2017年05月07日

倉知淳「星降り山荘の殺人」(講談社文庫)

このゴールデンウィーク、
本もいっぱい買っちゃって読み切る自信がない。
階段に積ん読、であります。
一冊ずつ地道にやっつけます。

小ねこ彼氏(これからは外ねこ、と呼ぼう)の
オススメ作家の一人。
本当は「過ぎ行く風は緑色」というのが
良いらしいんですが、売ってない。
この本はやたらブックオフにある。

杉下という、上司を殴ったため左遷された若者が
付き人となった星園というスターウオッチャーなる
テレビ仕事の人間と
秩父の山奥に行くことになって事件が起こる。
売れっ子作家、その秘書、ミーハー姐ちゃん、
UFO研究家、不動産会社社長、その部下。
素人にも玄人にも読み易い仕様で
事件は社長と部下の死体で犯人探しとなります。

ウーン、そういう結末かあ。
ちょっと残念。
謎解き好きな向きにはもしかしたら良いかも。
ストーリーや内容の濃さを求める私には
ノリの軽さやいささか御都合主義な点で
辛口となります。
謎解きまでは面白かったですよ。
最後、そんな終わり方、やだな。
破綻はないけど、やだな。
そんな感じ。

さ、次のに行こう。

明日からまた仕事。
電車混むんだろうなあ。
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2017年05月01日

中山七里「さよならドビュッシー」(宝島文庫)

いやあ、面白かった。
全く知らない作者ですが、小ねこの彼氏に
勧められた作者さんの一人です。
このミスで賞を取るだけあります。
一般の本屋ではあまり見かけないので
ネットで大量買いしちゃいました。

まずドビュッシーという、私の世界に無縁なもの、
クラシックには疎いので、果たして読めるか、
と臆していました。
なんの!
ピアノのシーンは満載ですが、
のだめカンタービレのように
躍動的で素人にもその熱さが伝わります。
高校生の女の子独白体なので若者向きか、
と尻込みしてました。
なんの!
どちらかというと根性モノなので
甘さがなくてむしろ小気味良いです。

ストーリー的にも
初めに金持ちの爺ちゃんがイケメン。
急展開の火事。
燃え尽きてしまってからの遺産相続問題。
主人公の全身火傷。
生還からのピアノ特訓秘話連続技。
そしてイジメに殺人未遂に母親の殺害。
さらにピアノコンクール。
指導者の岬さんは探偵的な存在も兼ね
まあ息をもつかせぬ状態。
犯人はすぐ分かります。
しかしそれ以上のどんでん返し付き。
おいおい、主人公がそういうことってありか。
でも。
そこでこの題名「さよならドビュッシー」の意味が
鮮やかに明確になるシステム。
へえ!

嫌味もなくて犯人の思いも伝わり、
岬のかっこよさが嬉しい。
しかも作者さんは岐阜出身。
年齢もほぼ同じ。
出てくる場所は勝手知ったる名古屋のあちこち。
名古屋弁も満載。
これはお近づきになりたい要素だらけで
読むしかない。
だから読書はやめられない。
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2017年04月25日

小林信彦「イーストサイド・ワルツ」(新潮文庫)

乾いているのに潤っている。
格好つけているのにちょっとダサい主人公。
うまいな、やっぱり。
内容そのものは恋愛小説。
苦手なストーリーなのに読ませます。

山の手青山に昔ながらの住居を構える
物書きの主人公、深野。
ある狙いがあって近づき、本当に好きになる加奈。
55歳の深野と二十代の加奈。結婚。
ありえないと思っていた妊娠。
子宮内外妊娠という特異な状況で死を得た加奈。
一人に戻った深野は
加奈が短期勤めていた館
(川端康成の「眠れる美女」の世界)にいってみる。
そこにはかつて深野が恋心を抱いた順子が
勤めてもいた。
そこで入れ知恵をされて加奈は深野に近づいた訳だが、
野心や目論見以上に愛が勝った。
しかし彼らの間に横たわる大きな川、
山の手下町の違い、いわんや年齢の差。
深野の身辺を探る年老いた叔母。
己の身を守りたい一心の老女。
さまざまな暗い人間関係や心理状態が
明るいはずの恋愛を薄墨色で彩り
悲劇へと収斂する。
そんな切ないオトナの小説でした。

やっぱり人間描いていない本は読めない。
ここまでかっちり、人間を描いてくださると
ミステリーの味付けも相俟って
苦手な恋愛モノもワクワク読めました。

しかし、幅広い。
小林さんって「東京」を抜け出ない狭い世界観なのに
どれを読んでも面白いっていう。
東京の懐の深さを感じます。
ゴールデンウィークは、深川行ってみたくなります。
東京散歩は退職後の楽しみの一つなんです。

北朝鮮のキナ臭い戦争の足音に
心の奥でかなり怯えながら
今日も無事でよかったと思う1日でした。
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2017年04月20日

若竹七海「依頼人は死んだ」(文春文庫)

読み終えるのに苦労。
連作短編集。
葉村晶が追う事件。
皮肉っぽい。
やたら自殺する。
人間関係が暗い。
私には無理な本でした。
終わり。
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2017年04月12日

井上ひさし「わが人生の時刻表」(集英社文庫)

階段の積本の奥に潜んでいた本。
いつどこで買ったか覚えてないんです。
多分絶版?
副題が自選ユーモアエッセイ1。
宮沢賢治の事や、浅草フランス座や
劇作法の事、黄表紙に夢中になって
300篇を2年半かかって写した事、
お母さんのマス子さんの事など
今までどこかで読みかじった内容で新味はないです。
しかし相変わらず執拗でこだわりの強い
学問方法や文体そのものがユーモラスで
肩が凝らず「難しいこともやさしく」
読めました。

ストリップのくだりが一番面白かった。
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2017年04月07日

高田文夫「誰も書けなかった笑芸論」(講談社文庫)

塚田茂に師事し
ビートたけしを発掘、
談志を敬愛して自らも落語家。
あくまでも放送作家。
心肺停止からの生還。
渋谷や成城、麹町に住む
根っからの江戸っ子。
浅草下町は田舎、という認識。
アナーキーで馬鹿馬鹿しい笑いを好み
オールナイトニッポンで大ブレイク。
今はビバリー昼ズの屋台骨。
クドカンが憧れる存在。
いかにラジオやテレビ界の大御所か
これだけで十分伝わります。

死を目の当たりにして
今書いておきたい殿思いから生まれた本。

好みで言えば、私は好みではない。
しかし実はこの仕事でなければ
放送業界は憧れだった私。
大学進学を当時選ばなきゃコピーライターか
放送業界に入りたかった。
今は見果てぬ夢ですが。

イフの世界ならば
この方は憧れだったかもしれない。

面白い本でした。

4年連続の1年生担任。
若手を育てて学校の基幹を支える歳になる。
今日も帰宅は9時半過ぎ。
良さの詳細を記す気力もなし。
明日もへこたれた若者と昼飯の約束と
来週の学年会の準備で
1日が過ぎそうです。
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2017年04月02日

栗原類「発達障害の僕が輝ける場所を見つけられた理由」(KADOKAWA)

4月になりましたね。
新年度開始。去る人来る人また新しい日々です。
持ち上がることなく新学年担任。
今度のお子さんの中に衝動が強い子がいると。
昨年度も自閉スペクトラムの子がいました。
発達障害が認知されて、精神障害も一般に了解されて
学校にも特別支援の先生やカウンセラーも常駐。
状況は悪くはないですが、
やはりクラスにいると担任は構い続けることができず
ストレスになることも多いです。
しかし、その子もクラスの大事な一員。
その子の心できるだけ寄り添いたい。
その子の居場所を見つけたい。
特別扱いではなく、仲間の1人として褒めたい。
そんな思いの中本書からヒントが欲しくて
読みました。

いっぱいヒントをもらいました。

類さんはADD、お母さまはADHD。
類さんは記憶が苦手。短期記憶も長期記憶も困難。
お母さまはそれができる。だから類さんの苦手を
一つ一つ根気よく教え続けることが出来たのが
一番よかったことのようです。
「ファインディングニモ」のドリーに似ていることに気付き、
時間管理が不十分で、目的地にたどり着くことが難しい。
記憶が難しいので同じ間違いを何度も繰り返す。
空気が読めない。いじめを受けた。

そんな彼にお母さま泉さんがして来たこと。
遅刻させない為に毎日規則正しい生活。9時には寝る。
好きなゲームは朝登校までは好きなだけさせる。
見たいテレビは録画。
特別支援校に入ると後から普通校に入りにくいから
普通校スタートにした。
自分がやられて嫌なことは他人に絶対しない。
自分がこだわることと
類さんがこだわることは違うと割り切る。
ハマりやすいのでゲーム以外に外へ連れ出す。
押し付けでなく可能性を増やす。
おっとりしてる部分はいいことだが
全く競争心もないので、あえて傷口に塩を塗ることも。
学歴にこだわるのではなく、
新しいことを知る、見る、覚える、ことは
どんな仕事をする上でも大切だから
大学には行って欲しい。
(彼は受験を失敗している)
できないことも長期スパンで見ると
できるようになっている。
だから、今できていることを褒める。具体的に。
教育現場では
タブレットやスマホのツール利用を許可して欲しい。
目の悪い人がメガネを使うように。
衝動を回避するために
必ず一度止まる。すぐやらない。
「5秒考えなさい」。

主治医の高橋先生が校医だったことも
類さんにはラッキーでした。
巻末には又吉さんの類さん評も。

全ての人に可能性がある。
いらない人はいない。
対峙している時は正直難しいですが
声を荒げず、その子の思いを受け止め、
多くの方に助けてもらいながら
今年一年、またやっていきたいと思います。
出逢う事に感謝。
私ごときに教えてもらう子どもに感謝。
聞いてくれて感謝。そんな思いでいきます。
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2017年03月28日

太田忠司「死の天使はドミノを倒す」(文春文庫)

名古屋の作家。
中央高速、甲府が出てきた。
作中にも名古屋弁。
作者の年齢が私とだだかぶり。
親近感持ちます。当然。
途中までは面白かった。
売れなくなった作家。
編集者である妻に愛想つかされ独り身。
弟の薫は人権派弁護士。
彼が関わる事件を追うことになったのは
父親葬儀費用が出せず、父親の銀行の金を
おろすのに弟の印鑑などが必要になったから。
弟の足跡は、実は超身近にたどり着く。
側にいて必要経費と称し雑誌記事にする男の
いうなりに動くあたりも
人は意識せずしてたくさんドミノの板を抱える象徴。
情報が有り余るほど提出されて
結果、弟は実は元弟で今は女、とか
ちょっと「サプライズ」過多な気味も。
自殺志願者、その幇助。
どれもスッキリ終わることなく
投げ出され感。
なんとなく全体ハッピーエンド。
なぜそうなったのか、詳細に書かれる面もあれば
え?いきなり?という面と、バランスも少々うーむ。

悪くはなかったですが、よくもありませんでした。
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2017年03月22日

松田哲夫「縁もたけなわ」(小学館)

ブックオフで安く売られていました。
素晴らしい本でした。
松田さんは「王様のブランチ」で知った方です。
彼の勧める本は結構気になっていました。
天童荒太さんなどここで知りましたし
ちくま文庫は好きな文庫ですから
松田さんの存在も好きでした。
優しい語り口で、好きな本をグイグイ推す、
素敵な編集者だと認識していました。
いつの間にか降板されて残念でした。

この本は松田さんが出逢った素敵な人々の点描。
さすが編集者という人選から
テレビ出演による出逢いも多く
多種多彩なラインナップでした。
私は後半のテレビ関係ニューフェイス群より
前半の歴史残りそうな濃い人々に心惹かれます。
例えば水木しげるさん。
ガロ編集者の長井勝一さん。
つげ義春さん。
松田さんはガロ編集にも携わっていたんです。
安野光雅さんには中学時代美術を教わっていたとか。
鶴見俊輔さんや野坂昭如さん、井上ひさしさんと来たら
惚れ惚れするラインナップではありませんか。
埴谷雄高さんは結構普通のいいおじさんとか、
ほぼほぼトリビアの範疇の話題もあり。
小林信彦さんは井上ひさしさんと仲が良くなかった
とかは、ヘェ〜ですね。
天野祐吉さん、和田誠さん、嵐山光三郎さんとは
もう完全に私トク。
万城目さんもいます。天童荒太さんは3回分です。
イラスト似顔絵の南伸坊さんは長いお付き合いのようで
これもラスト3回分です。

人脈の広さももちろん、松田さんの博覧強記ぶりや
前向きに学ぶ姿勢、編集者の仕事の様子も
垣間見えてそこも面白かったですね。
私、教師やってなかったら、憧れの職業の一つが
実は編集者だったんです。
やってみたかったな。
生まれ変わったらやりたいな。
そんな夢を見せてくれる本でした。
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2017年03月14日

小林信彦「アイドル女優に乾杯」(文春文庫)

2013年週刊文春に掲載されたエッセイ集。
本音を申せばシリーズの10巻目。
小林さんの韜晦的文章は大好きです。
しかし、内容で「分かる!」と膝を打てるのは
真木よう子の良さ絶賛(「さよなら渓谷」など)と
ヒッチコックのくだりと、スティーブン・キング位。
「あまちゃん」はあれだけ流行ったけど
全く見てないです。小林さんはクドカン絶賛。
そこは同感しますが、モノを見てないから
何も言えないです。
洋画の小林さんお気に入り女優は
名前くらいは分かっても、見てないからなぁ〜。
小林さんの映画通は半端ないですから。
小林節に酔って気持ちよくなったという
あたりで感想は勘弁していただきますね。
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2017年03月07日

万城目学「悟浄出立」(新潮文庫)

題名からの印象で
いつものおふざけが入って、と
思いきや、大真面目!
万城目さん、すごい実力だと感心。
かつての武田泰淳さんばりじゃないですか。
好きで、良かった。うまい。

中国の名作の一部を自分流に好き勝手に
料理して思い切り想像の翼を広げて
思わず読み手に「わあ!」と言わせるような
仕掛けで、短編ながら読み応えばっちりでした。

悟浄出立
孫悟空の脇で、猪八戒より目立たず
ああ、いたなという存在の彼を
主人公に配したところがまず素晴らしい。
何か悟り、自分も仲間もそこにいることに
気づく瞬間に味わいあり。
趙雲西航
これも関羽,張飛,諸葛亮に比べ
英雄ながら劉邦に愛されていないと
思う彼の迷いがどうにも人間臭くて良かった。
虞姫寂静
項羽に愛された虞は愛されるがままに
アイデンティティを失っていく。
しかし項羽が死を決意し彼女は
生かそうと情けをかけるが
そこで彼女は、自分が単に項羽のかつて愛した
女の身がわりだと知り
反逆をする。
ああ、女が女に戻る瞬間はなかなかに怖い。
でもこれも好きな小説^_^
法家孤憤
史記の刺客列伝中の荊軻の話から。
荊軻と読みの同じ京科の話。
同名だけでなく、運命のいたずらで荊軻の代わりに
官吏となった偶然も重なり
これも自分のアイデンティティとの闘いに陥る
結構重い話。
最後が
父司馬遷
あれですね、中国にあった去勢。
李陵との関係で無実の罪を着せられ
宮刑にあった司馬遷。
娘の父への思いがあって
今も残る史記が世に出たっていう想像。

小説、まさに小説。
今更中島敦読もうかとついつい思いました。
若者に学ばされました。

万城目さん頑張れ。期待しています。
伊坂さんより実は小説としては好きです。
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2017年03月02日

青羽悠「星に願いを、そして手を。」(集英社)

王様のブランチで紹介していて
可愛い高校生16歳が書いた本、しかも
ご本人も可愛い。買っちゃいました。

16歳らしいか、意外と大人っぽいか、
どうかなと期待しながら読みました。

うーーーーん。
悪くないです。
でも詰めは甘いし、経験値不足による
若書き感は否めないし、
せっかくの館長・細山・乃 々の人間関係の
クライマックスの書き込みが浅く、
全体に伊坂調がきつい上、
大人になった主人公たちの生活感が希薄。

一つ一つのエピソードや真っ直ぐに生きる
姿には好感が持てました。
でも底は浅い。
高校生以下が読むにはいいでしょう。

しかし、おばさんが読むには
少々期待外れでありました。

夢は叶うものでもなく待つものでもなく、
見果てぬ夢として一生抱えていくものでした。
今はそのように思います。

小ねこの彼氏は先ほどご帰宅。
5日間我が家の住人となり
料理も作ってくれて中ねこもお気に入りです。
うまくいくといいな。

ムッシュかまやつさん亡くなりましたね。
また一時代が終わった感がありました。
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2017年02月26日

矢野誠一「落語と歩く 鑑賞三十一話」(河出文庫)

昔気質の江戸っ子、落語に造詣の深い
矢野さんは文体も江戸っ子で
昭和の40年代に既に東京が江戸から
遠く離れていることを嘆いています。

私は斉藤和義さん大好きですが
その歌の中でも「メトロに乗って」は
お気に入りです。
あの歌を口ずさんで東京大ねこ散歩するのが
仕事引退後の夢の一つです。
1日乗車券買ってメトロ巡り、いいな。
こういう本を読むとより行ってみたくなります。

噺は目黒のサンマから始まり明烏で終わります。
らくだは、下落合辺りとか、
文七元結は、浅草吾妻橋、
長屋の花見は、何と王子飛鳥山だった。
もちろん大門吉原は定番中の定番。
知っている地名、行ったことある場所もたくさん。
今は余り演られていないであろう噺も掲載。
「お若伊之助」(根岸)「わら人形」(北千住)
「孝行糖」(後楽園)「鍬潟」(旧両国国技館)
知らないです。
演られていたらすみません。にわか愛聴者なので。

間も無く三月。
今日から小ねこの彼氏が京都から来ます。
私は成績との闘いが本格化します。
その後に来る春の訪れを
楽しみにもう一頑張りします。
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2017年02月22日

能町みね子「オカマだけどOLやってます。完全版」(文春文庫)

能町さん大好きでーす。
久保みねヒャダ、結構見ています。
ライブにも行ったしね。

この本は、まだ手術前に
格好は女になって、会社の人も男だと
知らず知らせずにOLやってた頃の
blog上の書き込みをキチンと仕上げた本。
チン子が邪魔で、すごく男が好きな訳でもない。
ただ男性でいることが嫌だった時代。
オカマという蔑称をあえて使う感覚は
マツコさんと同じ。

人として両者ともに非常にまっとう。
能町さんに至っては東大ですから
インテリでもあります。
ここでは笑い話として軽く書かれているけど
実際は、多く悩まれたとお察しします。
性同一性障害という病名も好きじゃない。
わかります。
ただ病名がついた方が便利なことも多いんでしょう。
みんな違ってみんないいんですね。
そういう受け入れを今後もしっかりしていきたい。
こういう人たちがカミングアウトして
自分を卑下してメッセージを送ることに
強く共感していきたいと思います。


先日東京都北部で起きた連続放火事件の
犠牲者が、うちのクラスのお子さんの家でした。
命は無事で、本当に良かった。
しかし憤りは止まりません。
早く逮捕して欲しいです。
金某氏の殺人事件もずっと世を賑わせていますが、
わかりきった肉親同士の骨肉の争い、
前時代的な世襲のテーマに
違和感と愚かさを感じる日々です。
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2017年02月16日

マツコ・デラックス「デラックスじゃない」(双葉文庫)

マツコさん大好きでーす。
本書読み、一層好きになりました。
以下、彼女の語録。本書より。

だって、所詮オカマだよ。女装だよ。デブだよ。
こういうところは、忘れちゃいけないと
思ってるの。

オカマは、いい言い方をすれば中立、
悪い言い方をすれば、仲間外れ。

アウトはグッドの裏返し。
この世に捨てるゴミはなし。

アタシ、何を手に入れても満足できなかったし、
幸福感も分からなかった。

紅白は、「こんな変なもの、観られてよかったね」
とか「こんなの、普通の低予算の番組では
観られないよね」ってモノを観せてくれれば
それでいいのよ。

AKBはダメ、ハロプロは良い。

コンプレックスから、歪んだジェラシーが
生まれるわけ。

記者クラブ制度で、政治家にぶら下がっている人たち
って、特権階級意識。
そうやって同化して、権力側に
魂を抜かれてしまうのよね。

ネットっていろんな産業の芽を摘んで
しまうだけじゃなくて、
個人個人の「志」という芽も
摘んでしまう気がするのよね。

テレビの昔の9時台が今は11時台なのよ。

ユーモアがあり賢いし、
モラリストだと思います。
自分を知り、分相応を知っている。
好きです。
彼女のテレビは大抵観ています。
安心感であり、笑い飛ばせるからです。
いつもいい人だなあと
感心し、尊敬して観ています。

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2017年02月04日

相倉久人、松村洋「相倉久人にきく昭和歌謡史」(アルテスパブリッシング)

久しぶりに小ねこと銀ブラ。
今日は三河屋、若菜、蕎麦のよし田、
彼女の誕生日プレゼントで
カバンのTANIZAWAで約1万円の財布、
喫茶モナリザでケーキタイムして帰ってきました。

本書読み終えました。

非常に示唆に富んでいるので
以下引用や勝手なまとめ方、
及びトリビア的な情報ピックアップで埋めたいと思います。

1:エノケンを聴き直す
2:服部良一を聴き直す
笠置シヅ子「買物ブギ」はアドリブで「あゝしんど」
作詞の村雨まさをとは服部良一のペンネーム
つまり作詞作曲両方っていうこと。すごい。
「青い山脈」は、青春謳歌の標本だが、
「古い上着よさようなら」とは良い。
今はその古い上着をわざわざ引っ張り出して着ようと
するおろかな政治家がいることを指摘。
我が意を得たり。
3:戦時歌謡を聴き直す1
4:戦時歌謡を聴き直す2
上田敏「裏町人生」は1937年作、
洋楽と日本的要素があって適度に湿っぽい、
だから受けた、そうした余裕が軍部や政府に気に入られず
発禁処分になる。
1937年は同時に服部良一「山寺の和尚さん」
淡谷のり子「別れのブルース」「海ゆかば」と
戦争賛美と洋楽系歌謡の両方が混在。
5:美空ひばりを聴き直す
戦前の流行歌にジャズ要素満載で
戦後笠置シヅ子と服部良一で繋いだ。
ひばりは耳で聴いて作品を仕上げる。
6:坂本九を聴き直す
「上を向いて歩こう」は1字1音だから
あの独特な歌い方になる。
九ちゃんはテレビスターなのに、エノケン以来の
日本の伝統的な芸能をつなぐことができた
数少ない芸能人だった。
「新八犬伝」ナレーターとともに主題歌も。
照明にも凝った素晴らしい人形劇だった。
(全く同感。これを見るためどれだけ苦労して帰宅したか
それだけ夢中になった番組でした。)
7:ハナ肇とクレージーキャッツを聴き直す
谷啓のコメディセンスは飛び抜けていた。
ジャズは器楽演奏主体だから楽器のオチが持つ
言語性に対する関心がジャズメンをは高い。
だからハナモゲラ語をはじめ変な言葉で
応酬しあうことが多い。クレージーキャッツ然り。
8:アイドル歌謡を聴き直す
ジャズやロックは音楽界、レコ大は芸能界。
百恵の頭の良さやインタビューの切り返しは
キレッキレで鋭かった。
聖子はバカっぽい演技ができる芸人風の知恵を持つ。
明菜は歌に対する違和感でふくれっ面しながら成長する。
河合奈保子は無意識過剰でいて自分の世界を歌い切る実力。
(河合奈保子大絶賛。聴き直すカチあるかも)
9:ニューミュージックを聴き直す
ユーミン都会的、みゆき演歌っぽい、
と割とあっさり切られている。が、
忌野清志郎大絶賛。
10:平成の〈昭和歌謡〉を考える
シャ乱Qは宇崎がダウンタウンでしたロック演歌を
踏襲したロック歌謡を目指した。
小室哲哉は完全に洋楽っぽい顔。
「恋するフォーチュンクッキー」のメロと
「函館の女」は同じミミソミラソミレド。
ソウルフラワーユニオンが行なった
被災者支援の活動は照明歌謡を引っ張り出して
歌った活動で、何百万枚売ったという活動の
対極、小分けの活動であった。

日本的なるものの呪縛から、私たちは結局
逃れられていないってことです。
たかが音楽されど音楽。
好きなものをこれからも胸張って聴こうと
思えました。
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2017年01月29日

伊坂幸太郎「首折り男のための協奏曲」(新潮文庫)

読後感、うー〜〜んでした。
連作短編集、を確認しなかったのと
本の帯「思わずあっと声が出る。」に惑わされたのと
今までの伊坂ワールドに冒され過ぎているのとで
スッキリしなかったです。

首折り男が死んじゃったこと。
黒澤が泥棒のみならず探偵として優秀なこと。
若林夫婦の意外な「僕の舟」が面白過ぎたこと。
恨みとか妬みとかが、溢れているにもかかわらず
神様や幽霊や天の配剤や偶然の必然があって
なんとなく救いになるという連作だったこと。
最後の「合コンの話」は、何を目指すか不明で
ただピアノつながり(まさに協奏曲か)と
首折り男事件が同時系列で起きているという
無理やり感が私には否めませんでした。
ていうか、この最後の短編で
話全体のオチを期待し過ぎていたのかもです。

緩やかなつながりで人生の出会い的なものは
感じ取れましたけど、正直期待ハズレだった。
いやいや、一つ一つの短編はよくできていて
どれも面白いです。
結末を期待させ過ぎる帯や煽り文に問題あり。

しかし、高村薫さん読んだ後だから
思うのは、会話文多用で成り立つ昨今の小説の中では
伊坂さんは白眉です。
漫才的、ウイットユーモア、韻を踏むラップ的な、
仕込まれた言葉、など、読書通にも
飽きさせないつくりは見事です。

きっとまた読みます。
仙台でまた書き続けてください。
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2017年01月21日

高村薫「土の記 下」(新潮社)

高村薫さん、最後の1ページって
必要だったんですか?
読み終わる寸前の崩壊感にしばし茫然です。
中島みゆきさんの歌に「あり、か」がありますが、
まさにそんなのありか、です。
高村薫さん、でもこの1ページのために書きましたね。
悲しすぎるこの結末のために。

私、茫然とした中で一瞬に思いました。
私たち人間の残酷さを。
ニュースに流れる多くの情報は他人事。
聞き流して終わる。
もちろんマジに関わっていたら
鬱になってしまう。
だから私たちは忘却するようにできている。
斉藤和義さんの最近のアルバムにも
「時が経てば」という歌もあります。
それらが一瞬のうちにばあーっと浮かびました。
ちょうど伊佐夫自身が、東日本大震災の時に
どこか他人事だったように。
軽い脳梗塞も起こし、老齢を感じつつ
にわか農夫として、亡き妻の妹久代に
愛されつつ照れている男として、
天寿を全うしようとしていた時に、
まさか自分が天災に見舞われるとは。
私たちも、いつどこで何が起こり
襲われるかわからない暗示。

人は卑小であること。
その癖、生ある限り命を育み続けること。
些細なことに一喜一憂して、
大きな出来事に関心を持たないふりをして。

帯に
始まりも終わりもない果てしない
生命のポリフォニー、とあります。
読み終えて
その文言がズシンと土の塊となって
私の心に降りてきたのでした。

憎しみも喜びも
奈良の土地に埋め込み
人々と関わって鯰やトイプードルと関わって、
家族とは支えなのか不要なものなのか、
答えも出さないし出せないまま、
ボケて行く己の脳髄と闘いながら、
伊佐夫は私の前から去りました。

ああああ〜〜んって叫びたくなるのでした。

重い読後感。
なのにどこか爽やかなのでした。
多分、伊佐夫は生き切ったと
思いたいからでしょう。
posted by 大ねこ at 21:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月14日

高村薫「土の記 上」(新潮社)

高村薫さんは本当の小説家だと
心から尊敬します。
かぎかっこ一切排除。
全て地の文のみ。
最近の読みやすい中身の薄い
身辺雑記的な「で?」的な小説に
完全に対峙しています。
伊佐夫は奈良の田舎に入り婿として入り、
シャープの社員として働いた後
土地を守り、米や茶や野菜を育てている。
土のサンプルを集めるなど
土地の人間以上に土地に根付いている。
今70歳を越えて、少しのボケも入りつつも
妻を亡くし、娘はニューヨークに行き、
知り合いが他界する中で
日々農業に従事していきている。

妻、昭代は16年間植物人間状態だった。
交通事故。バイクでトラックに、
自分からぶつかったのでは、と疑問が残る事故。
浮気の疑惑。冷えた夫婦仲とそれ以前の
幸せだった頃の記憶が日常的に交差している。
その家系は女系で、どの女も男関係で
なにがしかの問題をはらんでいるだけに
疑惑は晴れることがない。
娘、陽子は優秀で東大に進み、
子供の彩子をもうけるも、やはり離婚。
陽子は、奈良の土地から離れることで
土地の者や伊佐夫からはよそ者なスタンス。

伊佐夫が、フランクシナトラの
「ニューヨークニューヨーク」をスイングしながら
ニューヨークの街を思い浮かべつつ
土をかまったり、昭代の妄想をしたりする場面は
あまりに秀逸でため息が出ました。

人が1人で生きるその姿に
感じ入りつつぞわぞわしつつ、
読みにくい文もありつつ、
続きが気になって読み進めました。
人生。
生きるための植物たち。
米の生育に合わせ章立てしている文章に
引き込まれました。

下巻、どうなるのでしょうか。
posted by 大ねこ at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月07日

全国ローカル路線バス ブルーガイド編集部

北海道から西表島までさまざま走るバス。
1日数便から1年に1回しか走らないもの。
すんごい距離を走るバス。
スクールバスなのに一般客も予約で乗せるバス。
鉄道の代替から、バス停の名前が人の家の地域。

レンタカーや鉄道の旅、飛行機を使っちゃうので
路線バスを使うことなどないんです。
でもテレ東のバス旅番組見ていると
やってみたくなります。
その代わりに買った本。
実際にあの旅はかなりの冒険。
できません。
ザーッと読みました。
旅の時、もし近くにあって
チャンスがあればトライしてみたいと思います。
posted by 大ねこ at 21:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする