2017年06月24日

山前譲編「落語推理迷宮亭」(光文社文庫)

国会は閉会、東京都議選は開幕。
嘘つきが多過ぎて辟易。
小学校一年生だって
大人のおかしさ気付いていますよ。

本作はアンソロジー。
連城三紀彦ー変調二人羽織。
落語家の落語家による殺人事件。
我孫子武丸ー貧乏花見殺人事件。
長屋の花見の翻案。
伽古屋圭市ー崇徳院。
これも落語ネタから。
快楽亭ブラックー幻燈。
喬太郎もやってるネタらしいです。
これ、人情系刃傷物で面白かった。
大下宇陀児ー落語家変相図。
落語家が死ぬ話。
那伽井聖ー落研の殺人。
うーむ。
結城昌治ー落語 味噌漉し。
これも落語ネタ。文章が一番うまい。
そしてオチもあってムダがなくイチオシ。
都築道夫ー擬宝珠。
これもネタらしいです。奇想天外過ぎて
ピンとこない。

ま、落語を元にした小説って結構あるんだ、
という体験でした。
posted by 大ねこ at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月18日

綾辻行人「どんどん橋、落ちた」(講談社文庫)

推理ヲタなら垂涎、
綾辻ファンならワクワク、
だったかもしれませんが、私は
全く面白くないです。
犯人当ての内容はさすが綾辻さんという
イジワル加減においては素晴らしい。
額縁というのか、外枠の物語が
楽屋落ちみたいで「知る人ぞ知る」
知っているのが通、的なペダントリィが
鼻について嫌でした。
こちとらマニアでもないし通勤途中のエンタメとして
読みたいのに、ちょっとついていけない。
以上です。
犯人当ての結末も言葉遊びが過ぎて
ヘェ〜、以上ではなかったです。

共謀罪法が民主主義の禁じ手で通り、
加計学園問題も内閣府の嘘が横行、
総理への忖度、いい加減にしてください。
自民党、自滅への道まっしぐらです。
自民党が滅びないなら、日本国沈没でしょ。
あんな口の回らない、憲法改悪だけが念願の
坊ちゃん総理をいつまで大事大事するんですか?
そんなに彼の好きなようにさせてあげたいんですか?
道徳教科化しましたよねー。
現場の混乱ハンパないっす。
官房長官も総理も是非小学校の道徳の授業に
参加してください。
「正直」「誠実」「責任感」等の題材準備して
お待ちしています。
評価も確かすることになったんですよね。
しっかり評価して差し上げます。
もちろんその日そのときの授業だけでは
評価しませんよ。
日常の生活態度や友達関係も十分考慮して評価です。
評価結果次第では、進退お考えください。

本のことより、怒りが先走ってしまいました。
失礼しました。
posted by 大ねこ at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月09日

中山七里「ヒポクラテスの誓い」(祥伝社文庫)

浦和医大法医学教室の光崎教授。
今迄も渡瀬や古手川の依頼で
かっこよく解剖して絶対の信頼を
獲得している唯我独尊キャラの老教授。
今回は主人公。対人物はキャシー先生と
研修医の栂野真琴。
古手川もサブキャラで登場。

五人の病歴ありの変死の解剖、という
やや無理のある設定でしたけど
一つ一つの話がよくできていて面白かったので
細かい指摘はやめましょう。
最後にそれをまとめるエピソードも挿入して
全体としてもスッキリ読めるまとまりありです。

真琴さんの医師としての成長記録でもあり
古手川とうまくいったら楽しいのに、という
別のニヤニヤもありました。

知人か否かで態度を変える行為は分け隔てである。
感情を無視するのではない、論理を優先させろ。
部下にとって一番不幸なのは、
暴君ような上司や無能な上司に当たった時ではない、
責任を取りたがらない上司に当たった時が最悪なのだ。

以上は本文にあるキレのある文章です。
いいね。
中山さんのサスペンスには人生訓があります。
人として大切なすべき何かが描かれているので
どんな残虐さやリアルさも嫌味にならない。

好きな作家のお一人となりました。
posted by 大ねこ at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月03日

中山七里「贖罪の奏鳴曲」(講談社文庫)

今日は世田谷美術館まではるばる。
エリック・カール展。
お子ちゃまがいっぱい。
美しい原画に癒やされて来ました。

読んだ本はこちら。
中山さんにいよいよハマっています。
ハズレなし。
渡瀬、古手川ペアは健在。
悪役は弁護士の御子柴礼司。
本名は園部。かつて幼女殺しをして
少年院に入っていた経歴。
オープニングから御子柴の遺体遺棄、
夫殺しの罪状で最高裁まで行った女と
脳性マヒの息子の弁護に携わりながら
遺体遺棄事件の本ボシと渡瀬達に睨まれ
過去が明らかになっていくストーリー。
稲見という少年院の教官が彼の過去を伝えるくだりに
小説の面白味が満載でした。
園部少年が御子柴となって、
稲見の思いやベートーベンの「熱情」に出会って
改心していく様。
嘘崎、次郎という少年院仲間の親への思いに触れ
人が罪を犯す過程、家族のありように
思いを馳せていき、弁護士になって
今の姿、法廷での彼の弁護の鋭さと共に
真実を見極める目。
それらを全て明らかにしていく渡瀬。
なんかかっこいいです。
稲見の言う「贖罪」は
犯罪を犯した者は、生きて償え、
生きて生きて同じ罪を犯した者を救え、
真実から目を背けるな、ということ。
ここに出てくる人々は、皆一様に痛々しい。
家族への言及に作者は厳しさと温かさを
いつも忘れずに持っています。
犯罪の多くは、家族に由来している。
言い得て妙です。
重い。けれど、逃げてはいけない。
渡瀬がカッコ良すぎてたまらんですよ。

後一作品積んであります。
また買います。
全部読みたい。
絶対オススメ、中山七里さんでした。
posted by 大ねこ at 20:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月29日

中山七里「切り裂きジャックの告白」(角川文庫)

今迄読んだ中では意外感は一番少なめです。
まあ、パターンが読めてきたのかもしれません。
臓器移植と切り裂きジャック、
よく繋げたと思います。
前回出演者の古手川さん登場。
親近感ありです。
ペアを組むのは
娘さんも臓器移植対象者である犬養さん。
容疑のあるのは
移植コーディネーター高野さん。
臓器提供者の母親、鬼子母さん。
移植医療の医師達。

結局は、医療ミスの問題が事件に関わり
真犯人は例によって最後の最後
どんでん返しで発見。
この手法、慣れたかもで
じゃああの人か、と冷静に読み進めました。

一節、心に残りました。
移植手術と原子力発電所、
存廃の是非の構造が酷似、というところ。
なるほど。
非日常の世界ですが
実は身近な問題でもあるんだと認識。
でも、面白かった。
また読みます。中山七里さん。
ハマっています。

私事では、土曜日無事に運動会終了。
子供たちよく頑張り、手前味噌ですが
とても良い運動会でした。
しかしその後の大人の飲み会は
よろしくなかった。
ダラダラと、グダグダと、ジリジリと、
そしていささか下品で、
居酒屋わんの料理も美味しくない。
さっさと帰って来ました。
今日はその振替休日で小ねこと久々の新宿。
東南口の近くの海鮮丼、よかった。
アルタの店がずいぶん若者仕様になり
安くてびっくり。古着一つ購入。
ディスクユニオン昭和歌謡館で
門あさみさんのCD購入。

また明日から仕事します。
posted by 大ねこ at 17:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月24日

中山七里「連続殺人鬼カエル男」(宝島社文庫)

久々夢中で読みました。
非常に憂鬱な小説です。
刑法37条の是非から
人は簡単にパニックになり
暴徒化すること、
恐怖は連鎖し、人の肉体は
精神のありようで結構頑張れること、
どんでん返しが続き
読み手は疲れ、けど真犯人は
そういうことかと読み終えても
さらに憂鬱になるような幕切れ。

アイウエオ順に起こるカエル男による殺人事件。
古手川と上司の渡瀬が解決に向けがんばる前段。
途中挿入されるナツオなる悲しすぎる少年
(実は少年ではない)のエピソード。
後半警察に押しかける飯能市民の恐ろしさ。
怒涛のように古手川が犯人確保。
しかしその後ろで彼を操る一人の女。

渡瀬は見抜く。
その女の精神のコントロールを図る男の存在。
しかし確証も証拠もなく泳がして終わる、
と思いきや
因果応報、という言葉で
その黒幕すらやがて殺害される予告の終焉。

憂鬱ですよ。
けど、唸らざるを得ない。
三流ドラマのような「ありえへん」場面もあり
急激に襲う人間の恐ろしさや
サイコパスとは身近にいる戦慄。

今回もピアノが重要な位置にあり
作者の奥さんがピアノ関係者ってことに
関わりあり、なんでしょうね。

優しさと薄情さ、愛と憎しみ、
人が持つ二律背反を突きつけるから
面白いし、怖い。
これはちょっとしばらくハマりそうです。
けど、この憂鬱感、やるせなさすぎます。
posted by 大ねこ at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月20日

柳家権太楼 塚越孝「権太楼の大落語論」(彩流社)

権太楼師匠のきっぱりしたところや
おかみさんが才女だということ、
三三師匠曰く一番今怖いのは
権太楼師匠だという側面等々、
を伺い知る程度には良い本です。
が、1800円の価値はありませんでした。
彩流社って、前にも読んだけど
イマイチな出版社ですね。
せっかくの大師匠でもっと言葉を尽くした
内容ならいいけど、落語家特有な
曖昧な言葉が多くて師匠の本音は
よく見えないし、
経歴一覧でもつけてくれれば
時系列もわかりやすいのに
巻末の注釈は多くは落語家の名前についてで
そこが知りたくて読んでいるんじゃないと
思いつつ読了。
聞き手塚越さんの問題なのか、編集の問題なのかは
素人の私には分かりませんが、
かゆいところに手は届いてない本です。

俺らはプロだから、「じゃ、本番いつですか?」って
いったら、ないんです。俺はいつもそう思ってる。
いつでも稽古なの。……(寄席の場が稽古場と続き)
プロは生きた人のまえで稽古できるんです。

この一節は、いただきます。
我々教師も同じです。
posted by 大ねこ at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

江國滋「落語無学」(ちくま文庫)

江國さんのエッセイは有名ですが
今回初めて、落語、ということで
読みました。よかったです。
さすが、という印象です。
洒脱で要点が明確で優しい。
落語の登場人物に光を当てていて
初めて読むものにも温かい。
落語をもっといっぱい聴きたくなるような文章です。

この時代の著名人にありがちな
「俺、この人のことよく知ってるもんね」的な
優越感がないところが
小林信彦さんに似ている。
他にも三部作で「手帖」「美学」があるようで
絶版でなければ、読んでみたいと
思いました。
posted by 大ねこ at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月10日

詠坂雄二「電氣人間の虞」(光文社文庫)

わざわざネットで探して買いました。
ホラー的、推理的、ついつい読み急ぐ
よくないパターンだったせいか
最終章の急展開についていけてない。
この手の小説に必ずある落としどころが
どこかどこか、とワクワクして最後の方
読み進みました。
小学生のセリフまわしが今風すぎて
軽い感じで、なんだ、このまま落ちずに
終わるのか、と思ったら
え?という急展開。
詠坂雄二自身が出てきて推理推測を
展開して、じゃあ電氣人間はそういうことで、と
気持ち的に決着したのに、いるんだ、そういう形で。
狡さを感じてしまいました。

旧日本軍の隠し武器的なことは
何の結論も出さずに
急に存在することになるのはずるい。

ちょっと期待を裏切られました。
posted by 大ねこ at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月07日

倉知淳「星降り山荘の殺人」(講談社文庫)

このゴールデンウィーク、
本もいっぱい買っちゃって読み切る自信がない。
階段に積ん読、であります。
一冊ずつ地道にやっつけます。

小ねこ彼氏(これからは外ねこ、と呼ぼう)の
オススメ作家の一人。
本当は「過ぎ行く風は緑色」というのが
良いらしいんですが、売ってない。
この本はやたらブックオフにある。

杉下という、上司を殴ったため左遷された若者が
付き人となった星園というスターウオッチャーなる
テレビ仕事の人間と
秩父の山奥に行くことになって事件が起こる。
売れっ子作家、その秘書、ミーハー姐ちゃん、
UFO研究家、不動産会社社長、その部下。
素人にも玄人にも読み易い仕様で
事件は社長と部下の死体で犯人探しとなります。

ウーン、そういう結末かあ。
ちょっと残念。
謎解き好きな向きにはもしかしたら良いかも。
ストーリーや内容の濃さを求める私には
ノリの軽さやいささか御都合主義な点で
辛口となります。
謎解きまでは面白かったですよ。
最後、そんな終わり方、やだな。
破綻はないけど、やだな。
そんな感じ。

さ、次のに行こう。

明日からまた仕事。
電車混むんだろうなあ。
posted by 大ねこ at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月01日

中山七里「さよならドビュッシー」(宝島文庫)

いやあ、面白かった。
全く知らない作者ですが、小ねこの彼氏に
勧められた作者さんの一人です。
このミスで賞を取るだけあります。
一般の本屋ではあまり見かけないので
ネットで大量買いしちゃいました。

まずドビュッシーという、私の世界に無縁なもの、
クラシックには疎いので、果たして読めるか、
と臆していました。
なんの!
ピアノのシーンは満載ですが、
のだめカンタービレのように
躍動的で素人にもその熱さが伝わります。
高校生の女の子独白体なので若者向きか、
と尻込みしてました。
なんの!
どちらかというと根性モノなので
甘さがなくてむしろ小気味良いです。

ストーリー的にも
初めに金持ちの爺ちゃんがイケメン。
急展開の火事。
燃え尽きてしまってからの遺産相続問題。
主人公の全身火傷。
生還からのピアノ特訓秘話連続技。
そしてイジメに殺人未遂に母親の殺害。
さらにピアノコンクール。
指導者の岬さんは探偵的な存在も兼ね
まあ息をもつかせぬ状態。
犯人はすぐ分かります。
しかしそれ以上のどんでん返し付き。
おいおい、主人公がそういうことってありか。
でも。
そこでこの題名「さよならドビュッシー」の意味が
鮮やかに明確になるシステム。
へえ!

嫌味もなくて犯人の思いも伝わり、
岬のかっこよさが嬉しい。
しかも作者さんは岐阜出身。
年齢もほぼ同じ。
出てくる場所は勝手知ったる名古屋のあちこち。
名古屋弁も満載。
これはお近づきになりたい要素だらけで
読むしかない。
だから読書はやめられない。
posted by 大ねこ at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月25日

小林信彦「イーストサイド・ワルツ」(新潮文庫)

乾いているのに潤っている。
格好つけているのにちょっとダサい主人公。
うまいな、やっぱり。
内容そのものは恋愛小説。
苦手なストーリーなのに読ませます。

山の手青山に昔ながらの住居を構える
物書きの主人公、深野。
ある狙いがあって近づき、本当に好きになる加奈。
55歳の深野と二十代の加奈。結婚。
ありえないと思っていた妊娠。
子宮内外妊娠という特異な状況で死を得た加奈。
一人に戻った深野は
加奈が短期勤めていた館
(川端康成の「眠れる美女」の世界)にいってみる。
そこにはかつて深野が恋心を抱いた順子が
勤めてもいた。
そこで入れ知恵をされて加奈は深野に近づいた訳だが、
野心や目論見以上に愛が勝った。
しかし彼らの間に横たわる大きな川、
山の手下町の違い、いわんや年齢の差。
深野の身辺を探る年老いた叔母。
己の身を守りたい一心の老女。
さまざまな暗い人間関係や心理状態が
明るいはずの恋愛を薄墨色で彩り
悲劇へと収斂する。
そんな切ないオトナの小説でした。

やっぱり人間描いていない本は読めない。
ここまでかっちり、人間を描いてくださると
ミステリーの味付けも相俟って
苦手な恋愛モノもワクワク読めました。

しかし、幅広い。
小林さんって「東京」を抜け出ない狭い世界観なのに
どれを読んでも面白いっていう。
東京の懐の深さを感じます。
ゴールデンウィークは、深川行ってみたくなります。
東京散歩は退職後の楽しみの一つなんです。

北朝鮮のキナ臭い戦争の足音に
心の奥でかなり怯えながら
今日も無事でよかったと思う1日でした。
posted by 大ねこ at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月20日

若竹七海「依頼人は死んだ」(文春文庫)

読み終えるのに苦労。
連作短編集。
葉村晶が追う事件。
皮肉っぽい。
やたら自殺する。
人間関係が暗い。
私には無理な本でした。
終わり。
posted by 大ねこ at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月12日

井上ひさし「わが人生の時刻表」(集英社文庫)

階段の積本の奥に潜んでいた本。
いつどこで買ったか覚えてないんです。
多分絶版?
副題が自選ユーモアエッセイ1。
宮沢賢治の事や、浅草フランス座や
劇作法の事、黄表紙に夢中になって
300篇を2年半かかって写した事、
お母さんのマス子さんの事など
今までどこかで読みかじった内容で新味はないです。
しかし相変わらず執拗でこだわりの強い
学問方法や文体そのものがユーモラスで
肩が凝らず「難しいこともやさしく」
読めました。

ストリップのくだりが一番面白かった。
posted by 大ねこ at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月07日

高田文夫「誰も書けなかった笑芸論」(講談社文庫)

塚田茂に師事し
ビートたけしを発掘、
談志を敬愛して自らも落語家。
あくまでも放送作家。
心肺停止からの生還。
渋谷や成城、麹町に住む
根っからの江戸っ子。
浅草下町は田舎、という認識。
アナーキーで馬鹿馬鹿しい笑いを好み
オールナイトニッポンで大ブレイク。
今はビバリー昼ズの屋台骨。
クドカンが憧れる存在。
いかにラジオやテレビ界の大御所か
これだけで十分伝わります。

死を目の当たりにして
今書いておきたい殿思いから生まれた本。

好みで言えば、私は好みではない。
しかし実はこの仕事でなければ
放送業界は憧れだった私。
大学進学を当時選ばなきゃコピーライターか
放送業界に入りたかった。
今は見果てぬ夢ですが。

イフの世界ならば
この方は憧れだったかもしれない。

面白い本でした。

4年連続の1年生担任。
若手を育てて学校の基幹を支える歳になる。
今日も帰宅は9時半過ぎ。
良さの詳細を記す気力もなし。
明日もへこたれた若者と昼飯の約束と
来週の学年会の準備で
1日が過ぎそうです。
posted by 大ねこ at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月02日

栗原類「発達障害の僕が輝ける場所を見つけられた理由」(KADOKAWA)

4月になりましたね。
新年度開始。去る人来る人また新しい日々です。
持ち上がることなく新学年担任。
今度のお子さんの中に衝動が強い子がいると。
昨年度も自閉スペクトラムの子がいました。
発達障害が認知されて、精神障害も一般に了解されて
学校にも特別支援の先生やカウンセラーも常駐。
状況は悪くはないですが、
やはりクラスにいると担任は構い続けることができず
ストレスになることも多いです。
しかし、その子もクラスの大事な一員。
その子の心できるだけ寄り添いたい。
その子の居場所を見つけたい。
特別扱いではなく、仲間の1人として褒めたい。
そんな思いの中本書からヒントが欲しくて
読みました。

いっぱいヒントをもらいました。

類さんはADD、お母さまはADHD。
類さんは記憶が苦手。短期記憶も長期記憶も困難。
お母さまはそれができる。だから類さんの苦手を
一つ一つ根気よく教え続けることが出来たのが
一番よかったことのようです。
「ファインディングニモ」のドリーに似ていることに気付き、
時間管理が不十分で、目的地にたどり着くことが難しい。
記憶が難しいので同じ間違いを何度も繰り返す。
空気が読めない。いじめを受けた。

そんな彼にお母さま泉さんがして来たこと。
遅刻させない為に毎日規則正しい生活。9時には寝る。
好きなゲームは朝登校までは好きなだけさせる。
見たいテレビは録画。
特別支援校に入ると後から普通校に入りにくいから
普通校スタートにした。
自分がやられて嫌なことは他人に絶対しない。
自分がこだわることと
類さんがこだわることは違うと割り切る。
ハマりやすいのでゲーム以外に外へ連れ出す。
押し付けでなく可能性を増やす。
おっとりしてる部分はいいことだが
全く競争心もないので、あえて傷口に塩を塗ることも。
学歴にこだわるのではなく、
新しいことを知る、見る、覚える、ことは
どんな仕事をする上でも大切だから
大学には行って欲しい。
(彼は受験を失敗している)
できないことも長期スパンで見ると
できるようになっている。
だから、今できていることを褒める。具体的に。
教育現場では
タブレットやスマホのツール利用を許可して欲しい。
目の悪い人がメガネを使うように。
衝動を回避するために
必ず一度止まる。すぐやらない。
「5秒考えなさい」。

主治医の高橋先生が校医だったことも
類さんにはラッキーでした。
巻末には又吉さんの類さん評も。

全ての人に可能性がある。
いらない人はいない。
対峙している時は正直難しいですが
声を荒げず、その子の思いを受け止め、
多くの方に助けてもらいながら
今年一年、またやっていきたいと思います。
出逢う事に感謝。
私ごときに教えてもらう子どもに感謝。
聞いてくれて感謝。そんな思いでいきます。
posted by 大ねこ at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月28日

太田忠司「死の天使はドミノを倒す」(文春文庫)

名古屋の作家。
中央高速、甲府が出てきた。
作中にも名古屋弁。
作者の年齢が私とだだかぶり。
親近感持ちます。当然。
途中までは面白かった。
売れなくなった作家。
編集者である妻に愛想つかされ独り身。
弟の薫は人権派弁護士。
彼が関わる事件を追うことになったのは
父親葬儀費用が出せず、父親の銀行の金を
おろすのに弟の印鑑などが必要になったから。
弟の足跡は、実は超身近にたどり着く。
側にいて必要経費と称し雑誌記事にする男の
いうなりに動くあたりも
人は意識せずしてたくさんドミノの板を抱える象徴。
情報が有り余るほど提出されて
結果、弟は実は元弟で今は女、とか
ちょっと「サプライズ」過多な気味も。
自殺志願者、その幇助。
どれもスッキリ終わることなく
投げ出され感。
なんとなく全体ハッピーエンド。
なぜそうなったのか、詳細に書かれる面もあれば
え?いきなり?という面と、バランスも少々うーむ。

悪くはなかったですが、よくもありませんでした。
posted by 大ねこ at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月22日

松田哲夫「縁もたけなわ」(小学館)

ブックオフで安く売られていました。
素晴らしい本でした。
松田さんは「王様のブランチ」で知った方です。
彼の勧める本は結構気になっていました。
天童荒太さんなどここで知りましたし
ちくま文庫は好きな文庫ですから
松田さんの存在も好きでした。
優しい語り口で、好きな本をグイグイ推す、
素敵な編集者だと認識していました。
いつの間にか降板されて残念でした。

この本は松田さんが出逢った素敵な人々の点描。
さすが編集者という人選から
テレビ出演による出逢いも多く
多種多彩なラインナップでした。
私は後半のテレビ関係ニューフェイス群より
前半の歴史残りそうな濃い人々に心惹かれます。
例えば水木しげるさん。
ガロ編集者の長井勝一さん。
つげ義春さん。
松田さんはガロ編集にも携わっていたんです。
安野光雅さんには中学時代美術を教わっていたとか。
鶴見俊輔さんや野坂昭如さん、井上ひさしさんと来たら
惚れ惚れするラインナップではありませんか。
埴谷雄高さんは結構普通のいいおじさんとか、
ほぼほぼトリビアの範疇の話題もあり。
小林信彦さんは井上ひさしさんと仲が良くなかった
とかは、ヘェ〜ですね。
天野祐吉さん、和田誠さん、嵐山光三郎さんとは
もう完全に私トク。
万城目さんもいます。天童荒太さんは3回分です。
イラスト似顔絵の南伸坊さんは長いお付き合いのようで
これもラスト3回分です。

人脈の広さももちろん、松田さんの博覧強記ぶりや
前向きに学ぶ姿勢、編集者の仕事の様子も
垣間見えてそこも面白かったですね。
私、教師やってなかったら、憧れの職業の一つが
実は編集者だったんです。
やってみたかったな。
生まれ変わったらやりたいな。
そんな夢を見せてくれる本でした。
posted by 大ねこ at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月14日

小林信彦「アイドル女優に乾杯」(文春文庫)

2013年週刊文春に掲載されたエッセイ集。
本音を申せばシリーズの10巻目。
小林さんの韜晦的文章は大好きです。
しかし、内容で「分かる!」と膝を打てるのは
真木よう子の良さ絶賛(「さよなら渓谷」など)と
ヒッチコックのくだりと、スティーブン・キング位。
「あまちゃん」はあれだけ流行ったけど
全く見てないです。小林さんはクドカン絶賛。
そこは同感しますが、モノを見てないから
何も言えないです。
洋画の小林さんお気に入り女優は
名前くらいは分かっても、見てないからなぁ〜。
小林さんの映画通は半端ないですから。
小林節に酔って気持ちよくなったという
あたりで感想は勘弁していただきますね。
posted by 大ねこ at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月07日

万城目学「悟浄出立」(新潮文庫)

題名からの印象で
いつものおふざけが入って、と
思いきや、大真面目!
万城目さん、すごい実力だと感心。
かつての武田泰淳さんばりじゃないですか。
好きで、良かった。うまい。

中国の名作の一部を自分流に好き勝手に
料理して思い切り想像の翼を広げて
思わず読み手に「わあ!」と言わせるような
仕掛けで、短編ながら読み応えばっちりでした。

悟浄出立
孫悟空の脇で、猪八戒より目立たず
ああ、いたなという存在の彼を
主人公に配したところがまず素晴らしい。
何か悟り、自分も仲間もそこにいることに
気づく瞬間に味わいあり。
趙雲西航
これも関羽,張飛,諸葛亮に比べ
英雄ながら劉邦に愛されていないと
思う彼の迷いがどうにも人間臭くて良かった。
虞姫寂静
項羽に愛された虞は愛されるがままに
アイデンティティを失っていく。
しかし項羽が死を決意し彼女は
生かそうと情けをかけるが
そこで彼女は、自分が単に項羽のかつて愛した
女の身がわりだと知り
反逆をする。
ああ、女が女に戻る瞬間はなかなかに怖い。
でもこれも好きな小説^_^
法家孤憤
史記の刺客列伝中の荊軻の話から。
荊軻と読みの同じ京科の話。
同名だけでなく、運命のいたずらで荊軻の代わりに
官吏となった偶然も重なり
これも自分のアイデンティティとの闘いに陥る
結構重い話。
最後が
父司馬遷
あれですね、中国にあった去勢。
李陵との関係で無実の罪を着せられ
宮刑にあった司馬遷。
娘の父への思いがあって
今も残る史記が世に出たっていう想像。

小説、まさに小説。
今更中島敦読もうかとついつい思いました。
若者に学ばされました。

万城目さん頑張れ。期待しています。
伊坂さんより実は小説としては好きです。
posted by 大ねこ at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする