだりから私は笑えなかった。
毒は嫌いじゃないです。
でも、感じたのはちょっとへりくだった
嫌味だったからです。
しかし場内はいちいち爆笑で
志らく人気の凄さが伝わりました。
んん。
落語で笑えれば帳消しだったと思います。
でも、早口の狂気のある畳み掛けに
私は本来の青菜の良さが消されていたように
感じました。

中入り。

子別れ。
これは素敵なバースデープレゼントでした。
鰻。今日は土用の丑の日。
世の中がおかしな様子だからこそ
この噺はしみました。
権太楼師匠のような臭みや泣きがないのに
思わず涙ぐみました。
亀ちゃんのおませで賢い様子が生き生き、
主人公が江戸っ子で照れ屋で
側で聞いてる八百屋がユーモアになり
ただのお涙頂戴に堕さない後味につながります。
それにつけても、おかみさんの
いい女ぶりに惚れました。
亀ちゃんの利発さとおかみさんの上品さと
主人公のまっすぐさが絶妙で
これはいい噺でした。

勝負するなあ〜志らく。
嫌いになれない。
むしろ、素敵なプレゼントありがとうございましたと
お礼申し上げます。
信じるっていいなあ。
家族っていいなあ。
うん、待ってる人がいる。
私も帰ろう。
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2017年07月18日

畠山健二「落語歳時記」(文化出版局)

先日の古本屋で買った本。
落語の演目を歳時記風にまとめた本。
筆者の畠山さんは、演芸作家、演出家。
私より少しだけ年上。
小粋な文章で読みやすいです。
落語初心者向けの書き方が良いです。
私は初心者からの少しだけ成長したらしくて
ここに出てる演目は、ほぼわかるようになりました。
エッヘン。
鮑のし、鰻の幇間、花筏、今戸の狐、
以上は知らない演目。
明烏、蔵前駕籠、大工調べ、
以上は知っているけど実際に見たことがない演目。
明烏は是非見たいやつです。

夏休み間も無く。
またいろいろ見にいく予定。
明日はユーミンコンサート。
ウキウキ。
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2017年07月11日

林家彦いち「楽屋顔」(講談社α文庫)

先日の神保町巡りで
矢口書店で購入。
この本屋さんは結構穴場で
芸能系の本が豊富です。
落語の関連書結構あります。

彦いちさんは一度か二度、聴いたことが。
新作系の昇太さんたちとSWA作ってますね。
木久扇師匠のお弟子さんで
喬太郎さんとほぼ同世代。
木久扇師匠に興味ないので申し訳ありませんが
今ひとつ身は入りません。
写真が多くて楽屋裏の噺家さんの
姿が興味深く楽しく読みました。
いい写真もいっぱいありました。
キャプションも良かった。
頭の良い方だと思いました。
鹿児島の筋肉系だけではないです。
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2017年07月08日

能町みね子「逃北〜疲れたときは、北に逃げます」(文春文庫)

小ねこの彼氏さんが、また上京。
お友達のお芝居見に来た。
もちろん小ねこに会いに。
今日は御茶ノ水からの神保町案内。
水道橋いく方向にある炒飯屋でたっぷりお昼。
さぼうるが満席なのでラドリオでお茶。
古本屋少し周り、二人はお芝居へ。
その道中で読み終えました。

北は、私も大好きで
筆者が訪れた稚内や青森の野辺地からの行程は
私も周りました。
圧巻はアイスランドからのグリーンランド。
これはすごい。
お母さんは小樽出身。おばあさんは宮城出身。
北の血が騒ぐんでしょうね。
私はそういうことはないので
北への思いの熱さは筆者がうんと上。
ふと呟くこの一節。
茨城で育ち東大に進学、東京で生きる彼女が、
➖運よくここで仕事を得て生活はできているけれど、
なんとなく上京してなんとなく生きている私が
こんな忙しい場所に居つづけて、そして稚内の
マスターに「東京の人」なんて呼ばれるように
なっちゃって、これでいいのか、と
空しくなる夜がある。

ここはわかる。

今年の夏の旅行は久々の東北復帰。
岩手からの青森経由で秋田、花巻戻る
周遊旅行、500キロの旅です、
能町さんは車運転なしのバスと電車。
中ねこのおかげで我が家は大きくまわれます。
その日まで後一カ月。
頑張ります。
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2017年07月03日

三浦しをん「政と源」(集英社文庫)

裏切らないしをんさん。
コバルト系で、対象は若者に向けての
小説っぽいですが、なんのなんの。
むしろ十分大人向け。
若者に老人の生き様伝えようとしてる感じ、
それもかっこいいです。

彼女お得意の男子主人公、
73歳から74歳にならんとする
元銀行マンで女房と娘に見捨てられ系の真面目国政。
つまみ簪職人で、
最愛女房に先立たれたヤンチャ系源二郎。
墨田区Y町に住み、渡し舟で行き来するというから
横網ではないかと見当付けています。
いっそ合わないように見える二人が
幼なじみというだけで、互いのさみしさを
半分にしてる毎日です。

源二郎の弟子の徹平と美容師の彼女が
またかわいいし、二人を翻弄したり
縁を繋げあったりしていく話です。
読んでいてとても気持ち良い。
ジジイの身勝手さもあるあるネタで
いっそ小気味良いと思えました。
誰にでも読んで欲しい佳品。
この手の小説にありがちなうっとうしさや
押し付けがましさはありません。
教訓もなければ、難しさもない。
ただそこにある人々の物語です。
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2017年06月24日

山前譲編「落語推理迷宮亭」(光文社文庫)

国会は閉会、東京都議選は開幕。
嘘つきが多過ぎて辟易。
小学校一年生だって
大人のおかしさ気付いていますよ。

本作はアンソロジー。
連城三紀彦ー変調二人羽織。
落語家の落語家による殺人事件。
我孫子武丸ー貧乏花見殺人事件。
長屋の花見の翻案。
伽古屋圭市ー崇徳院。
これも落語ネタから。
快楽亭ブラックー幻燈。
喬太郎もやってるネタらしいです。
これ、人情系刃傷物で面白かった。
大下宇陀児ー落語家変相図。
落語家が死ぬ話。
那伽井聖ー落研の殺人。
うーむ。
結城昌治ー落語 味噌漉し。
これも落語ネタ。文章が一番うまい。
そしてオチもあってムダがなくイチオシ。
都築道夫ー擬宝珠。
これもネタらしいです。奇想天外過ぎて
ピンとこない。

ま、落語を元にした小説って結構あるんだ、
という体験でした。
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2017年06月18日

綾辻行人「どんどん橋、落ちた」(講談社文庫)

推理ヲタなら垂涎、
綾辻ファンならワクワク、
だったかもしれませんが、私は
全く面白くないです。
犯人当ての内容はさすが綾辻さんという
イジワル加減においては素晴らしい。
額縁というのか、外枠の物語が
楽屋落ちみたいで「知る人ぞ知る」
知っているのが通、的なペダントリィが
鼻について嫌でした。
こちとらマニアでもないし通勤途中のエンタメとして
読みたいのに、ちょっとついていけない。
以上です。
犯人当ての結末も言葉遊びが過ぎて
ヘェ〜、以上ではなかったです。

共謀罪法が民主主義の禁じ手で通り、
加計学園問題も内閣府の嘘が横行、
総理への忖度、いい加減にしてください。
自民党、自滅への道まっしぐらです。
自民党が滅びないなら、日本国沈没でしょ。
あんな口の回らない、憲法改悪だけが念願の
坊ちゃん総理をいつまで大事大事するんですか?
そんなに彼の好きなようにさせてあげたいんですか?
道徳教科化しましたよねー。
現場の混乱ハンパないっす。
官房長官も総理も是非小学校の道徳の授業に
参加してください。
「正直」「誠実」「責任感」等の題材準備して
お待ちしています。
評価も確かすることになったんですよね。
しっかり評価して差し上げます。
もちろんその日そのときの授業だけでは
評価しませんよ。
日常の生活態度や友達関係も十分考慮して評価です。
評価結果次第では、進退お考えください。

本のことより、怒りが先走ってしまいました。
失礼しました。
posted by 大ねこ at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月09日

中山七里「ヒポクラテスの誓い」(祥伝社文庫)

浦和医大法医学教室の光崎教授。
今迄も渡瀬や古手川の依頼で
かっこよく解剖して絶対の信頼を
獲得している唯我独尊キャラの老教授。
今回は主人公。対人物はキャシー先生と
研修医の栂野真琴。
古手川もサブキャラで登場。

五人の病歴ありの変死の解剖、という
やや無理のある設定でしたけど
一つ一つの話がよくできていて面白かったので
細かい指摘はやめましょう。
最後にそれをまとめるエピソードも挿入して
全体としてもスッキリ読めるまとまりありです。

真琴さんの医師としての成長記録でもあり
古手川とうまくいったら楽しいのに、という
別のニヤニヤもありました。

知人か否かで態度を変える行為は分け隔てである。
感情を無視するのではない、論理を優先させろ。
部下にとって一番不幸なのは、
暴君ような上司や無能な上司に当たった時ではない、
責任を取りたがらない上司に当たった時が最悪なのだ。

以上は本文にあるキレのある文章です。
いいね。
中山さんのサスペンスには人生訓があります。
人として大切なすべき何かが描かれているので
どんな残虐さやリアルさも嫌味にならない。

好きな作家のお一人となりました。
posted by 大ねこ at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする