2016年01月29日

三浦しをん「人生激場」(新潮文庫)

かれこれ10年以上前の本なので
まだまだ若かりし(今も若いが)しをんさんの
エッセイ集。
面倒くさがりでBL好きで言葉へのこだわりがあり
調べ者や好奇心が旺盛で
サッカー選手が好きで(胸毛とかおじん臭いのとか)
女友達とキャッキャして
でも結構常識人で
なにかと「ぷんすか」怒ってたりもする。
可愛い人だ。

「これだけ科学が発達しているのだから、
簡単に取り替えられる蛍光灯がもっと
普及してもよさそうなものだ」
わかる!!蛍光灯の取り替えほど
面倒くさくて苦手なものはないわ。

「どうして風邪薬のCMは「家族」が主流なのか」
本当!!なんなんでしょうねあれ。

世論を「よろん」と読むな、「せろん」ぢゃ!
鬱陶しいを「うっとおしい」と読むな、「うっとうしい」ぢゃ!
同感同感、強く同感。

こういう辺りが好き。
また長編書いてね。
楽しみにしています。
(高村薫さんを好き、というところもイイネ)
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2016年01月24日

伊坂幸太郎「残り全部バケーション」(集英社文庫)

分かった。
伊坂さんの小説はとにかく危うい事件が起こる。
けど、犯人たちは何故かいつも人間臭い。
敵役もみんな人間臭い。
必ず伏線を張り
卒論なんかやる大学生には
垂涎もののストーリーばかり。
アレがこれと関係して、だから終わりはああなった、的な。
ただ面白く読む私は
正直言うと結構片っ端から内容を忘れていきます。
それくらい、のめりこんで読んで
終わったら、ああ、で終わり。
読む間に、ああ、あの男の過去はこれで
ここであの人と関わって
そして今も仲良しなんだな、というように。

毒島って前にもどこかに出ていたな。
そのボスの下で働く溝口、手下の岡田。
当たり屋して人と関わって、でもなんだか
にんげんらしくなりたくて
家庭崩壊寸前の親子に会ったり
過去の岡田君は正義のありかを探したり
虐待の親への対応を子供に教えたり。
毒島に消されたと思う溝口は
毒島を殺そうと画策する最後の章も
非常に面白くて
結局岡田は生かしていると知り
毒島もまあまあないい人だな、で終わる。
そして多くの善人たちは
今もきちんとつつましく生きている。

大きな事件を支える人間は
やはり人間でしかない、という明らかな真理を
伊坂さんはいつも楽しそうに描く。
本当はいろいろと死にそうにしんどいのに
人と出会ってくだらない会話をするうちに
なんだか救われていく。

これが人生なんだよな。
そんな当たり前なことに気づかされるのが
片っ端から忘れていくくせに
読みたくなる意味なんだと思います。

題がいいよね。
いろいろやらかして結局人生「残り全部バケーション」に
なっていくのね。
私ももう数年で退職になるわけですが
その残り全部バケーションにしたい。

ちょっとここのところ
何をしてもイマイチなので
余計にそう思います。

ところでSMAPぶじに解散なしになりそうですね。
謝罪は事務所側ではないかと思うのですが。
彼らも40過ぎた男で、独立も考えるわね。
それを苦汁を飲んで決断した、というところでしょう。
ドル箱スターを手放してもよしという考えなんでしょうが
それはそれ、関係者がきちんと語るべきだとも
思うのですが。
まあ、そこは芸能界の闇なんでしょうな。
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2016年01月18日

高橋弘樹「TVディレクターの演出術ー物事の魅力を引き出す方法」(ちくま新書)

いや〜この1週間少々、いろいろありすぎて。
春団治さん死去。あ〜上方落語重鎮が墜つ。
バスが落ちる。また格安バスが槍玉だ。
東京に雪が落ちる。通勤が物凄いことになる。
バスが来なくて。南北線が混む姿初めて体験。
デヴィッド・ボウイ死去。ロックスター、癌か。
「★」買いました。明日ウォークマンで聞く。
お金が減る。これは私事。
子供の特定の方々、忘れ物多すぎ。
要らん注意が増える。ストレス。
そしてそうした方々はその重みがわかっとらん。
SMAP解散騒ぎ。え〜〜〜でした。
DAIGOの結婚報告会見、いいね、唯一、いい。

などなど
新年早々お騒がせが多すぎ。
北朝鮮の水爆騒ぎ、アレもなんだったんだろう。

で、本書の筆者は大好きテレ東の
「空から日本を見てみよう」「ジョージ・ポットマンの平成史」
「TVチャンピオン」「世界ナゼそこに?日本人」などの
ディレクター。
くもみ・くもじい、好きでした。
怪しいポットマンも何気に見てました。

彼は芸人や俳優を使わず
ドキュメントを自らカメラを握り
撮りまくり、編集し、見る人に伝えようとする技術者。
いいね。
職人肌で、さすがテレ東。
予算がないから知恵を使う。
金ではないところで勝負をする。

どの仕事にも当てはまる話や
これでもかというくらい自分の技術を披露した本です。
読み応えありますし
TV製作の裏側の苦労もよく分かります。

たとえば私も使いたいサイトの紹介。
「「日本の古本屋」は「新しい面白さ」を発見するための
リサーチにおいて、非常に重宝するサイトです:
「お気に入り登録」しておこう。

われわれの指導案にも通じる話として
(台本、を、指導案、に置き換えて)
「台本作りには命をかけなければなりませんが、それは、
あくまでも、台本以上の奇跡やハプニングを撮影するためのもの。
また台本どおりにことが運ばなくなった時には
慌てずに方向転換できるようにするためのものです」
わかる。
台本どおりにいったことなど一度もない、とも。
そのとおりですね。

「物事を調べて表現する」「三つの種類がある」
「学者=真実か否か。
ジャーナリスト=正義か否か
エンターテインメント=面白いか否か」
これがTV番組の基本でもあり、われわれの仕事のすべてでもある。
多くに人々もそうだと思います。

やはり一つの道に通じる人の言葉は面白い。

いろいろあるけど
へこまずにがんばりましょう。
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2016年01月11日

マツコ・デラックス「続、世迷言」(双葉文庫)

マツコ・デラックスは素晴らしい。 
 ずっとテレビに出ていて欲しい。 
 「夜の街を徘徊する」 
なんて、意味不明な街ぶらぶら 
モヤさまが、守りに入る中、 
実にいい番組です。 

この本の中でも言ってたけど 
マツコ・デラックスって 
本当に普通の人。 
女装家とか見かけのレッテルどうでもいい。 
よく世間を見ている。 

選挙の時に、誰に入れても同じと思う人に、 
「だれがやっても同じなら、だれの意見でもきちんと聞く人を選ぼうという発想にならなゃダメだよ」
など、素晴らしいよ。 

内容は、テレビに出てくるゴシップネタ。 
時間潰しには最高。 
そして後味もさわやか。 
だれの味方も本気ではしないし
だれの批判も本気ではしない。 
けど嫌なものはいや、好ましいものは褒める。 
その姿勢に共感します。
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2016年01月08日

立川談志 聞き手吉川潮「人生、成り行きー談志一代記ー」(新潮文庫)

ここまで談春などに興味が出ると
ここは好き嫌いに関わらず
談志のことも知るべえ、と思い読みました。

聞き手の方は立川流の顧問ということで
そりゃあ談志ファンだから
それなりのヨイショがいっぱい。

出自から政界進出(慎太郎さんと仲良しなんだ、へえ)
小さんからの破門からの独立、
有名著名人の後押しを受けて
立川流創設、弟子からの上納金(やくざ発の手法らしい)
病を得てからのさらなる深化、
等々、ふ〜〜〜んという感じで読了。

政治的マニフェストはなく
有名人が好きで
攻めのおじさん。

う〜〜んやはり苦手。
芸人とはそういうほうがいいという理屈は分かっても
好きじゃない。
わざとそういう風に演技しているのかもだけど
やはり好きじゃない。

そうは言っても
順調に読み進み
うーむとうなって終わりました。

プライド、1位、分からない奴が莫迦、
俺はうまい。
苦手だ。
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2016年01月03日

内田樹×高橋源一郎(×渋谷陽一)「ぼくたち日本の味方です」(文春文庫)

年末からの読書。
実に楽しく、スッキリする本です。
おばさん的おじさんたちの放談トークがいい。
難解でなく、理知的でもあり、
時代もよく読み取っているから
この人たちは本当に「日本の味方」だと思いました。

2015年のフランステロの予告が。
2010.11.24の第1回対談で。
内田 フランスの場合は、イスラムの同化に
   失敗してるんだよね。・・・・分離されてる以上、
   国家に対して忠誠心なんか持てないし、感謝もしないし
   機会があったらなんかイヤなことしてやろう、って
   ついつい思っちゃうじゃない。・・・今の体制に不満な
   人を作らないための方法は、「やさしくする」ってことに
   尽きるんだよ。

内田 政治に限らず、すべてのシステムは、現場に
   いる人間が身体を賭けて、固有名詞で債務保証
   しないと、機能しないんだよ。・・・そういう人間が
   いれば絶対に、誰かが腹を切らなくちゃならないような
   大きな失敗は起きない。
今は就職難、かもだけど、実は・・・
内田 こういうときは、やっぱり頭パッと切り替えてね。
   みんなが向こうに行ってるときって、逆の側に
   がバーッと広いスペースが空いてるのよ。
   そこでなんでもできるんだからさ。

2011.2.22第2回
高橋 戦後文学ってどこから始まるかっていうと、
   僕は1947年説なんです。・・・「斜陽」と「青い山脈」の
   本が発売された年なんです。
(「青い山脈」には、戦後の理想が詰まっている、という)
内田 統治者が有権者の知性を信じていないんだよ。
高橋 つまり、それが55年体制なんだ。あれって、
   利益供与の政治だからね。・・・
内田 その原点には「金さえもらえりゃいいんだろ?」っていう
   考え方なんだよ。人のことを見下してるんだ。・・・
   TPP賛成論の根本にあるのはさ、すべての消費者は
   市場でいちばん安い商品を買う、という原理でしょ。
   ・・・身銭切ってでもなとかしたいっていう国民の感覚は
   「金がすべて」とは違うんだよ。こっちのほうが日本の
   リアルなんだよ。
武士道がなくなった日本に文学者夏目漱石は、・・・
内田 日本近代、特に男性たちに、自己形成のロールモデルの
   筋道をつけたと思うんだよ。・・・これが男の生きる道
   ってのを、明治40年代に作ったわけで・・・

2011.5.29第3回(東日本大震災後)
内田 原発のあるところって、だいたい明治政府から
   冷遇されてきたところでしょう。・・・産業がない
   から、原発でも誘致する以外にないというところまで
   追いつめられたところに選択的に原発がある。
内田 代替エネルギーの最先端の技術を持っているのも、
   これまた全部アメリカ。だから、原発を止める
   ということになると、廃炉ビジネスも、
   代替エネルギー技術も、「つなぎ」の火力エネルギーも
   全部アメリカが日本に売ることができるものばかり
   なんだよね。
高橋 だから、自民党でもっとも脱原発を明確に言ったのが
   小泉さん。
(うお〜、そうだったのか。大きくうなずくくだり)

2011.11.9第5回
山口県熊毛郡の祝島(反原発デモが30年以上続く島)の話。
高橋 2000年以上前、東京がまだ原野でサルも
   いなかった頃から文化がある。・・・日本の政とか神事の
   伝承がいっぱいある。それプラス漁業があって、
   農業があって、こっちが文化だって意識があるから、
   外の連中からひとり100万円もらったってなんの
   意味もない。
内田 「沈む」という言葉にネガティヴ・イメージを感じる
   ってこと自体が、まだ成長戦略の虜だということ
   だよね。本来、後退戦とか、しんがりを戦うって
   いうのは、軍事的にもっとも高い能力が求められる。

2012.2.14第6回
高橋 「きのくに子どもの村学園」という、自由教育を
   やっている学校が、和歌山にあるんです。・・・
   クラスがない、学年もない、「先生」がいない。
   だから「生徒」もいない。何よりカリキュラムがない。
   ・・・文科省が認可しる、正式の学校なんです。・・・
   6年間で学ぶべきことを学びさえすれば、
   どういう順番で学んでもいい、ということを
   認めさせちゃった。
(知らなかった。調べてみよう)
内田 子供としては「私は××である」と言い切りたい
   んだけど、言い切れない、その言い切れなさというか
   中途半端さというか、それが成長の手がかりなんだよね。
   それをばっさりどっちかに片付けるわけにはゆかない。
   だって、どちらかに片付いて、話がわかりやすい人間
   というのを「イデオロギッシュ」って呼ぶわけだから。
   教師はイデオロギーの毒から子供たちを守らなくちゃ
   いけない。子供自身に「きみは邪悪であり、かつ
   天使的であり、凡庸であり、かつ天才である」って
   いうふうに、二枚舌三枚舌、五枚舌十枚舌を
   使わなきゃいけない。
(そのとおりです。内田先生、深く同感です)


引用だけでまだまだ引きたくなる内容です。
そうそう、そういうことが知りたかった、
そうそう、そういうふうに言いたかった、
ことが満載です。
たくさんの人に読んでほしい1冊でした。

こいつぁ、春から、縁起がいいぜ!!
posted by 大ねこ at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月28日

鶴見俊輔・関川夏央「日本人は何を捨ててきたのか 思想家・鶴見俊輔の肉声」(ちくま学芸文庫)

いわゆる「難しい」ところは読み飛ばす。
なんとなく鶴見俊輔、という存在が好きだった。
べ平蓮、9条の会、話し方が穏やかで皮肉っぽく可愛い。
それくらいの知識でしかなかった。
平和主義者の一人として90過ぎて亡くなった
このおじいちゃんが、どんな人だったか、
少し分かってもっと好きになった。
でも、だからといって小難しいことは分からないけどね。
鶴見じいちゃんなら、それでも許してくれそうだ。
そんな庶民感が伝わる本でもあった。

「自分が悪人であることが受け皿だった」
著名なお父様と非常に厳しそうなお母様の間に生まれ、
非行少年として育った自分の原罪意識。
万引き、恐喝、早熟な女性関係、ありとあらゆる悪を
10代で終わらせ、アメリカに渡り小卒のままハーバード大学卒業。
自殺未遂もし、カリエスに冒されているのに召集。
戦争の愚かさも体験し、戦後、「知識人」として生きていく。
裏にある「悪人意識」にさいなまれつつ、
だからこそまっとうに生きていくことができた、とのこと。

関川「鶴見さんの尻尾ってどこなんですか」
鶴見「鬱病です。・・・十二歳のときから十五ぐらいまで鬱病。
   それから二十九歳のときと三十八歳のとき。
   三回鬱病がでている」
うーむ。
そうだったのか。
人に歴史アリだ。

倫理の問題はその時代、その状況によってせめぎ合って
選択されるものだ、その一つの表現として
漫画「寄生獣」を評価していたりもする。
マンガもしっかり読んでいる評論家は信頼できる。

いしいひさいち、高橋源一郎、井上ひさし、
寺山修司、大衆演芸、連歌、俳句、なんでもござれじゃ。

ちなみに「ひょっこりひょうたん島」は
死んだこどもたちの物語だと井上自身が言っているらしい。
おお、そうか。
だったらこの間見た串田版の演劇も意味が分かった。
そうか、そういうことだったか。
さすが串田和美。改めて感動した。
ダンディが死んだのは、
やっとこども側に戻ったちゅうことだ。
これは蛇足。

そしてこういう雑駁な知識人が
昨今減っていて
面倒くさい大人か、軽々しい大人か
大人も二極化しています。
この鶴見じいさんも筑紫哲也さんも
かっこよかったな。
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2015年12月23日

三遊亭白鳥「ギンギラ★落語ボーイ」(論創社)

この発行。どこだ?この会社。
なんというセンスのない題名だ。
この不思議な名前の作者は誰だ?
何でこのおばさんはこんな題の本を読むんだ?

という
?マーク満載でスタートしたくなる。
今年又吉直樹さんの「火花」がえらい人気でしたが
この本もいわば芸人が書いた
自分たちのしんどい思いの一種の私小説です。
「火花」、読みましたが
文芸臭と芸人臭があいまった芸人小説でした。
正直に言います。
この本、悪くないです。
「火花」、芥川賞とるなら
この本は落語家が選ぶ小説ベストテンぐらいには
十分入れる小説でした。
ただ題が・・・。
あまりにダサいな。

銀月亭ピョン太なる白鳥の生き写しが
白鳥もしたであろう苦労や
白鳥もしたであろうしくじりや
白鳥も必ずしたであろう失恋もどきや
白鳥は決してしなかったであろう拉致事件など
結構マジメな落語家下積み小説として
冗談交じりの軽い文体でしっかり書かれています。
青春小説としては後味も悪くなく
読み飽きることもなく
リアルとエエ〜?がない交ぜで楽しかった。
ピョン太の先輩格のハチャメチャあひる師匠の
あったかい愛情を感じるお馬鹿な言動は
「火花」のあの先輩よりうんと愛すべき存在でいい。
ピョン太の師匠は(本当の白鳥の師匠は円丈)
落語家の師匠然としていて、いい。
ピョン太を鍛える人々
1 美人席亭の涼子、「オナニーみたいな落語してんじゃないわよ!」
 笑える。いい女だ。
2 赤達磨(ピョン太とあひるがいく古臭い居酒屋)の親父さん。
 めっちゃいい人。
3 老人ホーム的な「憩いの家」(赤達磨の親父の紹介)の
 往年のイケイケ老人たちのピョン太への修行の数々。
4 池袋西口芸術劇場の公園で露天落語していたときに
 拉致して「わたしを笑わせろ!」とのたまった黄ばあさん。
 (ここのくだりは余りに破天荒で無理が一杯)
などなど
いい人たちが一杯。
プライドだけが先行していたピョン太が
一人の落語家(大人)になっていく様がいい。

白鳥さんの「トキそば」聞きましたが
この頃できたことも判明。
座布団、こねますもんね。
故郷佐渡、実は大好きなんだろうな。

今後またきちんと白鳥さん、聞いてみましょう。
(ちょっと自分好みではない)
(でも、人となりは多分好き。)
この本を読んでちょっぴりファンになりました。
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2015年12月18日

立川談春「赤めだか」(扶桑社)

文庫になってたんですね、う〜〜〜ん。
古本屋さんで700円だったから買ったんです。
気にはなっていたけど、どうすっかな〜っていう本。
でもいよいよテレビドラマやるっていうし
今が読み時かなと。

中卒で
談志の落語聴いて
入門して
新聞配達しながら落語を覚え
志らくと出会い
先輩諸氏に可愛がられたり脅かされたり。
そのうち魚河岸で働かされたり
50席覚えないと二つ目になれない制度で
必死に学び
一方で競艇にもはまり
やっと認められ
志らくが先に真打になり
じゃあ自分は、となった時
談志が破門された小さんを招いての
(花緑に頼んで)
真打昇進を果たし
ほんのちょっと談志に恩返しした気分のところで
終わる、「エッセイ」らしい。

あ、小説じゃないんだ、と
読み終わって気付く愚かな読者でした。

いや、面白かった。
談志のくだりももちろん楽しい。
でも、前座、二つ目の苦労話が何よりも面白い。
さすが談春、あの喋りのセンスがまんま文章です。
ちっちゃい赤めだかが
大きな鯉になった談春。
今じゃ本当にチケットもまともに手に入れられない。

何よりも今更
談志のCDを聴いてみたくなった。
でもそれは老後の楽しみにしよう。
だってライブで絶対聴けないんだもの。
談春、また行こうかな。
人となりが結構やっぱり、いいな。
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2015年12月14日

広瀬和生「この落語家を聴け」(集英社文庫)

月一回は聴きにいきたいのですが
なかなかな今の自分にとって
こういう指南書はありがたいのです。
特に、古い落語家の昔はよかった的な
評論よりは、ライブ感のあるこの手の本が
実にありがたいです。
とりわけ筆者はヘビメタ本の編集者で
落語評論家ではないあたり
ファン目線で、しかもロック評論的な
ノリのよさ(言い換えれば感情的でどれもいいみたいな)
が、むしろ素人にはいい感じです。

で、筆者のおススメは・・・
談志(死んだ)
小三治(大好き)
志の輔(チケットが取れない)
談春(ドラマでてる場合じゃない)
志らく(一度聴きにいきたい。狂気ありらしい)
談笑(古典の再構築を狙っているらしい)

市馬(本格派。お正月も2月も聴きに行く予定)
喬太郎(気になっています。一度聴いて印象的)
志ん輔(よく知らない)
喜多八(気になる。うまいです。新作もよくやる)
文左衛門(この間聴いた。それほど印象がない)
白鳥(不思議な存在感。気にはなっている。本買った)
彦いち(武闘派的な。力強かった)
白酒(うまい。好き。また行きたい)
三三(もちろん大好き)
歌武蔵(寄席で一回見て気になっている人)
鯉昇(まだ知らない)
菊之丞(イケメンですね。
    聴いてみたい。鈴本でトリ取ってる)
扇辰(知らない)
一琴(知らない)

昇太
たい平
小朝
花録(いいなあ。好き)
権太楼(いいよ、いいおじさん。好き)
扇遊(知らない)

そしてあとがきで補遺状態で
兼好、一之輔がやっと出てくる。

まだまだこれからです。
でも多分私は本格派が好き臭いです。
理屈っぽいのは苦手かも。
ただでさえ日常理屈っぽく生きているので
ライブくらいはゆったり噺の世界に
浸りたいと思っています。
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2015年12月07日

近藤正高「タモリと戦後ニッポン」(講談社現代新書)

78年生まれの気鋭?評論家でしょうか。
クイックジャパン等に書かれており
ネット系でも盛んに書いておられるよう。
私は初めて知った方です。

本書もやはり、というべきか
タモリ側の発言は無く
(昔の引用は多数あれど)
んん、まあそうだよね、考察の一種だよね。

いやいや、悪く無かったです。
しっかり読ませていただきました。
タモリのアルバム、聞きたくなりまして
アマゾンで確かめると3は8800円!!
価値はアリと感じていますが、んん。
そんな気持ちになる出だし。
ウォーホールとの類似性
(キャンベルの絵のように当たり前を歪曲すると楽しいノリ)
音楽に意味を感じないほうがいい感性
(だからジャズに行き着き聞きまくる)
師匠につくことなく可愛がられて気づいたらスター
(才能ももちろん、にしても、パトロンのよさ)
さらにそこに時代がついてきた。
(戦後すぐ生まれの彼には天性の運があった?というノリ)
レコードもなんとユーミンらのあのアルファが。
才能の豊かさも分かるけど
玄人ウケというか、拾う人の質が高い。
食客として赤塚不二夫の家に居候、
しかも居候道をつきぬけお礼の一つもないどころか
すべてにおいて図々しく振る舞い
それがまた赤塚に惚れられたという
常識では考えられない青春時代。
30からの転進でここまで来た彼は
三島の言い方を借りれば
まさに
時代と寝た男、だろうな。

カラオケはバーの人間関係をズタズタにしたから嫌い。
「笑っていいとも!」が30年以上続いたのも
時代が新しいものではなく焼き直しの時代になったから
というくだりは、妙に納得した。

肝心のタモリさん自身は
きっとノーコメントだろうし
そういう評論の類からは最も遠い位置で
生きてきているんだと思う。

まあ、そんなこんなで
時代を考えるのにいい本でもありましたが
肝心のタモリ論としては
やはり本人不在の本なので
片手落ちの感は否めませんでした。
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2015年12月03日

伊坂幸太郎「陽気なギャングは三つ数えろ」(祥伝社)

多分伊坂作品で一番力を抜きつつ
エンタメ的には最良の小説群の新作。
もう前作から9年経つんですね。
お喋り空気読めない蝶野を筆頭に
動物ヲタ、スリ名人、体内時計の正確さ抜群の
久遠、成瀬、雪子、みんなかわいい。
最初の強盗から悪党火尻記者を追い込むストーリー。
悪党が悪党を追い込む様が
往年の名作、映画の「スティング」を彷彿とさせます。
さらに悪党のカジノハウスが出てきて
そこのリーダーがおばあちゃんの飼っていた亀を
何よりも大切にしているというオチが
なんとも他愛なくかわいい。

全体がとにかく悪党どもの寄り集まりなのに
その根底にある優しさや正義感が
読み手をニヤつかせる仕組みになっています。

だからどうって言う感想はないんですが
読むのがとにかく楽しい
伊坂ワールドを堪能しました。

また響野を佐藤浩市で映画化してくれないかな。
posted by 大ねこ at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月28日

立川談四楼「談志が死んだ」(新潮文庫)

う〜〜〜んと。
立川談志は、好きじゃない。
どんなに四方八方で評価され褒められても
私には生理的に無理。
声も嫌い。態度も嫌い。人として嫌い。
この本を読んでもっと嫌い。

作者は筆頭弟子で
立川流が独立することになった
真打騒動のきっかけになった
その本人らしい。
立川流は物書きでなければならないらしいが
この方は小説家としても有名らしい。
解説でも何故か「これは小説だ」と力説しているが
私にはノンフィクションとしてしか読めなかった。
だって
弟子と師匠の話で実名だぜ。
これを小説として読め、虚実皮膜だ!と叫ばれても
わがままな師匠が死んだから
思ってること書いてやったぜ!
近親憎悪だ、腹いせだ、あの野郎、でも好きだ!
って言ってるとしか思えない。

上納金とってやんちゃして芸のためなら
人を糞味噌にしていい、と理不尽を言い放つ、
私には分からん。

壊れていく師匠の状況を事細かに書き
その死後の顛末を記しつつ
ちょいちょい自分の歴史もはさみつつ
人として変な人ばかりの噺家仲間エピソードが入る。
同じ立川流でも
志の輔や談春のことはごく控えめで
売れている人には配慮か?と深読みしてしまう。

私の大好きな同僚の先輩で
落語聞きとしては私の大師匠の方に
お勧めの噺家を教えてもらっていますが
少なくともこの作者に花丸は付いてなかった。
(立川流では談春、談笑、志らく、生志が花丸)

私小説を地でいくならまあありかもですが
私には不要な本でした。
落語家のゴシップとして受け取りました。
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2015年11月24日

広瀬和生「「落語家」という生き方」(講談社)

最初に三三。
まじめ。噺家の鏡的存在(に、なるであろう器)。
勉強熱心。たくさんの噺をものにし、
新作にも(まだ聞いたことがない!)チャレンジ、
なんと白鳥さんとも親しいらしい。
熱い。
好き!

次が一之輔。
声がでかい分体も大きい、態度もそこそこでかい。
喋って食っていけることに誇りを持っている。
発展途上でありながら熱い。
イケメン。
まあまあ好き。
ちょっと暑苦しいところが苦手。

白酒。
私の中で最も落語家然としている存在。
先日のスキップで聞いた裁き物が
いまだに印象に残っている。
上手いなあ、と再認識した。
勉強している姿を見せない、
けれどものすごい努力家な気がする。
やはり熱い。そして好き。

兼好。
気になるおじさん。
どの噺も聞いていて安心する。
でも脱サラして「なんとなく」噺家になった的な
発言や、自分の好きなものをやりたい、
暗いのはいやだ、人情ものは好かん、など
物議をかもしそうな発言がまたいい。
不真面目を装い、飄々と、
しかし内面には熱いものを秘めた人。
社会の荒波も知っているから
噺家然とするのがいやなんだと見た。
好き。

最後が白鳥。
新作を演じる、賢そうではないフリをしつつ
新作をバンバン出すあたり
また、女流落語家をおしているあたり
なかなかに風雲児(っていってももういい年)で
主流からは離れて、それでもややアバンギャルドに
攻めの落語に徹していると見た。
円丈師匠の弟子だしな。
1席しか聞いていないので
(それでも覚えているんだからインパクトは強い)
好き嫌いは難しいが
ちょっと聞いていきたい落語家だ。
熱い、きっと熱い。

ということで
好きな人、気になる人満載なので
買った本。
広瀬さんのインタビューは上手くはないが
人選がいい。
気になる人がかぶっていて嬉しい。

よ〜し、また聞きにいくぞ。
ていうか
とても聞きたくなってきた。
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2015年11月20日

三浦しをん「ふむふむ おしえて、お仕事!」(新潮社)

靴職人(手作り工房)
ビール職人(サントリー)
染織家(個人)
活版技師(朗文堂)
女流義太夫三味線
漫画アシスタント
コーディネーター(芸能人系)
動物園飼育係
フィギュア企画開発(バンダイ)
現場監督(前田建設)
ウエイトリフティング選手
お土産屋
編集者(徳間書店)

実にいろいろな仕事があるもんだ。
多少のことでめげている場合ではない。
多くの女性が多くの生き方をして
多くの職種で生きている。
何も知らないことのほうが相変わらず多い。
だから本を読む。
へええええ、と納得しながら読む。
これも見知らぬ何かとのつながりを
実は渇望しているのだと気づく。
そんな本だった。
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2015年11月17日

東直己「探偵ホウカン事件日誌」(光文社文庫)

ホウカン=幇間=主人公の探偵、法間(ホウカン)。
お世辞が巧みで、人をそらさない性格。
弁舌さわやかに人の心に入り込む。
しかしその裏にある観察眼や鼻のよさは絶品。
犯人も被害者も、そのお世辞に心地よくなり
ついつい心を許していく様が
読んでいて面白いです。

高級品についての造詣は抜群で
そのくせ自分は借金だらけでその日暮し。
時々舞い込む仕事で食いつなぐが
何のかんの言っても周囲は仕事をくれている。
800円の履きつぶした靴で歩き
高級セレブのワインやらアロハシャツやら
犬やら財布やらネクタイやら時計を当てまくる。
カクテルの造詣も深く、おもろいおっさんや〜。

事件は各種あって
殺人もあり、悲しい人を救うあり、
マルチ商法から、覚醒剤まで津々浦々。

これもできたらシリーズ化してほしいな。
こんな探偵さんなら会ってみたいよ。
ところで珍しく設定の場所が北海道じゃないっぽい。
薪谷市、北関東らしいが、住所に四条二丁目みたいにあって
これじゃ北海道の区画じゃんと、ちょっと突っ込みます。


追記。
フランスでのテロ事件。驚きました。
許されざることです。
悲しみにくれるパリに合掌です。
しかし、報復に意味はない。
ISには制裁が必要でしょうが
戦争を仕掛けてくる者たちに煽られて
し返してはなりません。
さすれば、またもや犠牲者は増える。
思う壺になってしまう。
でも、だからといって手をこまねいてもいられない。

とりあえず私は
「国境なき医師団」に寄付を明日します。
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2015年11月13日

伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎)

ハードカバーで購入したのは
もちろん先回読んだ「絆の話」の余波です。
斉藤さんの歌になった「ベリーベリーストロング」だけでは
申し訳ないので、原作も読むことに。

ああ、確かにあの歌はこの本が基ですな。
街頭アンケート、それは先輩がデスク蹴っ飛ばしたから。
彼女の指にメモ書きのシャンプー。
ヘビー級のボクシング。
あの歌は伊坂ワールドだったのねえ、と
感慨深いです。

続きはいつもどおりの伊坂さん。
連綿と続く人の関係=絆の話。
ライトヘビー級チャンピオン小野さんの話、
好きだなあ。
いやな人を撃退する方法が
「この人のお父さんがどういう人か分かってて
そのような仕打ちをするんですね」という奴。
これは使えますね。

人はまた人とつながっていく。
柔らかな絹糸のような
緩やかなつながり。
いいね。

やはり伊坂さんの書く小説は
好きです。
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2015年11月09日

井上ひさし「本の運命」(文春文庫)

本日2つ目のアップ。
病院で1日を過ごしたので
本が読める読める。

これは井上さんらしい本を愛する人の
読書指南。
13万冊の蔵書があって
生存中に山形川西町の農村生活改善センターに
本を寄贈、図書館にしたいきさつも
しっかり書いてありました。
遅筆堂文庫。行ってみたいです。

幼少時から本が身近にあり
お父様も大衆小説家を目指していたとか。
社会運動もしっかりなさっていて
井上さんはその足跡、お父様がなし得なかったことを
すべてなさったんだなと思いました。
高校時代には
図書室の本を全部読破しようと宣言したり
地元に来た映画をすべて見ようとしたり
なかなかに「やりおるのう」と言いたくなるような
ナイスなはみ出し青春時代を送っておられることも
知りました。

じじばばのくだらない作り話や
親の寝物語などなくなって久しいこの時代
「世の中が子供をお話から遠ざけるような
社会構造になってしまった。これは子供だけじゃなくて、
大人も同じことかもしれませんね」
と、見切っていらっしゃいます。

読書感想文は諸悪の根源、とも言い切ってくださいます。
全く同感です。
私自身も感想文は大嫌いでしたし
今の教え子たちにも進んで書かせたいとは思いません。
主題を聞いたり、作者の意図を忖度はさせますが
どう思ったかなど、あまり意味を感じません。
いわく
「感想ではなくて、「何が見えるのか」、「何が書いて
あるのか」という、自分が観察したことをそのまま
分掌で表す練習が大切でしょう」
同感同感。

働き方や職住分離型の日本を批判し
だから文化が根付かないことにも気づいています。
本を読むのは通勤時のみ、
コンサートやライブに行くのは結構仕事との関係で
節制する日本。ドレスアップしていくなんて
今の日本には考えられない。
「本とか演劇とか、コンサートとか美術館とか、
そういったものを、われわれの生活の装置として
抱え込む都市、あるいは住み方の構造をつくらないと
いけないと思うんです」
ああああ、その通り!!!!

最後に自分の覚書としても書いておきたい
「井上式 本の読み方十箇条」
1 オッと思ったら赤鉛筆
2 索引は自分で作る
3 本は手が記憶する(電子ブックじゃダメ絶対)
4 本は(最初のほうを)ゆっくり読むと、速く読める
5 目次を睨むべし
6 大部な事典はバラバラにしよう
7 栞は一本とは限らない
8 個人全集をまとめ読み
9 ツンドクにも効用がある
10 戯曲は配役をして読む

使えます。
是非子供たちにも伝えたい。
posted by 大ねこ at 20:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「伊坂幸太郎×斉藤和義 絆の話」(講談社)

伊坂さんと和義さんの対談
&それぞれのプロフィール本
私は両方とも好きなので、お得でした。

伊坂さんが和義さんの
「幸福な夕食、退屈な朝食」を聞き
会社を辞めて作家一筋になったのは
有名な話。
ただ、そのタイミングは知らなかった。
全く無名の頃ではなくて
ある程度作家として立てる目処が
あった頃とわかり、曲はドラマではなく
きっかけだったんだとわかりました。

対談のキモは
「アイネクライネ」と「ベリーベリーストロング」の
つながりでした。
伊坂さんの小説を元にして作った曲 、
偶然ではなく企画ありきのようです。
まあ売れてる2人ですから、
何があっても不思議ではなく
それぞれ大人の都合もあって
できた事かも知れません。
ただ、そうした諸々を感じさせない
それらを超える仕事をする2人が
私は好きなので、安心しました!

職人2人が、感じていた通りの2人で
これからも好きでいたいと思いました。
この対談から今は10年以上経ち、
和義さんは間もなく50歳、
新譜「風の果てまで」聴きました。
オッサン臭さがよい意味で増えて
私は、いい歳の取り方してるなと
うれしく思います。
コンサートチケット、もちろんゲットしております。
伊坂さんも「グラスホッパー」映画化で
また世間を騒がしています。

これからも楽しみぢゃ!
posted by 大ねこ at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月05日

絲山秋子「不愉快な本の続編」(新潮文庫)

日本各地とモノローグ、
どっちかというと困った人たちを
描く人なのかな、という印象。
「逃亡くそたわけ」とこの作品と2作しか読んでないけど、
インパクトはあります。

献辞としてカミユの「異邦人」を引用しているので
そういう話かと思いましたら
そういう話でした。
悪いことばっかりしてきました、
人を信じることはできません、
出自にも問題はあります、
変態性癖アリ、布フェチ、
フランス行くくらいだからとりあえずはインテリ、
それでも人を愛したことはあり、
泥棒の女を解放してしまう人の良さもあり、
借金を踏み倒されてもなんだか興味もなく、
そんな男の不愉快な物語です。

純文学から遠く離れてしまっている自分には
(10代から30代までは妙に文学少女、娘でしたが)
ふーむ、という感じです。
悪くないです。
モノローグの形をとっているので読みやすい。
でもだからなんだ、という感じ。
言葉遊び、思考遊びの域を出ず、
人生遊びを楽しんでいて、ちょっとだけ
社会性もなくはない、という
この手の小説は
ま、年くった自分には
好んで何冊も読む類ではないかなと。
作者の知性や発想力には才能は感じています。
うん、嫌いじゃない。
カミユ、好きだったしね。
すべては太陽のせい。
ああ、言ってみたいな、その台詞。
死ぬ前のベッドで言ってみようかな。
人生なんて、すべて太陽のせいだぜ、なんてね。

posted by 大ねこ at 21:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする