2018年02月02日

岡本哲志「銀座を歩く」(講談社文庫)

都市形成史学、という分野の仕事が
あるのですね。筆者の仕事。
「ブラタモリ」にもよく出演なさっているとのこと。

銀座が好きで結構ぶらついていますが
本書によるところの路地の多さには
今ひとつ気付いていませんでした。
江戸の頃からの区画から
必然的に生まれた小道だそうで。

地図も豊富、ですが
わかりやすいとは言いがたい本でした。
しかし、面白かった。
ガス灯がある場所
路地がビル内に吸収された場所
など気付いてない事実を知りました。
晴海通りが好きになれない理由も納得。
道幅が広すぎるんですな。
銀座通りが心地よいのは
桟敷席の部分があるからか。
5丁目から7丁目あたりが好みなわけも
金春通り等花街だったからだと。
潜在的に好き嫌いで分けていた土地は
実は歴史的遷移によるものだったかと
ちょっと驚く。

ビルの解説や区画の話題は理解できませんが
また銀座路地巡りしようと決めました。
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2018年01月31日

柳家三三独演会 初春 練馬文化センター

三三独演会 練馬文化センター。
交通の便がよく、好きな場所。

開演前に届いた高校時代の仲間からのラインは
恩師の突然の死去の訃報でした。
体育の教師で高校生の私たちに
自由と責任をしっかり教えてくれた
私の教師としての鑑でもある方です。
数年前囲む会でお会いした時
本当にお元気で70を越した方には見えない
若々しい姿でした。
年賀状のやり取りも続いていて
この正月にもご自分の趣味の写真を
アップしてのお便りが届いていたのです。
ただ、なんだか淋しい写真だったし
なんのコメントも記されていないことに
一抹の不安はありました。
ラインには突然のご逝去だったように
書かれていたので
苦しまず召されたのならよいのに、と
今は残念な気持ちをなくすのにいっぱいです。

でも三三師匠。
笑わせてください。

そんな気持ちで座席で待ちました。
今日の副題は「初春」。
もうすぐ節分。
今日の子供達は自分たちで決めた集会で
節分に関する遊びを考え楽しみました。
立春。東京にも雪が降り寒すぎる毎日ですが
確実に春は来る。
そう願う今にふさわしいタイトルです。

前座 さん喬師匠門下の次回真打昇進決定のさん若。
うまい。「水屋の富」。
切ない水屋の表現がよかった。
しかし理不尽な噺。
身の丈に合わないことはしないという戒めか。
また聴いてみたい噺家さん。
覚えておきます。

三三。孝行息子の「薮入り」。
親の愛情、親への愛情満載。
何てあったかい噺だろう。
いろいろ調べてみるといわくのある噺っぽいけど
三三はストレートにいい夫婦と親思いの息子の
帰還に特化しました。それが嬉しかった。
まっすぐな職人の親父と
そんな亭主を御しつつ子を思う
温かい母であるおかみさん。
それを理解している頑張る息子。
気持ちよかった。

中入り。

次が、「元犬」。
戌年にちなんだね。
爆笑ネタ。可愛いんだシロ。
その後すぐ「崇徳院」。
金持ち同士の恋煩いと儲け狙いの庶民の落差が
楽しい罪のないネタでスッキリ終わる。

本当にどんどん上手くなる三三。
仕事含めいろいろあった1日でしたが
浄化してもらいました。

そうそう、ついでに見た帰り道の夜空に
皆既月食。
もう三日月状態でした。
真冬の空の天体ショーも大成功のようでした。
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2018年01月26日

河合莞爾「粗忽長屋の殺人」(光文社文庫)

短命の理由
ご存知短命を元にした遊女の悲哀

寝床の秘密
これも義太夫狂いのご主人の寝床より。
相模屋の旦那が下手な義太夫を唸るのには
大きな隠し事があった。
華岡青洲が出ちゃう話。

粗忽長屋の殺人
粗忽長屋と粗忽の使者をリンクさせた逸品。
熊五郎がただのおっちょこちょいではない。
実は間違えるだけの理由が隠されていたという。
へえ。

ラストが高尾太夫は三度死ぬ
紺屋高尾、千早振る、反魂香のミックス。
高尾は妹がいてその名が神代太夫って
いいんじゃない。

全てスッキリ終わるハッピーエンド。
構成そのものが落語。
落語家に語らせたい。
いい出来ですね。

河合莞爾さんって全く知らない。
でwiki見てみた。
生年月日不詳だって。
編集者でもあるらしい。
別にいつも落語もの書いているわけでもなさそう。
談志が好きなんだと。
ムムム。
だから解説は談四楼なんだな。
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2018年01月25日

沢田研二 50周年記念LIVE NHKホール

東京にも20センチの雪が降り、
交通機関が止まって
学校に行くのに45分のところ
2時間弱かかるハメになりました。
雪に弱い街であり私であります。

その日から3日経ちますジュリーに会えました。

今回は50周年記念でシングル盤ばかりの
コンサート。
50曲やるってことでフルサイズは無理で
オール一番のみ。
それでもどの曲も懐かしくかっこよく
体型が変わり顔は老いても声は昔のまま。
多少高い音域に無理は感じましたけど
情感のある独特のあの声は健在。

あなたにワインをふりかけ、からの
大ヒットもそうでない曲も全て
等価に扱う姿勢が好ましい。
楽しそうに舞台を駆け回る69歳が
当時のイケメンではなく自らジジイと呼ぶ
オヤジがなんとも色っぽい。
うまいんです。ホントに。

多分、あのイケメン時代に別れを告げて
自由になりたくてあえて体型維持をしなかった
と、私は思うのです。
声だけで本気で勝負したい、思い、
わかる気がします。

アンコール前の長々しい自分を語るコーナーで
さらに自由になる宣言。
歌が好き、そこだけで評価してくれるファンを
僕は大切にして行く宣言。
ええ、ついていきますよ。

ファンも熱かった。
そしてNHKホールの音が良すぎて。

5時開演ってことで休暇取ること余儀なく
でしたけど、価値はありました。

勝手にしやがれ、六番目のユウウツ、等々
嬉しかったですが
カサブランカダンディがなかったのは
寂しかったかな。
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2018年01月19日

井上ひさし「一分ノ一 下」(講談社文庫)

驚きの事実、
本書は未完だった。
だんだんペースアップして
膨大な情報と濃密な出来事の面白さが
肌に合ってきて、いよいよ大団円か、と
手にとって、未完と知り
正直ショックは隠せなかった。

バブルが弾けたと同時に飽きちゃったのか
膨大過ぎて収拾不能と判断したか
ほかの仕事が多すぎて手が回らなかったか
多分最後の理由だとは思いますが
残念。

サブーシャは、逃げ回り
東勝は追いかける。

一分ノ一、とは
身の丈に合う生き方せよとの警鐘だと思う。
書かれた時がバブルですから。
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柳家三三 月例会イイノホール

三三月例会、イイノホール。
交通の便もいいし、何より三三専門の会。
もっと参加したいけど人気ですから、
チケット自体ボヤボヤしてると取れない。
今年は出来るだけ頑張るぞ。

「湯屋番」
正月初席で聴いたもののロングバージョン。
立て板に水の勢いで居候若旦那を演じる。
三三は色男系や後家さんがぴったりします。

「天災」
気短な八五郎に諭しを入れる紅屋の先生、紅羅坊。
こちらの名演に対して野蛮でまっすぐな
八五郎の造形に少し無理があるような。
キャラクターの問題で
三三は乱暴者を演るには声が良いし、高い。
言葉上のガラッパチぶりはうまいんだけど
凄みとか愚かしさがちょっと違うかな、と
感じながら聴いていました。
だったら似たような噺での(真似っこする意味で)
「青菜」の方が合っていました。

中入り。

柳亭市弥「金明竹」
発声がもう少し明瞭だといいな。

ラストはトリネタでよく聴く「安兵衛道場破り」
これはこれでハマリネタ。
人は良いけどちょっとお金に目が眩んだ
宿屋越後屋の亭主が好きだな。
もちろん主人公の安兵衛自身も
豪放磊落で無頓着で酒好きで
好きなキャラクター。
こうした武士や町人はうまいんだ、三三。

普段喋る仕事なので
無条件に身を委ねて聴ける喋りが
好きなんだと最近気付きました。
その中で声、表情、間合い、
ちょっぴりの皮肉や冷徹さがある毒性、
テンポ等々、全て好きな条件にはまるのが
三三なんだな、と気付いた本日でした。

次は月末、また聴きに行きます。
あー、癒された。
posted by 大ねこ at 21:39| Comment(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月13日

井上ひさし「一分ノ一 中」(講談社文庫)

仕事始まり、その疾風怒濤の忙しさに
笑えるほどです。
親分曰く、プレミアムフライデーは無理でも
週に一回は早く退勤しましょうよと
呼びかけてくれるのですが、無理。
その当人の親分が次々と仕事回してきます。
現場ってどこもそんなもん。
帰りの電車の混むピークを見ると
ご同輩だらけですからね。

さて本の話。
荒唐無稽が止まりません。
サブーシャさんが一人になってしまい
東京の文書配達人という仕事を得て
偽の身分証明書を数枚所持し
使い分けていたところが
そのいちいちがいわくつきの人物だらけ。
殺人者、中国料理店の皿洗いプロ、
俳優、本書表題「一分ノ一」を書いている作家、
おかげで追っ掛けられてはギリギリで助かる
事件だらけ。
しっちゃかめっちゃかでありながら
筋に乱れを見せないあたりはさすが。
本書のラストは、文書を配達に行った先が
ディズニーランドならぬ霊園ランドで
バーチャル体験するところで続く、です。
そのバーチャル体験がなぜか忠臣蔵って。
井上さんの好きな世界があちこちに
散りばめられているあたりは笑える。

結構晩年に近い作品だと思いますが、
デビュー当時の「ブンとフン」にに近い匂い。
思えば「ひょっこりひょうたん島」が井上さんとの出会い。
そのあとはそれと知らずに「ブンとフン」を読み
笑い転げた高校生の頃。
劇作家と知ったのはずいぶん後。
その後、宮沢賢治との繋がりや
憲法問題コメ問題などの意見に強く共感。
心の師の一人ですね。

さて、そんな師匠がこの冒険活劇に
どんなオトシマエをつけるのか
最後まで楽しみたいと思います。
posted by 大ねこ at 17:55| Comment(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月05日

井上ひさし「一分ノ一 上」(講談社文庫)

ちょーっと読むのに時間かかりました。
まだ中、下とあるのが正直ウンザリ。
時は19✖️✖️年。
日本が米、英、中、ソ連に分割統治された設定。
東北はソ連の統治下。
三郎ことサブーシャ地理学者。
東京のセクシー歌手や関西の兄いや
旅館の息子たちとのニッポン奪還冒険小説。

何しろ入口がロシア文学然としていて
そこがまず難読。
やっとそこを超えたら面白くなってきましたけど
ヘリコプターに忠犬に爆弾に
あまりに荒唐無稽。
その上井上さん独特の畳み掛けがてんこ盛り。
こっちも真面目くさって読むのをやめたところ
やっとスムーズに読み終えることができました。

井上さん独自の難しいことをやさしくして
笑い飛ばせる仕組みになっています。
ただ、思いのほか荒唐無稽が過ぎていて
戸惑っています。
とりあえず中巻にいってみます。

多分男性雑誌か何かの連載ですね。
posted by 大ねこ at 19:51| Comment(0) | 読書の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月04日

鈴本演芸場 新年初席

まあ初席ですね。
真打小八、声がいいな。
はん治、いつもの妻の旅行。
めおと楽団ジキジキ、楽しくて面白かった。
琴柳、講談。
ホンキートンク。いつものマッチネタ。
喬太郎。さらっと終わる。でも好き。
雲助、今日は雑だった。
白酒、弟子がやったざるや。さすが面白かった。
権太楼、これも落語なし。マクラのみ。
さん喬、子供がお駄賃ねだるネタ。
表情でごはん3杯いけます。
小猫、話術で引っ張る。
一朝。濃いなあ。好きだわ。
正楽、注文が初夢、初詣、宝船。
いつか切ってもらう!
お目当三三。湯屋番。
うまい。馬鹿噺ですっきり。
笑って満足。

まあ初席ですね。
なんということもなく楽しんでこれました。
明日は仕事始め。
頑張ります。
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北とぴあ落語会 白鳥 白酒、菊之丞 さん喬四人会

今年初落語。
豪華二本立て。

一つ目は北とぴあでの落語会。
白鳥、菊之丞、白酒、さん喬です。
新春にふさわしい穏やか(白鳥以外)なメンバー。
二つ目は鈴本の初席の夜席。三三主任。

では一つ目。

白酒 時そば。
二人目の客のリアクションが絶妙。
ありきたりな時そばが爆笑。
人の良さとシニシズムが同居する
白酒ならではの味わいある時そばでした。

菊之丞 幾代餅。
前に三三で見て感動した噺。
正月にふさわしいめでたい演目。
また真面目が報われる噺なので
聴いていて後味が良いです。
三三バージョンより色っぽく
軽い感じですが、菊之丞さん自身が
女形ぽいので廓噺にぴったりで
とてもよかったです。

中入り。

白鳥 豆腐屋ジョニー。
ゴッドファーザーを狙った新作。
三平ストアの片隅のチーズと豆腐の抗争。
最後は新作メニューで合体。
照れ屋の白鳥がちょっと出すぎ。
作品的には悪くない。
白鳥さん、素直に頑張って。
爆笑取れますよ。
私も嫌いじゃないです。

さん喬 妾馬。
はじめて聴きました。聴きたかった演目。
嬉しいです。
妹が側室として大名の子供産んで
職人の兄がお屋敷に行く噺。
めでたいし賢くはないし常識にも欠けるけど
人として最高の兄が良すぎて
涙出ました。
さん喬師匠は顔からすでに反則で
見ただけでうるっときます。
笑顔で馬鹿なこと言ってるのに
人情噺になっちゃう。

全部よかった。
初の噺全てマルです。
ちなみに前座は白酒師匠のところのはまぐり。
ざるや よかったです。上手くなりました。

上野に向かいます。
posted by 大ねこ at 16:41| Comment(0) | 音楽・映画・芝居などの鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする