2016年11月13日

万城目学「とっぴんぱらりの風太郎」(文春文庫)

今日は教えた子でNHK児童合唱団に入っている
お子さんの発表会をオペラシティで見てきました。
オペラシティ!初めてです。
初台という駅で降りたのも京王新線にも
初めてです。なんでも行ってみるもんです。
小学二年生から18歳くらいまでの
その教え子以外は知らない子ばかりですが、
聴き終わって涙ぐむ自分がいました。
盛大な音楽会、と言ったところでしょうか。

昨日今日の遠出?で読み切った上巻。
風太郎はプータローと読みます。
つまりは優秀な忍者なんですが柘植屋敷から
追い出され何もすることがなく京都で
ひょうたん作りを始めるニートであります。
ひょうたんは豊臣秀吉のトレードマーク。
なんだかんだ珍重されていて
ひさご様と言われる引きこもり青年のお世話もしたり、
忍者仲間の常世繋がりでねね様=高台院様とも
繋がりができたところで、徳川氏と豊臣氏のいくさになった。

全ての行動は実は忍びの者たちによって規定され
そのレールを走っている感じのある風太郎。

友人?のような腐れ縁のマカオ帰りの黒弓。
女の格好をして高台院に仕えている常世。
同期で好きにはなれない蝉。
ひょうたん作りを指導してくれる芥下。
所司代に仕えているらしいかぶき者の残菊。
高貴な方病弱な方と言われながら蹴鞠の上手いひさご。
そしてひょうたんの精?のような時々現れる因心居士。
相方に果心居士というのもいるらしく、
互いに会うためには風太郎のチカラが必要らしい。
一つ一つのエピソードは分かりやすいのですが、
だから、どんな繋がりなのかと。
さっぱり分かりませんです。
でも面白い。
例の家と康が離れた鐘の話も出てきて
歴史のあの頃かと徐々に楽しさが深まってきています。

下巻で謎も解けるとワクワクです。
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2016年11月08日

伊坂幸太郎「死神の浮力」(文春文庫)

正直「死神の精度」は読んだものの
内容はすっかり忘れています。
構成で読ませた以前の作品より
私は今の作風の方が好きです。
会話の面白さは色褪せてないし
展開もよりオーソドックスになって
誰にも読みやすい作品でした。
伊坂さんは、自分ではいつも
自分は臆病な人間だと吐露される。
その癖小説の方は殺人だの死の課題だのに
果敢にアタックされる。
面白い小説家だし、小説家らしいと言えます。

山野辺という小説家とその妻が主人公で
死神の千葉は彼らの死に立ち合うためにやってくる。
山野辺は娘の菜摘を本城なるサイコパスに
殺されています。
その本城に復讐を果たすことが
生きるアイデンティティになっています。
しかし、本城に着く香川という死神は
本城は死なないと決めている。
読み手としては、苛だたしい展開。
さまざまなハードボイルドな展開が続き
その都度千葉が結果的に山野辺夫妻を
救うという不思議に状態になる。
実は死神にも意志があるのでは、と
思わせられます。
最後に本城はどうなるか、これが
実に旨がすく結末。
さすが伊坂さん、と思います。
このためにイジワルな伏線 張っていたんだ、と。

題名の浮力、って
人生上の浮き、も含まれていると感じました。
死神さえも。
ラストシーンもいいです.。
相変わらずとても映画的でした。
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2016年10月30日

町田康「バイ貝」(双葉文庫)

バイ貝=売買か。
読んでわかった。
もっとあやしい小説か思った。
ちょっと期待ハズレ。
自分のウチに溜まる鬱を散ずるため
鎌を買い、草刈りに失敗。
さらに中華鍋を買い、使いこなせずへこたれ。
シュミならと
カメラを買い写し悦に入ると
メカに砂が入って修理にまた金がかかる。
そういう話です。
町田さんの文体で読めましたけど
内容は、うふふ、です。

購買するという行為に
意味を感じてことがなかっただけに
そこは新鮮でした。
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2016年10月27日

三浦しをん「格闘するモノに○」(新潮文庫)

就活に負け、家族のゴタゴタにウンザリしつつ、
おおくない友人は男好きとホモ。
付き合う男が70歳過ぎの脚フェチの書家。
お父さんは政治家。
義母、ということは、彼女の母は死亡。
弟は高校2年で賢いが喫煙者で姉を小馬鹿にしつつ
お互い大事にしている。
ちなみにお父さんは義母の子。

主人公の可南子は
しをんさんそのものだと思う。
でも決して私小説然とはしていない。
おちゃらけた部分もそこはかとなく上品。
ここがしをんさんの面目躍如。
学生文学でありながら大人も十分楽しめます。
デビュー作、というから驚き。

今の若手で
読み継ぎたい一人です。
小ねこに勧めました。
まさに今の彼女がこの状況なので。
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2016年10月24日

朱雀新吾「異世界落語@」(ヒーロー文庫)

ヒーロー文庫なんていう文庫あるんですね。
喬太郎絶賛、の惹句で読みました。
要するに、異世界に間違って召喚された
楽々亭一福なる落語家が異世界に合わせた落語を
展開して異世界の諍いをとどめる話です。
その世界観には興味がないです。
RPGは大好きなゲームですが、
それを小説の中でリアルに描かれても
子供だましの域は抜けません。
ただ、その一福なる人物がひょうひょうとしして
語る様子は好ましかったです。

時そば転じてクロノ・チンチローネ。
青菜転じてニグニグ草。
子ほめ転じてソードほめ。
元犬転じて元竜及び元スライム。
最後は新作(動物園を換骨奪胎して)エルフの宴。
落語好きには、ははーんとなる展開ではありました。
新しい試みではあるし、若者がこれを読んで
落語好きになってくれたら嬉しいです。
以上です。
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2016年10月19日

愛川晶「神田紅梅亭寄席物帳 三題噺示現流幽霊」(創元推理文庫)

今回は文庫化最終巻のようですが、
よかったです。
知り合いの落語玄人の指南者にお貸ししました。
どんな感想がいただけるか楽しみです。
出てきた落語を記します。

「多賀谷」では
一目上がり(新春ネタ)トントンオチ。
火焔太鼓
初天神、逆さオチ、というそうです。
鰍沢
そして、たがや。
この噺は首が飛ぶ噺なので
それを福の助は改良して川に落ちるカタチに。
そこには多賀谷さんの謎が関係しています。

「三題噺 示現流幽霊」では
風呂敷
金明竹
蛸坊主
へっつい幽霊
牛ほめ
転宅
上野のお山、カゲマの幽霊、示現流の三題噺が
表題作で、この話の主人公の文吉師匠が
認知症になる前にいただいたお題ということ。
しかし文吉師匠はサゲまで行けなかった。
それを甥っ子の悪事を暴く技として
福の助はサゲまで続けて考え演じる。

「鍋屋敷の怪」は馬春師匠の復帰公演を
控えての馬春師匠福の助、亮子さんの
温泉旅。そこで起きる怪、しかし実は
馬春師匠の画策ありで最後の最後まで
ええええ〜?な感じの展開です。
最終的にこのラストで福の助は晴れて真打!
だよね〜。福の助、博覧強記過ぎるし。
出てきた落語は、
番町鍋屋敷
宿屋の仇討ち
黄金餅
子ほめ
馬の田楽
そして、馬春師匠語る「海の幸」
これはこの話ではなく
次のオマケ話の特別編「過去」に収録。
本来「テレスコ」という題らしいが
題に楽屋オチが見え隠れするので
海の幸と改題したらしい。
林家正蔵師匠が。

ウンチクたっぷり。
次第に福の助の高座見たくなります。
ちなみに解説には喬太郎師匠。
読み応えありました。
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2016年10月12日

愛川晶「神田紅梅亭 うまや怪談」(創元推理文庫)

福の助と亮子夫妻の物語その3。
馬春師匠と奥さんも相変わらず素敵。
馬春師匠は不倫していた話も入り、
なかなか面白かったです。
ただし、相変わらず、推理云々より落語の改変が
より面白かった。
推理の流れは面白いのですが、
解決が独りよがりになって読者はああ、と
なるにとどまります。

さまざまな落語が出てきますが
今回は
甲府ぃ、竹の水仙、ねずみ、平林、
豊志賀、猫怪談、夜店風景、厩火事。
厩火事を怪談仕立てにしてサゲを
ーはて、おそろしきイッ、シューネンじゃなあ
って、唸ります。この噺、聴きたい!
掛け取り、宮戸川、たばこの火、など。
聞いた噺から全く知らない噺まで
ウンチクのオンパレードで、そこに惹かれます。

もう一冊あります。続きて読みます。
自作後書きで知ったのは
作者のごひいきは柳家小せん師匠だそうで。
亡くなった方では林家正蔵師匠だそうです。
小せん師匠林家解説にも登場していて
作者の噺改変を活かし高座にかけていらっしゃるそうです。
「夜鷹の野ざらし」、先回の本に載っていました。
聴いてみたいです。
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2016年10月06日

愛川晶「神田紅梅亭寄席物帳 芝浜謎噺」(創元推理文庫)

落語の噺を題材にした推理小説第2弾。
その辺の本屋にはないので
わざわざ取り寄せました。

亮子さんの旦那は落語家寿笑亭福の助。
師匠は春風亭柳朝をモデルにした馬春。
切れ者の名人だが、今は倒れて体が不自由で
房総でリハビリ生活という設定。

紅梅亭で起きる事件そのものより
落語噺の見直しのくだりが面白いですね。
作者は本当に落語が好きだし、噺の矛盾点を
いちいち指摘できるくらい聴き込んでいることが
伝わってくるのです。
一つ目は野ざらし。
骸骨釣る馬鹿らしさは、実は音曲噺だったから、
なんて私ごときにわかるはずもない。
二つ目は芝浜。
人情噺とは言え、なぜここまで人気があるのかとか、
革の財布を釣るにあたり主人公の棒手振りが
煙草好きなことと繋げてのオチは見事でした。
三つ目は、試酒。
酔っ払いを演じるならリハビリ中の人でも可能、
確かに。

ただ、惜しむらくは、
推理の展開が予測不能なところがあったり
亮子のは気付けても、読み手には?な部分が。
狙うところは面白いのにいつも解決編で
うーむとなります。
それを補って余りある噺の料理で
読み進みます。
もう2冊同じ作者の料理本があるので、
噺の解説や改良の部分を
楽しませていただきます。

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2016年09月30日

吉田修一「怒り 下」(中公文庫)

洋平が間違いに気づき、
愛子が号泣する場面で
ユーミンの「優しさに包まれたら」が
ウオークマンから流れるって反則を
課せられ、思わず朝の通勤電車で
泣きそうになったのは私です。

映画との相違が下巻半ばくらいから
出てきました。
辰哉が田中を殺してしまう場面は
自分の家にの民宿の中でした。
田中も牙をむかずまだ本性を出して
いない段階で、あくまでも辰哉自身の
泉を守ろうとする気持ちと、
信じるものに裏切られた気持ちそのものの
真っ只中での殺人でした。
泉もその母も沖縄から去ることで
気持ちに決着をつけるのです。

他にも、刑事たちの人生や
犯人殺害での事件収束に対する無念さは
映画では割愛されています。
一方、優馬のエピソードや
洋平一家のエピソードは、ほぼ同じ。
むしろ映画より早くから彼らの関係した
男の人たちが犯人ではないことに
気づかせてくれる展開です。

どちらがいいとかいうのではなく、
映画が原作に忠実で、さらに映像の力で
見る側の想像力を掻き立てるつくりだった
ことに改めて驚きます。
余分な説明を排除し、必要なエピソードに
特化して迫るものを迫らせました。
原作は、逆に説明をぎゅっとしぼって
読み手に想像のキャパを広げさせてくれ、
人ってこんなにも弱く信じ切れないものだと
突き付ける一方で、
人ってこんなにも熱い思いで相手を守ろうとし
こんなにも傷付けてしまうものだと
愛おしさを募らせてくれるのでした。

途中途中、本当に泣きそうになって、
困りました。
原作と映画の相乗効果です。

出逢えて良かった作品です。
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2016年09月27日

吉田修一「怒り 上」(中公文庫)

サクサク読める理由は、映画のおかげ。
映画のシーンがいちいち浮かぶ。
こうなると、いかに映画が素晴らしかったか
分かる。
もちろんこの原作の良さも、来ます。

映画は無駄な説明は省き
イメージとこちらの想像で次を知る。
あるいは、次のシーンを見て前の出来事を
補う。
小説は、一つ一つのエピソードに
最低限ながら説明があり
映画では謎に残る所も納得に導いてくれる。

両方触れて、私は正式な「怒り」ファンです。
原作読み、改めて映画が凄かったと思っています。

上巻は、
田代と愛子が同居決意するまで、
優馬の母が死に、直人を少し疑い始めるまで、
泉が犯され、辰哉の家の民宿に田中が働き始めるまで。

下巻、映画との相違、共通点見つけながら
楽しみに読ませてもらいます。
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2016年09月24日

小林信彦「おかしな男 渥美清」(筑摩文庫)

小林信彦さんの文章の魅力は、
推測や思い込みを極力排除して事実重視な点と
ご自分のその当時の生活や文化状況を交えて
読み手も追憶したり想起したりができるところかと
今回強く感じました。

渥美清さんについて思い入れがある訳ではないですが、
本書を読み、いつか寅さんシリーズの何本かは
見直してみようなどと思わせていただきました。
そういう魅力ある本です。
文化史の側面が楽しい。
渥美さんと同時代を生きた人々の群像がまたいい、

例によって気になろ文章を抜粋してみます。

ー渥美清は〈生き方〉の話が好きだった。
ー渥美清は二枚目意識を持っていた。
ー渥美清は自分がお花畑のような所を少女と散歩する、
CMみたいな絵柄を本気で考えていたふしがある。
ー渥美清には〈粋〉への憧れがあった。……
〈心の粋〉といったものを本気で志していたのである。
ーフランキー堺を脅かしたのは渥美清ではなく、
人気の止まらぬ植木等であった。
ー渥美清には〈渥美語〉というべき独特の言葉があり
前にも述べた〈褥を共にする〉がそうであった。
(他にも、集おう、さしずめインテリ、など)
テレビドラマ「男はつらいよ」放映が始まった頃、
渥美いわく「おれ、乗ってるんだよ」
ー時代にズレた男は、時代にズレた言葉をさりげなく
使い、それが笑いを呼ぶ。
「男はつらいよ」のテレビと映画第1作を通じて
彼が掴んだこつはこれであった。
ー渥美清は才能はあるが、名優ではない。……
渥美清には、寛美のような〈芸における無意識の部分〉
がなかった。
ー第32作「口笛を吹く寅次郎」はシリーズ初期の
活気を取り戻した楽しい作品で、……
渥美清の〈おかしさ〉でも、シリーズベスト5に
入る出来である

こうした抜粋だけでも、渥美さんの人となりが
伺えてきます。
出自はかなりいろいろあるようで、
本当のヤクザにも師事していたふしをうかがわせ、
ストリップ劇場のコメディアンとして出発、
結核罹患、片肺で人生を生き続け、
テレビ界に入って森繁久弥を尊敬しながら
「拝啓天皇陛下様」「ブワナ・トシの歌」などで
人気が出てくる。
舞台俳優としては今ひとつ、
山田洋次監督や松竹の因縁で寅さんシリーズ開始、
48作品残し、寅次郎として亡くなった感がありますが、
実は身を潜め、真実を語らず、田所康雄として死んでいった
と、小林さんは締めくくっています。

どこか突き離しながら、距離を置きながら、
でも同時代を生きた人間同士引き合うものも
感じながら、おそるべき記憶力とノートストックで
本職を書き上げた小林さんにスタンディングオベーション
であります。

仕事の方は、昨日子供たちの100周年記念の
学校内のお祭りをしました。
1年から6年まで各クラスでお店を出して
互いに褒め合い楽しみ合い交流し合う試みです。
先生方が協力的だったので成功しました。
あとは2期制なので、成績を来週出せば
次にくるのは学芸会の準備です。
貧乏暇なしでありますが
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2016年09月15日

松生恒夫監修「昭和「思い出し」クイズ」(光文社知恵の森文庫)

脳の活性化を図る本だそうで、
あっと言う間にざっくり読みました。
テレビ・CM編、音楽編、暮らし編、
スポーツ編、映画編、出来事編、漫画編に
別れ、知っているのは知っている、
逆に知らないものは知らない。
その中で、ああそうね〜となって
ニヤニヤする本ですよ。
箸休め。
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2016年09月14日

桂歌丸「極上人生」(祥伝社黄金文庫)

体調は復調しました。
クラスの子どもにうつしている感じもあり、
ちょっと申し訳ない気分。
やっと軌道に乗りつつあるのに休みが交代交代。
うーむ。

本書は、あの「笑点」の司会卒業なさった歌丸さん。
いい方だと思いますが、噺家としては
落語協会側ではないので私は詳しくないのです。
ただ、卒業されてからの独演会や二人会が
ずいぶん頻繁で、80歳越えて、体調不安も取り沙汰されて
いるのに大丈夫?と思っていました。
気になってこの本、国立演芸場の売店にあって
購入しました。
ざっと読んで、人生のいろいろは語っていますが、
どの項も詳しくない。
ああそういう人生なのね〜とはわかりますが、
なぜそうなったのかとか、当時の思いとかは語ってません。
そこがスッキリしませんでした。

例えば、
1:女郎屋稼業の生まれで、お祖母さんに育てられた。
父早世、母出奔。想うこと多いはずです。語らない。
2:今輔師匠入門、温かく育ててもらったのにいったん破門。
米丸預かりで再デビュー。その辺りの本心語らない。
3:落語芸術協会の重鎮になるにあたり、いろいろな事
あったはず。鈴本出禁になる経緯などもう少し知りたい、
が、語らない。
4:新作からの古典回帰、しかも人が演じないような
かなりの大作チャレンジし続けるかっこよさ。
そこに至る想い知りたいが、事実だけ語って
歯がゆい気持ちになる。

短気で釣り好きで酒は飲まず、富士子奥様と一途に。
我慢強い方で、相手を大事にする方だと思います。
あの談志師匠とも、年齢が近いこともあるでしょうが、
先代圓楽師匠などと同じ土俵で付き合えるとは
やはりそれなりの人格者なんだと思います。

腑に落ちない部分も多数あったので
だったらご存命のうちに聴きに行けば良いと
判断し、小遊三師匠との二人会に行く事にしました。
チケットゲット。
来年の分ですよ。
どうぞお元気でお過ごしして欲しいと
今は切に祈っています。

明後日は、
小三治師匠聴きに行ってきます。
病気している場合じゃない。
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2016年09月09日

浅田次郎「天切り松 闇語り5 ライムライト」(集英社文庫)

実は9月から体調最悪がまだ続き、
風邪が抜けません。
明日もう一度病院行ってきます。
薬飲んでも、イマイチパッとせずにいます。
仕事はやれていますが、どうもダメです。
例の遠近両用もいったん外しました。
頭痛がくるのは、このせいかと。
近眼用で困らないので、元に戻しました。

天切り松は、大好き。
よっ、待ってました!と声をかけたくなる。
松蔵がヨボヨボ爺さんになっても
きっと語りは、闇語り。
警視庁の大向こうも唸らせる名調子。
かっちけねえ、なんて花吹雪もの。
6夜が収められています。
ただ今までの闇語り以上に、目細の安チームは
確かに歳をとって、肝心の盗みより人情に絡んだ
やるっきゃない仕事が目に付きます。
黄不動の栄治兄ぃも育ての父の偉大さに泣き、
百面相常兄ぃは、五・十五事件に関わり
(チャップリンの代わりですよ。奇想天外でかっこいい)
おこんは良縁を蹴り、
やたら葬式話も多い巻でした。
つまりは、いよいよ
天切り松終わりの足音なのか、と読みながら
寂しくなってきました。

仕立て屋銀次、ってそもそもかっこいい。
この悪党一味が世間に愛され、今も現役で
松蔵がお巡りさんや犯罪者に語って聞かせる意味も
小説ならではにしても、意味深さを感じます。

体調最悪でも、この本はじっくり読めましたし
丁寧に読みたくなる一冊でした。
あーあ、読み終わっちゃった。
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2016年09月02日

浅田次郎「一路 下巻」(中公文庫)

救急車以来、鼻血出ないかトラウマ。
おまけに病院で拾ったか、盛大な風邪っぴきに。
9月からの学校で今までで最悪な
スタートになってしまいました。

田名部の蒔坂氏は創作でしょうが
この地域は私の本当の故郷でした。
岐阜の垂井、正月くらいには結構な積雪。
それが中山道を通り、埼玉の大宮近くを
下って、お江戸日本橋に着く。
いやあ、私の生きてきた一部を
写しとっているような気さえしてきました。

山あり谷あり、裏切り者あり、
人情派浅田次郎さんは少し
もの悲しいけど、無事到着させてくれて
読み手をほっとさせてくれましたよ。
本当はとても聡明なお殿様もいいし、
一路の真っ直ぐさ、一所懸命の意味、
どれも現代人が忘れてしまった奉仕の世界や
当時でさえ忘れられた武士道について
蘇れ、と念じている辺り、
日本人の美学を笑わせながらじんわりさせながら、
一気に読ませます。

かと言って、愛国的な内容ではなく人の道、
まさに我々も一路に、と訴えている気がします。

上手いなぁと。
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2016年08月29日

浅田次郎「一路」

下巻読んだら詳しく書きます。
今日はワールドハピネスの記事で
いっぱいいっぱいという面もあります。

江戸も後期の無駄と意味無しの参勤交代を
半ば揶揄を込めて書き始めたと思われます。
一路は参勤交代のお供頭、父が急死して
やらねばならない立場に置かれ、
人との出会いで徐々に解決して
形骸化している参勤交代に深い意味を
持たせていくのです。
更に、その父の死は、謀反の現れのひとつとしての
意味も徐々に現れてきます。

歴史で習った参勤交代は
宿一つ取ってもさまざまな経済効果に
影響があるんだと改めて気づきます。東海道を選ばず
中山道を取る理由が
川越えの大変さに関わることも。
山の峠越えの方が大変そうですが、
さにあらずと知りました。

悪事組は旗色わろし、の展開で
下巻に入ります。
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2016年08月19日

中井英夫「虚無への供物」(講談社文庫)

オリンピック、賑やかです。
天皇の生前退位、人間として、か
象徴天皇として、か、悩ましいところです。
高校野球、見ちゃいます。
この夏は、ニュースにこと欠かない。

今日も銀座。
バッグ欲しくて行きました。
東急プラザ、ギンザ5、インズ、
三越まで回って、安くていいのGET。
その代わり、昼飯はサブウェイ。

やっと読み終わった。
長い。分厚い。内容もグヌヌ。
ウィキペディアやブログでの感想は一杯
出ているので、ググって下さい。
三大奇書、の一つらしいです。
アンチミステリー、という範疇らしいです。

推理探偵気取った姉ちゃんやおっさん、
ワトソン役の主人公らしき亜利生中心に語られる
ザ・ヒヌマ・マーダーケースの物語。
とにかくペダンティック。
青い薔薇、黄色い薔薇、シャンソン、ジャズ、アイヌ譚、
五色不動、
(目黒、目白、目赤、目青、目黄)
密室殺人、麻雀、ゲイバー、色彩学、
(氷沼蒼司、紅司、藍司、黄司、ですぜー)
昭和30年の世相
(洞爺丸沈没が大きなファクター)
東京のさまざまな土地柄
(三ノ輪、上野、浅草、目白、神楽坂、九段、等々)
古今東西の有名推理小説
(乱歩、クリスティ、ルルー、ポー等々)
出るわ出るわ。
殺人事件を巡り好き勝手な推理展開からの、
暗示的な放火事件、関係者のさらなる殺人、
これでもかと怪しさ妖しさテンコ盛り。
推理の馬鹿らしさや疑うことにさえ疲れる半ば、
まだまだ続くこんな疑いあんな出来事。
最後は、😩ハアー?という結末。
いや、ハアーっていうのは、呆れたんじゃなくて、
そーかそーか、だからアンチミステリーなのか、という
感心デス。
面白く読みました。
ていうか、有名推理小説読んでおかないとキツイ。
これでも、20代には創元文庫とハヤカワ文庫、読みまくり
アガサ・クリスティはほぼ全巻読破!
でもまあ、ほぼ忘れていますけど。
ただ、推理小説のパターンや仕組みはわかっていますから
この小説の言いたいキモは伝わっています。

よく書いたよねえ。
このエネルギーはすごい。
寺山修司を見いだし、三島由紀夫とも少なからず親交があり
薔薇と黒鳥を愛しんでいたらしい。
忌日を黒鳥忌という辺り
澁澤龍彦もビックリ、くらいの存在だったんでしょう。
たくさん読んできた私ですが、
まだまだ知らないことがいっぱいあります。
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2016年08月13日

後藤正文「ゴッチ語録」ちくま文庫

アジアンカンフージェネレーションのリーダー、
ゴッチと言われるボーカリストです。
彼はブログでも結構政治的発信をしていて
楽曲もそこそこ良い。
なによりCDジャケットが大好き中村さんなので
ちょいちょい聞いています。

内容的には、自分の好きなCD紹介中心、
あ~ん、A~Zの順にエッセイ
なんせ時代が違い過ぎて
あー、オアシスねー、ニルヴァーナねー、
XTCねー、………わからない。
ザザザッと読んで、おしまい。

静岡の野球大好きな若者が
ギター持ってロックした姿が
伝わります。

まあ、息子みたいなものだね。
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2016年08月09日

鈴木敏夫「ジブリの仲間たち」(新潮選書)

本日は小ねこと三ノ輪に行き
ジョイフル三ノ輪で過ごして
吉原神社に行き
近くの福カフェで美味しい黄粉クリームパンケーキを食べ
吉原大門まで歩き(ソープ街を眺めて)
(かつての遊郭、その名残紛々)
来たバスに乗り上野へ出て
秋葉原まで行き
ヨドバシカメラに入ったのが運のつき。
もとは7階のタワレコに用事があっただけ。
PC新しいの見てみようか、とPCコーナーに立ち寄ったら
ソフトバンクのお兄さんに
いろいろいろいろ話を聞くうち
結局なるほどとなってiPad買っちゃったという。
私はスマホが苦手でこっちならいいかと。

まあその話は後日にして。
本書は、鈴木さんなくしてはジブリはここまで
ヒットメーカーになれなかったっていう話。
数字に長けていてギャンブラーで
宮崎さんも高畑さんも大好きという人です。
面白いエピソード満載。
ナウシカからマーニーまでの宣伝活動のいろいろ。
ポニョの歌い手藤巻さんがダメ男な話など
楽しかったです。
posted by 大ねこ at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月08日

池袋演芸場デビュー。

天皇の「生前退位」に関わるビデオ。
美しい日本語で、出来るだけ誰も傷つかないように
「ちょっとしんどいわ」な気持ちを伝えていましたね。
裏に隠された思いを忖度するしかないですね。
天皇制は好まない派ですが
今の天皇は、様々な歴史を背負い
何か達成しようとする
民主主義の世の象徴でいようと
腐心していらっしゃると思います。
嫌いにはなれません。

で、話題は池袋演芸場デビュー。
浅草、末広亭、鈴本は何度か足を運びましたが
ここは今日が初めて。
池袋至近。こりゃいい。
ただ今までなかなか好きな番組がなかったり
時間的に駄目だったり。
今日から私は夏休み、さっそくチャレンジ。
昼の部に小三治師匠ですもん。

こみち、ろべえの前座の後(ろべえ、うまい!)
菊志ん、多分「五目講釈」
だいぶ講釈部分が違ってて、それが面白かった。うまいなあ。
彦いち、自分の出身地長島をいじった新作。
歌武蔵、「夏の医者」。上手になりましたね。
〆治、「皿屋敷」。いい味でした。
権太楼、「金明竹」。
まえにこみちできいた前座噺とはさすがに違う。
表情筋、どうなってる?と思うくらい楽しかった。
次回また鈴本で聞く予定なので楽しみ。

中入り。
三之助、「酔っ払い」。
川柳、軍歌からのジャズ。
噂では聞いていたけどああこういう爺ちゃんか。
85歳?矍鑠としています。かっこいい爺ちゃん。
声も確かにいいわ。
面白くはなかったけど、若者には逆にいいかも。
正楽、紙切り。今日は初めに「線香花火」
お題もらっては「イチロー3000本安打」
「リオ五輪」「ゴジラ」。これをすべて10分間。
神業、ならぬ紙業。
そしてお目当て、小三治師匠。
マクラ一切なしで突然「植木屋さん、ご精が出ますな」
青菜!!
しかしたっぷりフルバージョン、45分間。
とうとうと。美しい日本語で。
先日の白酒が受け狙い、及び新バージョンだったとしたら
まじめな植木屋、お屋敷のしきたりが羨ましい、
そんな長屋生活の民衆が憧れてやらかした馬鹿話に
徹していた。
おかみさんもそんな亭主の思いを汲んでいるし、
お屋敷のご主人も他意なくほんとうにお金持ち。
分をわきまえた上品さと
だからこそあふれ出るおかしみがありました。
ああ、いいな、小三治師匠。
池袋演芸場は噺をしっかりやる小屋だとは聞いていましたが、
本当に堪能しました。
3000円で安すぎです。
これで夜の部も入れ替えなし。
私は小三治師匠で退出しましたがこのあと夜のトリに
正雀師匠の怪談話。
もうちょっととっていいですよ、池袋さん。
ちなみに立ち見。昼一番から立ち見でした。
さすが人間国宝。客を呼びます。

仕事引退したら週1で通いますよ。
posted by 大ねこ at 20:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする