2016年12月30日

映画「蘭丸 神の舌を持つ男」 堤幸彦監督

松竹系のチケットが31日で有効期限なので
見るものなくて困って
究極の選択で決めました。

見ました。
笑えましたが、飽きました。
壮大な俳優とロケ費の無駄遣いです。
TVで十分。
TVでも好んで見てはいないし。
佐藤二郎さんを見に行って納得、
それだけの映画でした。
横溝作品のパロディに近いのでしょうが、
ウーン、微妙でした。
そもそも向井理さん、好きじゃないし。
水を巡る攻防もイマイチ納得できないし。
蘭丸とリンさんが姉弟っていうのも安直だしね〜。
最後の方は眠かったです。
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2016年12月27日

江戸川乱歩「明智小五郎事件簿5 猟奇の果」(集英社文庫)

変態乱歩ここにあり。
ストーリー的には大きく破綻。
品川さんに瓜二つの怪人。
猟奇好きの青木さん。
初めは淫売宿でのサドマゾごっこメインだったのに
後半、明智小五郎さん出てきたあたりから
もう完全に別の小説。
共産党非合法活動に恐れる乱歩は
でっちあげとも言えるストーリー展開にシフト。
工場主やら警視総監やら総理大臣やらの瓜二つ続出。
挙句の果てに、人間完全整形術を行う
気が違った医師登場。
最後にその人、頭打って本当の発狂者になるって
ちょっとすごすぎます。
明智さんもやられたはずなのに
なぜかちゃっかり復帰して事件解決しちゃう
素晴らしき御都合主義。
登場人物の中で一番の猟奇好きは青木さんですが、
いつの間にか主人公がすり替わって
今まで幽霊男とか呼ばれていた犯人に
青木さん自身も整形させられたらしく
存在感が急になくなっていました。

もうこの作品は、アレですね、
センセーショナルに扇情的に書きあらわしたもので、
当時の東京の各地の面白さを楽しむにしくはないです。
内容求めちゃいけないです。
主題よりデティール楽しむ小説でした。
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2016年12月23日

江戸川乱歩「明智小五郎事件簿3 蜘蛛男」(集英社文庫)

長編小説。
連載を意識しての筆の運びが顕著。
「さて、次はどうなるでしょう!」的な。

特徴的な美人を狙う博士。
犯人探しをしていた畔柳博士が実は犯人、
というのが、前段の重要事項。
それをあっさり突然登場した明智小五郎が解決。
後段は、犯人と明智の対決の構図。
ぼけぼけして逃してしまったり
ありえん警察のお間抜け捜査があったり、
ツッコミどころ満載でした。
最後に自分から死んでしまい、
ご都合主義も満載。

でも、読んじゃいます。
変態的なプロット、差別感いっぱいの文章、
エログロナンセンスで読ませます。
人の「いかんなあ」という部分にヒットしてきます。
人の心にひそむ妖しい思いに
不敵な笑みを浮かべて近づいてくる文章です。
下世話なゴシップについつい聞き耳立てる、
あの感じです。文春➖センテンススプリング、的な。
好きじゃない。けど、気になる。
嫌いとは言えない。
そんな世界観。
まだまだ続きます。

ところで、犯人は、ちっとも蜘蛛男じゃないんです。
ただの看板題名。
まさに文春の新聞広告の見出しレベル。
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立川志らく独演会 よみうりホール

2日連続落語会。イエーイ!
一応冬休みに入ったと言うことで。
そして今年最後の落語会でもあります。

タイトルも、まんま。
「今年最後の立川志らく独演会」
芝浜こだわりの会で
談志の直系と言う自負のもと、
現代に通じる芝浜を構築し
トータルで演じる、を目的とした
会になると予見します。
芝居、映画にも造詣深く
頭が良い役者兼脚本家兼監督兼
プロデューサーであろう彼なら
狂気を秘めつつ
ただの人情噺ではない芝浜にすると
期待しての幕前であります。

私は知りませんでしたが
かつて談志存命の頃は、ここよみうりホールで
「芝浜」を毎年演じていたとのこと。
その遺志を彼が汲んだと言うことでしょうね。

前座がじら。
時そば。
なかなかいい声の二つ目。

「芝浜 後日の噺」、親子酒。
つまりは、酒でダメダメになる親子。
勝五郎は、結局酒飲んでるってこと。
ここで酒の象徴を描きました。

「芝浜 以前の噺」、天狗裁き。
なるほど、夢の話でとんでもないめに
あわされる話で、最後に女房に揺り起こされる。
布石として
42両も金子を海に投げ入れるくだりも
仕込みましたね、志らく師匠。
こちらは夢の象徴。

中入り

「芝浜」
たっぷり。
ラストの女房のネタばらしのくだり、
畳み掛けてきました。
勝五郎は事情がわかるにつれ
この女房が自分の嬶でよかったと
心底思ったことでしょう。
その気持ちが痛いほど伝わる演技力でした。
女房がどれだけ勝五郎が好きで
ただただ彼の魚屋稼業が好きで
だからこの話が成立しているか
全く無理なく伝わりました。
過去に馬鹿な夢事件があって
それは自分のせいで
今は「夢になっちゃいけねえ」ってやめた酒を
大きな店を構えてから息子と大虎になって
酒を飲み始める勝五郎の全てを許す
この女房の物語なんだ、という設定。

なんだかね、愛の物語にしましたね。

いいなあ。
私は談志の噺を知らないから
なんの解説もできないけど
年末、年の瀬、今年最後の落語として
いい噺が聴けてよかった、と
嬉しく思い、ホールを後にしました。
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2016年12月22日

柳亭市馬 年忘れ市馬落集

年忘れ市馬落語集

大井町って街なんですね。
劇団四季の夏劇場に観に行って以来の街。
今日はきゅりあん大ホールです。
駅近が嬉しい。
シートが良すぎて埋まります。

一部に落語。
私好みの美味しい面々。

市馬 七段目
今日の歌謡ショー意識しての芝居ものですね。
いい声。

兼好 桃太郎
つなぎ意識しての軽い笑い噺。
ませた子供の表情がよかった。

三三 世相ネタ盛り込んだくだけまくりのお血脈。
上手い。ぶっこむ辛口時評が賢すぎて笑える。
私はこの頭の回転のよさに惚れています。
今日の座席は前から3列目。
表情の動きが本当によく観られてワクワクでした。

白酒 三十石船 森の石松の田舎言葉の浪曲噺。
新版・三十石。
笑った。白酒の怪し過ぎる田舎言葉に
ハマります。

中入り。

二部に昭和歌謡大全集。
司会に林家たけ平と加藤浩さん。
こみち姐さんも登場。
権太楼師匠特別出演ゲスト。
番場の忠太郎、だっけ?ヤクザ者が歌う
くさ〜い「瞼の母」。なりきりです。
噺家さんって役者だよ。
昭和10年代過ぎから30年代の歌ですね。
私の母親世代好み。
客席ノリノリ、レインボーカラーのペンライトが
揺れまくり。いいねえ。
アイジョージとか東海林太郎とか鶴田浩二ですよ。
市馬師匠のリサイタルなんだけど
昭和歌謡再発見でした。
結構コード進行やリズムが難しい曲もあって
なめたらあかん、と思いました。

でも、最後まで付き合った兼好さん白酒さん三三さん、
楽屋とか袖で聴いていたんでしょうね。
その姿考えたら、また笑いそうです。
歌の上手いジャイアンに付き合う
のび太やスネ夫枠ですね。

ま、実は今日は職場の忘年会でした。
チケット買っちゃったせいもありますが、
完全に好みの強いこちら選択で
後悔はしていません。

でもまあ、次回はないな。
私はやっぱり落語聴きたい。
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2016年12月17日

柳家三三、柳亭左龍二人会 内幸町ホール

内幸町ホールって
夜暗い時、大変見つけにくいところです。
三三左龍の二人会。
二度目の参加です。
三三さんは一体いくつ噺を覚えているんでしょうね。
今が一番勉強しどきなんでしょうが
その熱心さにほだされますよ。
左龍さんも大器の予感の香りあり、
互いの研鑽の場でもあるんでしょうね。

前座小多け 手紙無筆
声が良い人です。
腕はまだまだですが、いい感じです。

三三 権助提灯
本宅とお妾宅を飯炊き権助と行ったり来たりの
馬鹿らしさ、「提灯もう要らねえ。夜が明けた」
冬にぴったりです。
権助と女性二人と主人の演じ分けが見事。

左龍 代書屋
内容が内容だけに大笑いを呼んでました。
お馬鹿な履歴書依頼人と
知ったかぶって代書する代書屋の
演じ分けが、これまた見事。
大仰な演技が笑いを誘います。

中入り

左龍 鈴ヶ森
一瞬「出来心」かと。初めて聴きます。
泥棒の滑稽噺。
人物の描き分け、上手です
馬鹿らしくて吹き出す笑いの類です。
元ネタの代書屋とはかけ離れたものかも。
1人の履歴書を書き続けて
最後にこの話は本当か?と問う代書屋に
嘘だと思うならこの履歴書を見ろ、
というオチでした。

三三 安兵衛道場破り
元ネタは浪曲。落語で検索しても
ヒットしない。
三三のオリジナル?
いやあ、面白い。引き込まれました。
12月忠臣蔵の季節、赤穂浪士ものの
スピンオフ的笑い噺でした。
堀部安兵衛がまだ浪人で
越後から江戸に出てきた頃の話。
堀部安兵衛は浅草で巾着切りにあい一文無し。
宿屋の主人は日に一斗飲む
安兵衛にびっくりしながらも嫌いじゃない。
道場破りで「わらじ銭」を得られる面白さで
マネージャーをかって出た主人、
嫌がりもせず道場破りに行く安兵衛が可愛い。
結局お尋ね者状態になり稼ぎが止まり
仕方ない「面倒(面・胴)はごめんだ」
笑いました。
ていうか、三三節に完全に取り込まれました。
ああ、そうだ、これだった、
私が三三好きになったのは。
いろいろ噺聴いてきて
三三以外にもいっぱいご贔屓できて
三三じゃなくてもいいんじゃない?って
思い始めていましたけど、やっぱり三三。
声にハリも出てきています。
語りのパターンは見えてしまう部分もあるけど、
それは好きな漫才師のお決まりフレーズみたいなもので
来た来た〜!と楽しみになります。

いやあ、よかった。
正統派、なんでしょう。安定感とも。
それゆえの心地よさに笑みが止まりません。
三三最高。
左龍も応援します。

ちなみにホールは
地下鉄ホーム直結の道ありました。
これなら迷わす行けます。
posted by 大ねこ at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「バンド臨終図鑑」(文春文庫)

バンド臨終図鑑〜ビートルズからSMAPまで
いにしえのバンドから、
最近の存在さえ知らないバンドまで
たくさん網羅されています。
読了して何か感想は、と問われても
何もありません。
かくも多くのミュージシャンがいて
ヘロインやら覚醒剤やら男女問題やら
音楽の志向違いやら仲間割れやら
金銭問題やらあるわlあるわという感じです。
そして特徴的なのは
活動停止または解散後も
多くが再結成や期間限定でライブするという
現象です。無論、ファンが望むケースを
多いのでしょう。が、金ためにも
ありがちな様子が伺えます。
人気絶頂で解散もありますが、
なかなか生々しいバンドもあり、
若気の至りがバンドの運命なのだろうと
思うのであります。

そうなると、岡崎体育君が歌うところの
バンドじゃなくてよかった。ギャラ独り占めできる、
というフレーズが意味を持ってくるのですな。
BUMP OF CHICKENのように
保育園時代から仲良しで
メンバー変更一切なしでトップに君臨するのは
稀中の稀、っつーことでしょうね。
労作です。
印象には残りませんけど。
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2016年12月11日

江戸川乱歩「明智小五郎事件簿2」(集英社文庫)

本書は、中編2編収録。
「一寸法師」
「何者」〔朝井リョウのとは違う〕
まず「一寸法師」は今なら発禁もの。
つかってはいけない言葉のオンパレード。
小人症であろう犯人への差別感満載。
極悪人として生きざるを得ない状況説明は
もちろん描かれているけど、根本的に差別。
不具者としての仕方なさ以上に
人としてダメっていう猛烈な差別。
1925年ごろだから大正の頽廃や軍事色これからの
時代背景で、猟奇を好む人々も多かったんでしょう。
推理ものとしての面白さより
そっちの妖しさで読ませるお話でした。

「何者」の方は有名にならないだけで
私も解説者も絶賛に値するお話でした。
本格推理ものです。
当時の世相が、こうした真面目な推理ものを
要求していなかったとしか思えない。
クオリティは高い。
被害者が犯人探しの探偵役、
犯人が分かった後のどんでん返し、
明智小五郎不在かと思いきや
思いがけない人間に変装、
足跡トリックの妙、
何者とは、犯人・語り手・明智、全てを指す。
凝ってました。
しかも動機の一つが徴兵逃れって、
時代背景だと思います。
その辺り全て緻密に計算されていて
なかなかの小説でした。
しかし、結局乱歩はこの道でなく
猟奇方面〔本人いわく、自分の体臭のする〕の
作品で有名になっていくようです。
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2016年12月10日

立川志らく独演会 練馬区文化センター

立川志らく独演会。
近くて遠い(乗り換え3回)練馬区文化センターです。
志らくは初めてです。

開口一番は18番弟子❗️立川うおるたあさん。
転失気。
筋をしっかりなぞれていました。
志らく はじめに時事ネタぶっ込んで
落語仲間イジって、今帯で出演中のこと喋りました。
声がイマイチ通らないのが私はうーむです。
松竹梅 「亡者になあられた」でサゲました。
手馴れた噺振りでした。
後ろの座席の方がしきりに上手い上手いと褒めていました。
が、そうかなあ。
悪くはないけど、笑えるけど、松竹梅の
人物が3人いるようには聞こえなかった。
噺振りや表現力で聴かせる感じで
こちらの想像力は掻き立てられなかったです。

中入り。

ごめんなさい!めっちゃ感動しました。
「文七元結」
江戸っ子の左官屋長兵衛の人となりが
愚かで可愛くて人間臭くて惚れました。
博打で身を持ち崩したバカ亭主なのに
自分の着物取られ、
裸に法被着込んでつれあっているおかみさん、
身投げしようとする文七、
お店のご主人、
そして家族のために恨みごとも言わず身売り決心する娘、
身売り先の男前な女郎屋の女将、
みんな江戸前の素敵な人間。
女物の着物着た変なおじさん、一銭もなく
格好ばかりつけて、それが長兵衛。
でもでも、人間だなあ。
噺の良さは言うまでもなくですが、
先ほど批判的に記した表現力で聴かせられました。
上手い。
大きな噺ほど力を発揮する人だと思います。
まさかここまでのめり込んで聴くとは、
自分でも予想外です。

立川志らく、侮れない。
噂通りの男でした。
これからの落語界を率いる男でした。
posted by 大ねこ at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月06日

江戸川乱歩「明智小五郎事件簿1」(集英社文庫)

1ですから、今後続きます。
江戸川乱歩は小学校時代ポプラ社か
シリーズでいくつか読んだくらいで
実は詳しくない。以前小林信彦さんの本で
大した人だと知り、これは読まねば、と
思っていた矢先、文庫コーナーで
このシリーズがあるのを知りました。
今の所5巻まで購入済みです。
ウキウキ。

明智小五郎の作品の書かれた順ですから
時代の変遷もわかりやすい良い企画です。
1 D坂の殺人事件
サドマゾの引き起こした痴情事件が殺人事件と
見誤る話で、意表をつくもの。
2 幽霊
後ろ暗い男が恨まれていて
その恨み主が死んだにもかかわらず幽霊として
現れてノイローゼに陥りかけているのを
それは実は本人生きていると見抜く。
3 黒手組
黒手組と言われる悪党にお嬢さんが誘拐された と
金持ちの悩みに、実は狂言でお嬢さんは
駆け落ちしていたというオチ。
4 心理試験
ドストエフスキーの「罪と罰」に似た作り。
金のため老婆を殺した賢い男。
心理を知り尽くして行動したようだったのを
明智はさらに上をいく心理試験で見抜く。
5 屋根裏の散歩者
全てに興味の持てない男が犯罪には興味をもち
屋根裏を毎夜彷徨ううちにモルヒネをいびき男の
開いた口に投下する殺人を実行。
目覚まし時計です自殺ではなく他殺と見抜き
〔死ぬ人間が目覚まし時計をセットするわけがない〕
追い込むあたり、サクッとしているくせに
凄まじい。

面白い。
読みます。
posted by 大ねこ at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする